round 15

September 17 2011, QUALIFYING
IZOD IndyCar Series Indy Japan 300
第15戦 ツインリンクもてぎ

14回目のインディジャパンはロードコース初開催
スコット・ディクソンがポールポジションを獲得
佐藤琢磨は11番手、武藤英紀は22番手から決勝に挑む

今年で14回目の開催となるインディジャパンは、この春の震災でオーバル・コースであるスーパースピードウェイの地盤沈下や隆起が発生したため、ロードコースでの開催となりました。アメリカから搬送されてきたマシンは26台、出場ドライバーは12カ国から集まり、この中に3人の女性ドライバーも含まれています。

  • スコット・ディクソンスコット・ディクソン
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨
  • 武藤英紀武藤英紀
  • ドライバー集合写真ドライバー集合写真

今年の「インディジャパン ザ ファイナル」では、金曜日にプラクティスが1回設けられ、土曜日にさらに2回のプラクティスが行われました。これは、より多くの走行時間をドライバーとチームに与えることで、よりハイレベルなマシンに仕上げることを可能にするためです。

合計3時間15分のプラクティスのあと、好天の下で予選は開催されました。午前中からツインリンクもてぎ上空には晴天が広がっていましたが、予選時には雲が広がり、気温、路面温度ともにさほど上がらない中でのタイムアタックとなりました。

2グループに分かれての第1ステージでトップタイムをマークしたのは、グラハム・レイホール (Chip Ganassi Racing)とスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)でした。佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は6番手で第2ステージへと進みましたが、武藤英紀(Sam Schmidt Motorsports)は残念ながら第1ステージで敗退し、予選順位は22番手に決定しました。

第1ステージをクリアした12人で争われる第2ステージでも、レイホールがトップタイムをマーク。しかし、6人に絞り込まれたファイナルステージでは、ディクソンが1分38秒3918のベストを記録してポールポジション獲得を決めました。このポールはディクソンにとって今シーズン2度目、キャリア17度目となるものです。今季、ディクソンがポールポジションからスタートしたのは、ミッドオハイオ・スポーツカー・コースで、そのレースでディクソンは優勝しています。

チャンピオン争いを展開中のウィル・パワー(Team Penske)は、予選ファイナルで1分38秒4194をマーク。0.0276秒の僅差で惜しくも2番手となりました。その一方で、ポイントリーダーとしてキャリア4回目、3年連続のチャンピオンを狙うダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は予選のファイナルステージへと駒を進めることができず、9番手と苦しいポジションから明日のレースをスタートすることとなります。

予選第1、第2ステージで奮闘していたレイホールは最終的に3番手を獲得し、4番手はライアン・ブリスコー(Team Penske)で、5番手は大健闘したルーキーのジェームズ・ヒンチクリフ (Newman Haas Racing)、そして6番手はインディジャパン2勝で、昨年度ウイナーのエリオ・カストロネベス(Team Penske)でした。

佐藤琢磨は第2ステージでのベストが1分38秒9194で、ファイナルステージに進むことができず、スターティンググリッドは11番手に決定しました。

明日は午前9時から30分間のファイナルプラクティスが行われ、63周で争われる決勝レースは午後1時にスタートが切られます。

コメント

スコット・ディクソン(ポールポジション) 「非常にいい一日となりました。タイム差がとても小さい、厳しい予選でした。予選の第1ステージからマシンのバランスはすばらしい状態でした。ところが、もう1セットのレッド・タイヤを投入した第2ステージでは、少々苦戦を強いられました。そこで予選のファイナルステージには、第1ステージで使ったタイヤで走ることにしました。その結果、マシンのバランスは元通りよいものに戻ってくれました。ツインリンクもてぎのオーバルとロードコース、両方で勝利を飾る初めてのドライバーに、明日、なることができたら、それはファンタスティックなことです」

ウィル・パワー(2番手) 「プラクティスでのパフォーマンスから考えれば、私たちTeam Penskeはうまくリカバリーをしたと思います。プラクティス2回目の私たちは、本当に苦しんでいたんです。そこからばん回して、予選で2番手に食い込めたのはすごいことだと思います。ただ、最後のラップをミスなく走りきれなかったのは残念でした。あのラップがうまくいっていれば、ポールを狙えていたと思うからです。最後のいくつかのコーナーで、私のドライビングが完ぺきではありませんでした。しかし、2番手ならうれしい結果です。レースでは何が起こるか分かりませんが、チャンピオンシップ獲得に向け、今週も私たちは、いるべきポジションにつけることができていると思います」

グラハム・レイホール(3番手) 「チームにとってすばらしい予選となりました。今週末の我々は、速さをずっと保てています。予選の第1、第2ステージでトップに立つこともできました。スコット・ディクソンとウィル・パワーは、ファイナルステージで見事なタイムを出していましたね。予選の第2ステージまでに一度使ったタイヤで、フロントロー・グリッドを獲得するラップタイムを記録したのです。私は2戦連続でトップ3からスタートできること、今週の自分たちのマシンの調子がとてもいいことの両方を喜んでいます。明日のレースでは上位を保ってゴールしたいと思います」

佐藤琢磨(11番手) 「昨日のプラクティスを終えた段階で、今日の予選ではファイナルステージに進むことを現実的な目標として掲げていました。昨日から今日に向けてマシンのセットアップを変更し、それが悪い方向に進んでしまったために、プラクティス2回目は最下位でした。そうした状況から、プラクティス3回目にマシンを大きく向上させ、さらにチームメートのデータも照らし合わせてマシンをチューニングし、予選に臨みました。残念ながら、自分たちの予選は11番手という悔しい結果となりました。明日のファイナルプラクティスで、タイヤのロングランでの性能をチェックし、決勝レースでは追い上げる戦いで臨むつもりです」

武藤英紀(22番手) 「金曜の走り出しから調子がよく、自分も乗れている感じがありました。しかし、路面のコンディションが少しずつ変わり、そこにマシンのバランスを合わせきれませんでした。予選ではマシンセッティングをさらに変更しました。ほかのチームも速くなりますから、自分たちもさらに上を目指さなければなりません。しかし、予選での自分たちのマシンは非常に乗りづらいものとなっていました。その上、第2グループの方が速いドライバーが多かったです。明日のレースでは、自分の周りからスタートするドライバーたちより、自分の方が速いペースで走ることができると思います。スタートからの序盤で何台かをパスし、あとは作戦もうまく利用して、上位へと食い込んでいきたいと考えています」

エリック・バークマン|HPD社長 「今日の予選で、またチャンピオン争いの行方は混沌としてきた印象ですね。今回はツインリンクもてぎのロードコースでの初めてのレースです。このような状況ではトップチームが上位を独占するとの予想もありましたが、実際に予選を行ってみたら、若い力が大活躍しています。初開催のコースがチーム間、ドライバー間の実力差を埋める効果を発揮しています。 決勝レースも、オーバーテイクが難しいだろうと言われているコースですが、それも予想通りとなるかは全くわかりません。ウィル・パワーはタイトル獲得に燃えており、2番手というすばらしいスターティングポジションを獲得しました。ダリオ・フランキッティは予選結果こそ9番手でしたが、彼は豊富な経験を基にしてスマートに戦うことでしょう。そして若いドライバーたちは、優勝や、好パフォーマンスを見せる大きなチャンスと捕らえていることでしょう。決勝は本当にエキサイティングなものになると思います」

予選リザルト
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 1:38.3918
2 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 1:38.4194
3 38 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing D/H/F 1:38.5946
4 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 1:38.7082
5 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F 1:38.9226
6 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 1:38.9743
7 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing D/H/F 1:38.7911
8 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F 1:38.8198
9 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F 1:38.8738
10 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F 1:38.9058
11 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:38.9194
12 34 J.P.デ・オリベイラ Conquest Racing D/H/F 1:39.0009
13 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:38.9562
14 19 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne Racing D/H/F 1:38.7495
15 77 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports D/H/F 1:39.0409
16 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F 1:38.7719
17 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F 1:39.0750
18 22 ジョルジオ・パンターノ Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 1:38.8588
19 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F 1:39.2650
20 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F 1:38.9371
21 24 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 1:39.4724
22 17 武藤英紀 Sam Schmidt Motorsports D/H/F 1:38.9407
23 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F 1:39.4789
24 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F 1:39.3269
25 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:39.5004
26 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F 1:39.3440