ポイントリーダーのフランキッティは、ポールポジションからトップを悠々と守り続けていた。しかし、レースが終盤土壇場を迎えたところで、チームメートとアクシデントを起こすという悪夢が待っていた。レースが進むにつれてペースアップしてきた昨年度ウイナーのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、最後のピットストップを終えるとフランキッティの前にピットアウト。すでにピットストップ後に数周を走っているフランキッティの方がスピードは勝っていたが、優勝の可能性をつかんだアンドレッティはターン2でイン側のラインを譲らず、2台は接触。アンドレッティはスピンしてコースオフし、フランキッティはフロントウイングにダメージを受けた。
このアクシデントでフロントのグリップを失ったフランキッティは、残り8周で切られたリスタート後にターン4でディクソンにトップを譲ることとなり、グリップしないマシンでエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)にも先を越され、3位までポジションを下げてゴールするしかなかった。ポイント3位で、今日のレースでの優勝が逆転タイトルに希望をつなぐ条件となっていたトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、フランキッティの後ろの4位でゴールした。
ディクソンはシーズン4勝目を飾り、ポイントスタンディングでもフランキッティを逆転。残り2戦でトップに躍り出た。しかし、ディクソンのポイントリードはわずか4点しかなく、まったく油断はならない。カナーンはディクソンとの差が62点に広がり、タイトル争いはディクソンとフランキッティの2人にほぼ絞られた。
松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、12番グリッドからスタート。最初のピットストップのタイミングを早める作戦でポジションアップを目指したものの、考えていた通りの展開にはできず。決勝を前に施した小さなマシンセッティングの変更がドライビングを難しくしている中、マシンの持つ力をフルに引き出す走りを続け、今シーズン4回目のトップ10フィニッシュとなる10位でゴールした。
IndyProシリーズは第14戦を土曜日に、第15戦を日曜日に開催。予選10番手から第14戦に出場した武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、6位争いを行う中でアクシデントに遭い、19位でゴール。第15戦は19番手スタートとなった武藤だが、9つポジションを上げてトップ10フィニッシュ。これにより最終戦を残して武藤のシリーズランキング2位獲得が決定した。IndyProシリーズの最終戦はシカゴランドで行われる予定だが、武藤はその週末のIndyProシリーズ戦には出場せず、IndyCarシリーズへとステップアップし、スーパーアグリ・パンサー・レーシングからデビューレースを戦うこととなった。 |