5月末には世界グランプリの開催を控えているため、今季は例年よりも早い開催となったSUGO大会。コースレイアウト変更なども含めて、以前から準備が進められてきたスポーツランドSUGOには、国際モーターサイクリスト連盟モトクロスコミッション会長のウォルフガング・スルブ氏も1ヵ月後に控えたモトクロス世界選手権のための視察に訪れた。決勝日は好天だったが、強い風に砂塵が舞うこともあり、波乱を暗示しているようにも感じられた。
▼IA1(450/250)ヒート1
1コーナーのイン側をすり抜けて、上位グループにつけた増田一将選手が、オープニングラップ中にトップに躍り出た。2番手に辻健二郎選手が続き、早々とHRC所属選手の1-2態勢が確立。徐々に増田選手と辻選手の間隔は開いていったものの、後続の大河原功次選手(ヤマハ)、小池田猛選手(ヤマハ)に対してのアドバンテージは大きく、磐石の1-2と映った。
しかし、中盤になると、3番手を確保した小池田選手が辻選手に接近。そして20分を経過する頃には、クリーンパスして2番手に浮上した小池田選手だったが、路面に波状のコブが連続するフープスで単独クラッシュして脱落。1周目から先頭を快走した増田選手は、リードを維持したまま優勝。10秒差の2位には、返り咲いた辻選手が入った。
▼IA1(450/250)ヒート2
1周目に中村友則選手(カワサキ)と増田選手が転倒。ハイスピードセクションで増田選手が倒れていたため、レースは赤旗が提示されて一時中断に。およそ30分後、再スタートとなった。転倒の際に脳震盪を起こした増田選手は、病院での検査結果では、幸い大事には至っていない。
再スタートが切られると、釘村太一選手(ヤマハ)、高濱選手、大河原選手が上位を競う。1コーナーでは、辻選手の後輪に転倒車が絡まるハプニングがあり、辻選手は転倒は免れたものの一時ストップ。このアクシデントで、最後尾からの追い上げを強いられた。
高濱選手は2周目にトップに立つと、序盤にして独走態勢を固めた。28分頃には小池田選手が2位に浮上したが、スパートをかけた高濱選手がそのまま逃げ切り優勝。辻選手は接触事故の際、リアブレーキにダメージを受けたが、ブレーキが効かないまま順位を16位まで挽回した。
▼IA2(250/125)ヒート1
福留善秀選手がホールショットを奪ったが、序盤は溝口哲也選手(カワサキ)、深谷広一選手が食らい付いて、三つ巴のトップ争いが展開された。10分過ぎ頃、リーダーは深谷選手、そして溝口選手と入れ替わったが、その後すぐに福留選手が抜き返し、以降はトップの座を維持した。
レース後半になって、深谷選手と釘村忠選手(ヤマハ)がトップに迫り、終盤、約2秒差まで深谷選手の接近を許したが福留選手だったが、最後のストレートを堂々のウイリーで駆け抜け、まずはヒート1を制した。
▼IA2(250/125)ヒート2
溝口選手がホールショットを奪い、福留選手が2番手につける展開でスタート。福留選手は一時7〜8秒の遅れを取ってしまったが、レース中盤から徐々に溝口選手との差を詰めるようになった。
ラスト2周には、両者はテールトゥノーズにまで接近。福留選手は最終コーナーで溝口選手を攻略し、ついにトップへ浮上。そのまま残り1周を走り切り、この日2度目の優勝、パーフェクトウインを果たした。
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