テキサス州フォート・ワース郊外の1.5マイル・オーバルは、コース外周とインフィールドに照明施設を備えており、第7戦は今年2回目のナイトレースとして開催された。スタートは、太陽がグランドスタンドの裏側に沈むのとほぼ同じタイミングの夜8時30分過ぎに切られた。
フロントロー外側のグリッドにいたサム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)が好ダッシュを見せ、2001年のケンタッキー以来のポールポジションスタートだったスコット・シャープ(レイホール・レターマン・レーシング)をパス。ホーニッシュJr.は、この後もレースのイニシアチブを握った。彼にアタックしたのは、予選は10番手と決してよくなかったダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、予選6番手のダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)といった面々で、7人のドライバーたちが代わる代わるトップを走る目まぐるしい展開となった。
2回目のピットストップの後に、トップのホーニッシュJr.が後続を大きく突き放して独走を始めた。しかし、レースも終盤に差しかかった197周目、A.J.フォイト4世(ヴィジョン・レーシング)のタイヤが外れたことをきっかけに、6台が巻き込まれるアクシデントが発生。この中にはウェルドン、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)らトップコンテンダーたちも含まれていた。
多重アクシデントをくぐり抜けてトップ争いを行ったのは、ホーニッシュJr.、カナーン、そしてパトリックの3人だった。アンドレッティ・グリーン・レーシングのチームメートであるカナーンとパトリックが協力してホーニッシュJr.を攻略するかに注目が集まったが、最速のマシンを手にしていたのはトップを守り続けるホーニッシュJr.だった。彼はインからアウトから、何度も仕掛けてきたカナーンを振り切り、0.0786秒という僅差で今シーズン初勝利のチェッカードフラッグを受けた。これでホーニッシュJr.は、自身が持つシリーズ最多優勝回数を19回へと更新した。パトリックはキャリア・ベストであった2度の4位を上回る3位フィニッシュを達成。4位はダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、5位はヴィットール・メイラ(デルファイ・パンサー・レーシング)だった。
スーパーアグリ・パンサー・レーシングから出場する松浦孝亮は、予選15番手からスタート。2年連続トップ10フィニッシュを記録しているように、テキサスは松浦にとって得意のコースで、燃費よく走れたことが功を奏して1回目のピットストップを迎える場面で一気に上位へと進出するところだった。ところが、松浦はフルコースコーション中にペースカーを追い越したとの判定を受けてピットで30秒停止するペナルティを科せられ周回遅れに。それでも粘り強く走り続けた結果、今年初めてのトップ10フィニッシュとなる9位でゴールした。 |