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1年間の活躍が期待されるHondaの5台 |
3月30日(日)、TIサーキット英田(岡山県)において2003年全日本GT選手権(JGTC)第1戦「GT
CHAMPIONSHIP in TI」の決勝レース(82周=303.646km)が開催された。
29日(土)に行われた公式予選は、1回目、2回目とも路面はドライ、気温17〜18℃というコンディションとなり、Honda
NSX-GT勢は予選1回目に1分25秒342を記録した伊藤大輔/T.コロネル 組(G'ZOX無限NSX)が予選3番手ポジションを獲得。道上 龍/S.フィリップ
組(TAKATA童夢NSX)が予選5番手、松田次生/小暮卓史 組(Mobil 1 NSX)は9番手、加藤寛規/光貞秀俊
組(RAYBRIG NSX)は10番手、土屋圭市/金石年弘 組(ARTA NSX)は14番手からの決勝スタートとなった。
決勝レースは晴天のもと14時03分にローリングスタートが切られた。1周目、Honda NSX-GT勢は伊藤大輔選手(G'ZOX無限NSX)が3位、S.フィリップ選手(TAKATA童夢NSX)が6位、加藤寛規選手(RAYBRIG
NSX)が8位、松田次生選手(Mobil 1 NSX)が9位、金石年弘選手(ARTA NSX)が14位につける。その9周目に金石選手がコースアウトを喫するものの、直ぐにレースへ復帰する。
30周後半あたりになると、他車が次々にドライバー交代のピットインを始めるなか、Honda NSX-GT勢は、ライバル達より遅めのピットインを敢行。まず39周を終えてG'ZOX無限NSXの伊藤選手がT.コロネル選手に交代。40周を終えたところで2位まで浮上していたTAKATA童夢NSX
のS.フィリップ選手が道上 龍選手に交代し、5位で復帰を果たす。最後までピットインを遅らせていたMobil 1 NSXとARTA
NSXは43周を終えてピットインし、小暮卓史選手と土屋圭市選手がコースに復帰した。
ほぼ、全車がドライバー交代を終えた時点で、道上選手が4位、T.コロネル選手5位、小暮選手が8位、光貞秀俊選手が9位、土屋選手が13位となる。
54周目、ピット作業違反のため、TAKATA童夢NSXにピットロード通過のペナルティが課せられるものの、道上選手は再び4位のポジションを取り戻すことに成功する。
レース終盤の69周目の1コーナー、2位を走行していたADVANスープラが他車と接触した影響でコースアウトしたため、道上選手が3位と表彰台圏内に浮上。T.コロネル選手も4位、小暮選手が5位、加藤選手が7位に浮上する。
3位走行の道上選手は最後まで安定したペースを保ちながら82周目のチェッカーフラッグを受け、TAKATA童夢NSXが開幕戦で3位表彰台を獲得。続いてG'ZOX無限NSXが4位、Mobil
1 NSXが5位、RAYBRIG NSXが7位、ARTA NSXが11位でチェッカーを受け、Honda NSX-GT勢は全車完走を果たした。
●永長 真(Shin Nagaosa)NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
「新車5台がトラブル無く無事に完走し、しかもそのうち4台がポイント獲得を果たしました。新車の完成が開幕間近で各チームが充分なテストも行えなかった中では、良い結果だと思います。しかし、速さの面では不満の残るレース展開でした。今シーズンのレギュレーションでのハンディキャップの重さをひしひしと感じています。ただ、まだやり残したことがあり、’03NSX-GTのポテンシャルを100%活かすための開発を進めていきたいと思います。また、レースマネージメントを含め、総合力でシリーズタイトルを目指して頑張っていきたいと思います。」
■3位 #18 TAKATA童夢NSX
●道上 龍(Ryo Michigami)選手
「昨日の予選が終了した時点では難しいレースになるとの思いがありましたが、レースが始まりS.フィリップ選手とドライバー交代する頃には、表彰台を狙える自信がありました。ピットスルーのペナルティには正直驚きましたが、3位でフィニッシュすることができました。
NSX-GTも’03モデルになりセッティングやタイヤなどいろいろと試行錯誤しながらやっていますが、今回のレースで次戦の富士に向けて何をしなければならないかが判りました。次回も良い成績を残せるように頑張ります。」
●セバスチャン・フィリップ(Sebastien Philippe)選手
「厳しい展開になるだろうと思っていましたが、とにかくベストを尽くそうと考えてレースに臨みました。’03モデルのNSX-GTはとてもいいフィーリングなのですが、レギュレーションの変更もあって難しい問題を抱えています。その中での3位という成績には十分満足しています。次戦の富士はNSX-GTにとって苦手なコースだとされていますが、チャンスは十分にあると思っています。先日雨の中で行なわれた合同テストでは良いタイムも出ていますしね。次回もベストを尽くして1ポイントでも多く取れるように頑張ります。」
■4位 #16 G’ZOX無限NSX
●伊藤 大輔(Daisuke Ito)選手
「4位でフィニッシュし、10ポイントを獲得できたことに満足しています。ただ、ライバル達の成長もはっきりと見えたので、僕たちがもっと努力しなければならないと再認識しました。今日の良い部分、悪い部分を改善の材料にしていきたいと思います。次はいいレースをみせますよ。」
●トム・コロネル(Tom Coronel)選手
「ずっと、オーバーステアの症状が出てしまい苦労しました。一度ミスをしてしまったように最後まで我慢のレースでした。でも、この状況の中、ポイントを獲得できたことは大きいと思います。これからは、車をもっと良く仕上げて挽回していきたいですね。」
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