最終戦までもつれたチャンピオン争いを制したのはディクソン
フル参戦1年目の武藤はルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた
2008年のIRL IndyCarシリーズは、チャンプカー・ワールド・シリーズとの統一を果たし、アメリカ唯一のトップ・オープンホイール・シリーズとして開催された。シーズン序盤は、第2戦でグラハム・レイホールが史上最年少で優勝、もてぎで開催された第3戦ではダニカ・パトリックが女性として初めて勝利するなど、記念碑的な結果が続いた。
そんな中、チャンピオン争いをリードしたのはスコット・ディクソン。Indy500でポール・トゥ・ウインを果たすと、その後も安定した強さで、第14戦終了時までに6勝を挙げ、ランキング2位のエリオ・カストロネベスに78ポイントの大差をつけた。しかし、第15戦はカストロネベスが圧倒的な速さで勝利。続く第16戦も2位に入ると、2人の差は30ポイントにまで縮まった。
そして迎えた最終戦。逆転優勝を狙うカストロネベスは、まさかの予選失格により、最後尾からの決勝となった。しかし、カストロネベスは、ここからすさまじい追い上げを見せ、トップのディクソンと並んでフィニッシュラインに突入。写真判定の結果、0.0033秒という僅差でカストロネベスが勝利をさらった。シーズンチャンピオンはディクソンが獲得。最後まであきらめない、気迫のレースを見せたカストロネベスは惜しくも年間2位に終わった。
また、アンドレッティ・グリーン・レーシングから参戦した武藤英紀は、第8戦アイオワで日本人ドライバー史上最高の2位表彰台を獲得するなど健闘。ランキング10位となり、2008年のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
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