今回のレースには、今年の開幕戦に出場していたマーティ・ロス(ロス・レーシング)とアレックス・バロン(ベック・モータースポーツ)、そして第3の女性ドライバーとして出場を開始したルーキーのミルカ・デュノー(サマックス・モータースポーツ)の3台が加わり、合計21台によるレースとなった。
カンザス・スピードウェイは全長が1.5マイル、バンクには15度の傾斜がつけられており、高いスピードを保ってのバトルが繰り広げられるコースとして人気がある。今年の決勝日はプラクティスと予選が行われた土曜日より気温が高くなり、風の強いコンディションとなっていた。コースには前日に行われたサポートイベントによってIndyCarとは異なるタイヤ・ラバーが路面に乗っていたこと、気温と路面温度が上昇したことが加わり、レースでのサーキットはグリップ力が低い難しいコンディションとなっていた。
そうした状況にマシンセッティングを的確に対応させ、レース中に行うことのできる調整を最も正しく行ったのがダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。開幕戦で既に今シーズンの1勝目を挙げている彼は、ポイントリーダーとしてカンザス入りしていたが、ライバル勢を圧倒するすばらしい走りをスタートからゴールまで続け、レース中盤に降りかかってきたタイヤトラブルも乗り越えて、シーズン2勝目を早くもマーク。2位以下に大きなポイント差をつけて第5戦、そしてシリーズ最大のイベントであるIndy500を迎えることとなった。
2位でゴールしたのは、予選6番手だったダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、3位には予選3番手のエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が入賞。異なる3チームのドライバーたちがトップ3を分け合った。なお、インディ・ジャパン300マイルの覇者でポールポジションからスタートしたトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、序盤からダン・ウェルドンとトップ争いを繰り広げたものの、1回目のピットインの際にダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)と接触した影響で順位を下げ、15位で完走した。
3人の女性ドライバーたちによる戦いは、ダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が7位フィニッシュでトップとなり、サラ・フィッシャー(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)が12位でゴールした。ルーキーのデュノーも粘り強い走りを続け、デビュー戦で14位完走という満足すべき結果を得た。
その一方で松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、予選12番手からスタートするものの、メカニカルトラブルというリザルトに終わった。燃費をセーブする作戦で1回目のピットストップをライバル勢よりも遅いタイミングで行い、順調な戦いぶりをみせていた松浦だったが、ピットアウト直後にエンジンにトラブルが発生。修理不能との判断から57周でリタイア。18位という結果となった。 |