グリーンパーク弘楽園の土は、乾燥によりバイクが通り過ぎる度にパウダー状の砂塵が発生するため、頻繁に散水が必要なコンディションであった。
増田一将選手、福留善秀選手とケガが相次ぎ、意気消沈気味だったTEAM HRC。前戦で肩を負傷した福留選手は、今大会も欠場することになったが、会場には元気な顔を見せファンサービスに努めていた。 また、前戦で総合優勝(2位/1位)を飾った高濱龍一郎選手(Honda)は、今大会の予選レース中にヒザを痛めて、痛みに耐えながらの参戦となってしまった。
▼IA1(450/250)ヒート1 大河原功次選手(ヤマハ)がホールショットを取り、戸田蔵人選手(スズキ)、小島太久摩選手(ヤマハ)、出原忍選手(ヤマハ)と続く。増田選手は7番手、辻選手は11番手と出遅れた。トップにはすぐに戸田選手が立ったが、10分後には小島選手へと入れ替わり、フレッシュな顔ぶれによる争いが前半を引っ張った。 8周目には増田選手がリーダーとなり、中団の混戦をくぐり抜けてきた辻選手もこれに続く。後半は増田選手と辻選手が1-2態勢となったが、2台の差は3秒を切った頃からぐっと縮まり、終盤はテールトゥーノーズになる。そして、ラストラップ、ついに辻選手が増田選手攻略に成功。増田選手はチェッカーまでの半周で逆襲を試みたが、100分の7秒差で振り切った辻選手が優勝。IA1クラスでの優勝は、辻選手にとって初の快挙だった。
▼IA1(450/250)ヒート2 好スタートの大河原選手をかわした戸田選手が転倒で自滅。2周目からは増田選手、加賀真一選手(スズキ)、辻選手というオーダーになる。辻選手が加賀選手を早々とパスすると、ヒート1よりも早く1-2態勢が整った。増田選手と辻選手は終始2〜3秒差を保ちながら周回を重ね、ヒート1同様のドラマを期待させた。 果たして30分を経過する頃には、またしてもテールトゥノーズになった増田選手と辻選手。だがこのヒートでは逆転はならず、増田選手がリードを守りきって優勝した。辻選手の後ろでは、加賀選手と小島選手が3位争いを繰り広げたが、最終的には小池田猛選手(ヤマハ)が3位に駆け込んだ。
▼IA2(250/125)ヒート1 溝口哲也選手(カワサキ)がホールショットを取り、序盤から独走態勢を築く。セカンドグループは小島庸平選手(スズキ)、須田純選手(カワサキ)、釘村忠選手(ヤマハ)、そしてCRF250Rを駆る深谷広一選手(Honda)が接戦を展開した。深谷選手は15分過ぎに、この混戦をすり抜けて2位に浮上したが、10秒近いアドバンテージを持った溝口選手が逃げきり優勝。深谷選手は小島選手のスパートを振り切って、2位でチェッカーを受けた。
▼IA2(250/125)ヒート2 スタートから飛び出した北居良樹選手(スズキ)をかわして、溝口選手が2周目にトップに立つ。3番手以下には、小島選手、釘村選手、深谷選手らが続く。レース中盤になっても溝口選手の貯金は3〜4秒ほどだったが、追いかける方はその距離を縮められず、溝口選手がリーダーの座を守り通す。深谷選手は中盤4位走行中に転倒脱落。2位には小島選手の追撃をかわした北居選手が入賞した。
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