カンザス
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4月第1週にフロリダ州で開幕したIRL インディカー・シリーズは、第2戦を太平洋に面するカリフォルニア州ロングビーチで行ったあと、大陸中央部のカンザス州カンザスシティへと移動して第3戦を迎えた。
全長1.52マイル、コーナーに15度のバンクがつけられたオーバルコース、カンザス・スピードウェイで予選が開催され、20歳のグラハム・レイホール(Newman/Haas/Lanigan Racing)が4周の平均時速211.311マイルでポールポジションを獲得した。今シーズンの開幕戦セント・ピーターズバーグでインディカー史上最年少ポールを獲得したばかりの若手アメリカ人ドライバーは、早くもキャリア2度目のポールポジションを記録した。
前日のプラクティスでは最速だったスコット・ディクソン(Target Chip Ganassi Racing)は、6番目にアタックしてトップタイムをマーク。そして、チームメートのダリオ・フランキッティがさらにそれを上回ってトップに立った。その直後、エリオ・カストロネベス(Team Penske)が2番手に甘んじたため、フランキッティのポールが決定したと思われた。しかし、最後のアタッカーとしてコースインしたレイホールが見事な走行で大逆転し、ポールを奪取した。
予選終了後、フランキッティとカスロトネベスの予選タイムは無効となった。アタック中にコース内側の白線をカットしたことに対するペナルティによるもので、彼らはそれぞれ21、22番グリッドへと降格された。これにより、最前列でレイホールの隣りに並ぶのはルーキーのロバート・ドーンボス(Newman/Haas/Lanigan Racing)へと代わり、Newnan/Haas/Lanigan Racingが初めてのフロントロー独占を達成した。予選3番手はダニカ・パトリック(Andretti Green Racing)、4番手はディクソンだった。
武藤英紀(Andretti Green Racing)は、走行開始からマシンのハンドリングが思わしくなく、予選ではダウンフォースを大きく削るセッティングをトライしたが、グリップ不足から13番グリッドを得るにとどまった。
ロードランナー・ターボ・インディ300と名づけられたイベントは、今季初めてのオーバルコースでのレースだ。エントリー22台の中には今季初出走の女性ドライバー、サラ・フィッシャー(Sarah Fisher Racing)とミルカ・デュノー(Dreyer & Reinbold Racing)が含まれている。決勝レースは26日(日)午前中にファイナル・プラクティスを行ったあと、夕方4時にスタートが切られる。
順位 | No. | ドライバー | チーム | C/E/T | タイム |
1 | 02 | グラハム・レイホール | Newman/Haas/Lanigan Racing | D/H/F | 01:43.5819 |
2 | 06 | ロバート・ドーンボス | Newman/Haas/Lanigan Racing | D/H/F | 01:43.8994 |
3 | 7 | ダニカ・パトリック | Andretti Green Racing | D/H/F | 01:43.9956 |
4 | 9 | スコット・ディクソン | Target Chip Ganassi Racing | D/H/F | 01:44.0464 |
5 | 26 | マルコ・アンドレッティ | Andretti Green Racing | D/H/F | 01:44.1195 |
6 | 5 | マリオ・モラレス | KV Racing Technology | D/H/F | 01:44.1308 |
7 | 6 | ライアン・ブリスコー | Team Penske | D/H/F | 01:44.1800 |
8 | 11 | トニー・カナーン | Andretti Green Racing | D/H/F | 01:44.1878 |
9 | 4 | ダン・ウェルドン | Panther Racing | D/H/F | 01:44.6550 |
10 | 20 | エド・カーペンター | Vision Racing | D/H/F | 01:44.7491 |
11 | 67 | サラ・フィッシャー | Sarah Fisher Racing | D/H/F | 01:44.9568 |
12 | 23 | ミルカ・デュノー | Dreyer & Reinbold Racing | D/H/F | 01:44.9598 |
13 | 27 | 武藤英紀 | Andretti Green Racing | D/H/F | 01:44.9752 |
14 | 14 | ヴィットール・メイラ | A.J. Foyt Enterprises | D/H/F | 01:44.9979 |
15 | 2 | ラファエル・マトス | Luczo Dragon Racing | D/H/F | 01:45.0379 |
16 | 24 | マイク・コンウェイ | Dreyer & Reinbold Racing | D/H/F | 01:45.1574 |
17 | 18 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | D/H/F | 01:45.2455 |
18 | 13 | E.J.ヴィソ | HVM Racing | D/H/F | 01:45.8521 |
19 | 98 | スタントン・バレット | Team 3G | D/H/F | 01:46.3455 |
20 | 21 | ライアン・ハンターレイ | Vision Racing | D/H/F | 01:46.4216 |
21 | 10 | ダリオ・フランキッティ | Target Chip Ganassi Racing | D/H/F | 01:43.7506 |
22 | 3 | エリオ・カストロネベス | Team Penske | D/H/F | 01:43.8049 |
コメント
グラハム・レイホール(ポールポジション)
「開幕から3戦で2回目のポールポジションを獲得できるとは考えてもいなかった。その上、1.5マイルの高速オーバルでのポールは初めてだ。その点では、自分とチームの進歩を確認することができてうれしい。オーバルの予選は4周の連続走行なので、ウオームアップから計測4周目まで、ハイペースを保ちきることを意識して走った。カンザスのコースは、外側の方が難易度が高い。明日は、スタートからよいペースを保ってレースをリードし、好結果を獲得したい」
ロバート・ドーンボス(2番手)
「予選2番手は本当にうれしい。冬の間のチームのがんばりが、こうして結果にあらわれているのだと思う。プラクティスで、エンジニアたちは何をどう調整すべきかを即座に理解し、セッティング変更を行った。マシンはそれでスピードアップし、グラハムがポールを獲得し、私はこうして予選2番手となれた。チーム力の勝利だ。彼らの働きに明日のレースで報いることができるよう、全力を出しきるつもりだ」
ダニカ・パトリック(3番手)
「ピットを出てコースを加速していくと、ハンドリングがこれまでに経験したことがないぐらいにオーバーステアになっていて、マシンは手に負えないほどの状態だった。計測が始まるまでにスピードアップをするのが本当に難しかったけれど、結果的にはとてもよいラップタイムを持続できた。明日のレースはグリッド2列目からスタートできるので、とても楽しみだ」
武藤英紀(13番手)
「予選にはダウンフォースをかなり削ったセッティングで臨みましたが、それがグリップをあまり感じることのできないマシンにしてしまい、走るのが難しくなっていました。風が強く吹いていたことも悪い方に影響が出たと思います。決勝用のセッティングについては、プラクティスの最後の方でよいバランスを見つけたので、明日のファイナル・プラクティスでそれをさらによく仕上げます」
ロジャー・グリフィス|HPD レース・チームマネジャー
「激しい戦いの結果、グラハム・レイホールがポールポジションを獲得した。Newman/Haas/Lanigan Racingは歴史も実績もある名門なので、上位を争う日がくるのは時間の問題だと考えていた。彼らは、わずか参戦2年目にして高速オーバルでのパフォーマンスも手に入れ、強豪チームとの戦いの中へと食い込んできている。チームメートのロバート・ドーンボスもルーキーで、しかも初めてのオーバルながら2番グリッドを獲得したことには本当に驚いた。
今回、全チームが使っているエンジンは、開幕戦と第2戦を戦ったものである。ロードレースでは3000rpmまでエンジンの回転数が落ちるコーナーもあるが、カンザスのオーバルは1周を通して10000rpm以上が保たれる。Honda Indy V-8 エンジンは、性能がとてもフレキシブルに作られていることから、毎戦、異なる性格を持つ各コースで使用できる。さらに、同じパワーを保ったまま3レースを戦い抜くだけの高い耐久性も備えている」