ポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)がポールポジションを獲得し、わずか3点差でランキング2位につけるスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は6番グリッドとやや後方からのスタートとなった。そして、ポイント3位のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は2人の間の予選4番手から200周のレースを戦った。
抜けるような青空と強い日差しが照りつける中、午後3時過ぎにグリーンフラッグが振られ、色とりどりのインディカー、22台がローリングスタートを切った。
全長1.5マイルの超高速オーバルでは、ホイール同士が接触ギリギリの状態を保ってのスリリングな接近戦が繰り広げられた。フランキッティはレース序盤からペースが今ひとつ遅く、サム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)とエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がリード。カナーンは序盤にしてタイヤトラブルに見舞われ、逆転タイトルのチャンスをほぼ失った。
トップ争いの背後を走っていたフランキッティは、燃費のよさに勝機を見出そうと戦っていた。ディクソンもチーム・ペンスキーの2人に比べれば燃費セーブに成功しており、137周目のヴィットール・メイラ(パンサー・レーシング)によるアクシデントでフルコースコーションの間に給油を行い、レース終盤にはタイトルを競い合う2人だけがリードラップを走っている一騎打ちの状態となった。
レースも終盤土壇場に、トップグループを走っていたダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)がスピンしてフルコースコーションとなり、レースは残り2周でグリーンフラッグが振られることとなった。ディクソンがトップを保ち、フランキッティは2位につけていた。
最終ラップを告げるホワイトフラッグをトップで受けたのはディクソン。ところが、最終ラップのターン3入り口でディクソンのマシンは燃料切れにより失速。追突をギリギリで避けたフランキッティが、初のインディカータイトル獲得のフィニッシュラインへとガッツポーズとともに飛び込んだ。
今回がIndyCarシリーズへのデビュー戦ながら予選から奮闘、13番グリッドを獲得した武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、今年走っていたIndyProシリーズをはるかにしのぐビッグパワーのマシンに乗り替え、そして高いスピードを保っての接近戦を堂々とこなし、8位でフィニッシュした。スタートでは16番手まで大きくポジションを落とした武藤だったが、トップグループとまったく互角のラップタイムを連続して記録し続け、レースの半分の距離である100ラップを迎えるまでに11番手まで浮上。フルコースコーションの出るタイミングが悪く、トップからは1周の遅れとなったが、武藤はファステストラップをマークする走りを見せ、ゴールまで2周で切られたリスタートのあとにベテランのバディ・ライス(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)をパスして8位でゴール。初レースを見事に完走し、目標としていたトップ10フィニッシュも達成した。
松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、予選16番手からの見事なスタートダッシュでポジションアップを果たしたが、ハンドリングにアンダーステアが出ていたためにピットストップでマシンセッティングを調整。スピードアップ、そして上位への進出を目指したが、レースが折り返し点を迎えたあとに電気系統にトラブルが発生した。原因と見られるバッテリーを交換してコースに戻ったが、そのバッテリーも15周ほどでダウンしたため、今年最後のレースは17位フィニッシュという結果となった。 |