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リザルト
第5戦 インディアナポリス 予選 インディアナポリス・モーター・スピードウェイview

Indy500予選最終日、ドラマチックな最後の30分間で決勝進出33台が決定

2008年5月18日(日)
バンプデイ
会場:インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
天候:快晴
気温:16〜18℃

先週末の土曜日、ポールデイと呼ばれる予選初日に第92回Indy500の33グリッドのうちの11グリッドが決定した。翌日曜日の予選2日目は雨のために一切のアタックが行われず、水曜日から再びプラクティスのためにインディアナポリス・モーター・スピードウェイの全長2.5マイルのコースが開放された。

予選2週目は快晴に恵まれ、土曜日の走行時間終了間際、33グリッドがいったんすべて埋められた。この日に222.539マイルをマークして12番グリッドを手に入れたのはタウンゼント・ベル(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)で、最も遅い215.506マイルで33番グリッドに着いたのはマーティ・ロス(ロス・レーシング)だった。

“バンプデイ”と呼ばれる予選最終日も走行時間は正午から夕方6時まで。開始早々にA.J.フォイト4世(ビジョン・レーシング)が219.184マイルを記録してロスをバンプアウト。しかし、ロスは午後1時半過ぎに再チャレンジを行い、218.965マイルを記録してバディ・ラジアー(ヘメルガーン・レーシング)を弾き出し、33番グリッドへと返り咲いた。

ロスの復活で“オン・ザ・バブル”(次なるグリッド喪失候補)となったのは、ロジャー安川(ベック・モータースポーツ)だった。予選1週目を終えたあとの水曜日から走行を始めた安川が予選3日目にマークした4周平均の予選スピードは218.010マイル。彼をグリッドから弾き出そうとラジアー、マックス・パピス(サム・シュミット・モータースポーツ)、マリオ・ドミンゲス(パシフィック・コースト・モータースポーツ)は練習走行を続けた。

1人が一日に3回アタックできるルールを利用し、午後4時半過ぎにドミンゲスがアタックしたが217マイル台しか出せず、グリッド確保はならず。いよいよ予選終了の時刻が近づいた5時半過ぎにドミンゲスが2度目のアタックを敢行し、今度は218.620マイルを出して安川をバンプアウトした。

すぐさま安川がアタックするが、スピードが足りず、次に並んでいたパピスも駆動系トラブルでアタックを断念。続いてコースインした1996年Indy500ウイナーのラジアーは、219.015マイルというすばらしい走りを実現して、グリッドを手にしたばかりのドミンゲスをバンプアウトした。

安川は2度目のアタックでもグリッド獲得を果たせず、6年連続のIndy500出場はならなかった。そして、最後のアタッカーとして、最後のチャンスである3回目のアタックのためにコースインしたドミンゲスは、計測1周目に219.780マイルを出したものの、2周目の第1ターンでクラッシュ。彼のIndy500初出場の夢は破れ、予選の終了時刻である6時が訪れた。

最後方11列目の3グリッドに並ぶこととなったのはフォイト4世、ラジアー、ロスの3人。フォイト4世は5回目、ラジアーは16回目、そして、ロスは4回目の出場権を獲得した。

コメント

タウンゼント・ベル(予選12番手)

「まずは予選を通過すること。それがIndy500では常に目標となるが、レーサーとして予選3日目の最速ドライバーとなることを僕は目指していた。自分のアタックは1周目が非常によく、2周目以降にスピードダウンはしたものの、それを小さな幅に抑えることができた。自分たちが求めていた安定した4周を実現することができた。チームメートたちの惜しみない協力、クルーたちのハードワークが実り、予選でのマシンはすばらしいものに仕上がっていた」

マーティ・ロス(予選33番手)

「クルーたちはこの2日間ほとんど寝ていない。そのおかげで、今日に向けて施した新しいセッティングは大きな効果を発揮してくれた。コースレコードを目指しているのではなく、予選通過が目標なのだからと、我々はダウンフォースを大きめに設定し、安全な方向に振ったマシンで予選に臨んだ。風が強く、非常にドライビングは難しかったが、昨日ほぼ同じコンディションで走っていたことが助けとなった」

エリック・バークマン|HPD社長

「予選1週目のポールポジション争いはエキサイティングだったが、予選2日目は雨のために残念ながら行うことができなかった。この時期のインディアナポリスで週末4日間すべてが好天に恵まれるのは難しいことなのだろう。しかし、予選2週目は2日ともいい天気となり、3日目に33グリッドがいったん決定。最終日である4日目は風の強い難しいコンディションの下、最終3グリッドを巡るドラマが繰り広げられた。予選アタックを行う前に1チームのマシンがクラッシュし、4台によるバンプアウト合戦となるはずが、1台減った3台によるものとなり、その3人が非常にスリリングな戦いを演じてくれた」

予選リザルト

順位 No. ドライバー チーム C/E/T 平均速度(mph)
1 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 226.366
2 10 ダン・ウェルドン Chip Ganassi Racing D/H/F 226.110
3 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 226.080
4 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 225.733
5 7 ダニカ・パトリック Andretti Green Racing D/H/F 225.197
6 11 トニー・カナーン Andretti Green Racing D/H/F 224.794
7 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Green Racing D/H/F 224.417
8 4T ヴィットール・メイラ Panther Racing D/H/F 224.346
9 27 武藤英紀 Andretti Green Racing D/H/F 223.887
10 20 エド・カーペンター Vision Racing D/H/F 223.835
11 12 トーマス・シェクター Luczo Dragon Racing D/H/F 223.496
12 99 タウンゼント・ベル Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 222.539
13 06 グラハム・レイホール Newman Haas Lanigan Racing D/H/F 222.531
14 14 ダレン・マニング A.J. Foyt Enterprises D/H/F 222.430
15 18 ブルーノ・ジュンケイラ Dale Coyne Racing D/H/F 222.330
16 02 ジャスティン・ウィルソン Newman Haas Lanigan Racing D/H/F 222.267
17 15 バディ・ライス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 222.101
18 22 デイビー・ハミルトン Vision Racing D/H/F 222.017
19 16 アレックス・ロイド Rahal Letterman Racing D/H/F 221.788
20 17T ライアン・ハンターレイ Rahal Letterman Racing D/H/F 221.579
21 24 ジョン・アンドレッティ Roth Racing D/H/F 221.550
22 67 サラ・フィッシャー Sarah Fisher Racing D/H/F 221.246
23 8 ウィル・パワー KV Racing Technology D/H/F 221.136
24 41 ジェフ・シモンズ A.J.Foyt Enterprises D/H/F 221.103
25 5 オリオール・セルビア KV Racing Technology D/H/F 220.767
26 33 EJ.ビソ HVM Racing D/H/F 220.356
27 23 ミルカ・デュノー Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 220.305
28 19 マリオ・モライス Dale Coyne Racing D/H/F 219.716
29 36 エンリケ・ベルノルディ Conquest Racing D/H/F 219.422
30 34 ジェイム・カマラ Conquest Racing D/H/F 219.345
31 2 A.J.フォイト4世 Vision Racing D/H/F 219.184
32 91 バディ・ラジアー Hemelgarn Johnson D/H/F 219.015
33 25 マーティ・ロス Roth Racing D/H/F 218.965

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