昨年までは日曜日の日中にレースが行われていたが、今年からケンタッキーでのレースは夕方へと開催時間が遅らされた。今週のアメリカは大半の地域が熱波に襲われており、わずかとはいえ気温の下がる時間帯のレースとなったことは非常に幸いだった。
ケンタッキー・スピードウェイは、高速コースでありながら路面がバンピーで、マシンセッティングが難しい。レースではタービュランスを浴びながらバンプを越えていくことも多いため、ドライバーたちはほかのコース以上に高度な緊張感を保ち続けながら200周のレースを戦わねばならない。カナーンは予選で2番手に0.1秒以上の差をつけてポールポジションを獲得していたが、レースでもライバル勢を明確に上回るパフォーマンスを発揮。ミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われた第13戦に続く2連勝を飾り、シーズン4勝目の一番乗りを果たした。この勝利によって、シリーズランキングで3位につけている彼はポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、ポイント2位のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)とのポイント差をまたしても縮めることに成功した。ディクソンは2位でフィニッシュし、フランキッティのポイントリードはついに8点にまで縮められた。カナーンはフランキッティと52点差、ディクソンとは44点差まで詰め寄った。
今日のレースではA.J.フォイト4世(ヴィジョン・レーシング)がすばらしい走りを見せ、キャリアベストとなる3位でのゴールを達成した。
フランキッティのレースは、ゴールまで50周を切ったところから一気に悪い方へと流れが変わった。ディクソンの後方となる3位を走行中にラインをアウトに外すミスを犯し、タイヤかすを拾って6位まで後退。残り22周でピットへ向かったときにはピットロード入口の計測機器に接触してフロントノーズを破損し、ノーズ交換をしたために8位までポジションを下げた。そのままの順位でゴールした彼は、フィニッシュライン通過後に松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)に追突し、ミシガンに続いて宙を舞うアクシデントを起こした。幸い、松浦にもフランキッティにもケガはなかった。
松浦は予選17番手からスタートし、序盤に13位までポジションアップ。ピットストップでの給油量を少なくする作戦も使ってさらに上位へ進出することを目指したが、レース中盤のセッティング変更で最高速の伸びが悪くなって苦戦。それでも11位でチェッカーフラッグを受けた。
インディカーレースの直後に行われたIndyProシリーズの第13戦ケンタッキー100では、武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)が通算2回目、オーバルでは初のポールポジションからスタートし、オーバル初優勝をポール・トゥ・ウインで達成した。今シーズン2勝目を挙げた武藤は、現在ポンントランキングで2位につけている。
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