第6戦北海道大会は、全10戦からなる今シーズンが後半戦へ突入したことを意味する。例年の会場、わっさむサーキットでの全日本選手権開催はこれで14回目。岩盤や石が多く、高度なテクニックと慎重なライン取りが要求されるコースだ。
前回の九州大会からは4週間ぶりのレースになったが、辻健二郎選手、増田一将選手、福留善秀選手の全員が負傷上がりのTEAM HRCにとっては、このインターバルの恩恵を受けての参戦となった。
このところ全国各地で大雨のニュースがもたらされていたが、北海道和寒町は土日とも好天に恵まれ、気温も30℃を超えた。
▼IA1(450/250)ヒート1 好スタートを切った増田選手が、オープニングラップからトップを快走。2番手以下には大河原功次選手(ヤマハ)、小島太久摩選手(ヤマハ)、高濱龍一郎選手(Honda)、辻選手、小池田猛選手(ヤマハ)と続く。増田選手は早々と独走態勢を固めたが、セカンドグループでは散水の影響でめまぐるしい順位の変動があり、10分過ぎには増田選手、小島選手、小池田選手、辻選手という上位陣に落ち着く。レース中盤になると小島選手が脱落し、2位争いは小池田選手と辻選手の一騎討ちとなった。 レースが大詰めを迎えると、序盤のミスで7位まで後退していた高濱選手の猛追撃が始まる。30分を経過する頃には、小池田選手と辻選手を射程内に追い詰め、三つ巴の2位争いを展開。そして迎えた最終ラップ、高濱選手は辻選手と小池田選手を立て続けに抜いて2位入賞を果たした。高濱選手との接触で小池田選手がはらんだコーナーで、辻選手も小池田選手をかわして3位をゲット。終始トップを走って優勝した増田選手を筆頭に、Honda勢が1-2-3フィニッシュを達成した。
▼IA1(450/250)ヒート2 絶好調の高濱選手がホールショットを取ったが、出遅れた増田選手は1周目9番手、辻選手は転倒もあって19番手と波乱に満ちたヒートになった。高濱選手は小島選手、加賀真一選手(スズキ)、釘村太一選手(ヤマハ)ら後続をあっと言う間に引き離し、開始10分後には10秒差以上の独走態勢に持ち込んだ。 レース中盤になると、高濱選手を追いかける2〜3番手は加賀選手と戸田蔵人選手(スズキ)に代わったが、リーダーのペースは衰えを見せず、早々とスタート・トゥ・フィニッシュ達成の雰囲気が漂い始める。不運な転倒から追い上げるHRC勢は、トップ争いには絡めなかったものの、増田選手が終盤のペースアップによって5位、辻選手も12位までばん回した。終始快走した高濱選手は、そのまま逃げきって優勝、2位に加賀選手、3位には30分間際で戸田選手をかわした小池田選手。この結果、ポイントリーダー小池田選手とランキング2位高濱選手の差は11ポイントに接近した。
▼IA2(250/125)ヒート1 溝口哲也選手(カワサキ)がホールショット。中堀敏宏選手(Honda)、小島庸平選手(スズキ)、新井宏彰選手(カワサキ)を間に挟んで、福留選手は1周目5番手につけた。中堀選手の後退と入れ替わるように、小島選手と福留選手がポジションを上げ、4周目には溝口選手、小島選手、福留選手がトップ3を形成した。 時間の経過とともに溝口選手がリードを広げる一方、小島選手と福留選手が接近。24分過ぎには、福留選手が小島選手をかわして2位を確保した。だがトップのアドバンテージを崩すまでには至らず、溝口選手、福留選手、小島選手の順でチェッカーを受けた。
▼IA2(250/125)ヒート2 ホールショットの溝口選手に続き、2番手につけた福留選手だったが、オープニングラップの攻防で北居良樹選手(スズキ)の先行を許した。そんな福留選手が2位を取り返したのは5周目だった。9周目には溝口選手が転倒。それをかわそうとした福留選手もバランスを崩し、ここではポジションに変動がないままだった。 終盤になると福留選手がペースアップし、数秒前を走っていた溝口選手を射程内に捕らえる。最終ラップにはサイド・バイ・サイドになった2台が、並んだままフィニッシュラインに飛び込む。ほぼ同着に見えたが、溝口選手が0.14秒差で優勝。福留選手はヒート1に続いて2位入賞と健闘した。
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