2年連続のポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)をパスしてトップ争いを繰り広げたのは、予選3位だったトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)と、予選2位のダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)の2人。ところが、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)がクラッシュしてフルコースコーションが出されると、レース展開は大きく変化した。
スピードで勝るカナーンとウェルドンの有利に変わりはないものの、ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、カストロネベス、サム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)までが、燃費も絡めた作戦を用いることで逆転優勝を狙える展開となったのだ。
全200周のレースが138周目を迎えたところで、カストロネベス、ホーニッシュJr.、ディクソンの3人がピットに入り、給油を行った。さらにフルコースコーションが続く中で、カストロネベスは144周目にもう一度ピットイン。しかし、ここでベストの作戦を採ったのはフランキッティで、146周目に燃料を満タンにしてコースへと戻った。
この後、ゴールまでフルコースコーションが再び出されることはなく、燃料をどれだけ長く持たせるかのガマンくらべから1台ずつ脱落。ウェルドンは186周目にピットへ向かい、カナーンにトップの座を明け渡した。
スピードがありながらも好燃費を確保していたカナーンは、この後の4周を全力で突っ走り、給油を終えてコース復帰後もリーダーの座を保ち続けることに成功。ゴール前2周でウェルドンが差を詰めるものの、カナーンが0.4828秒という僅差で勝利を飾った。続く3位でフィニッシュしたのは、最後の54周を無給油で走り切ったフランキッティだった。
松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、9番グリッドからスタート。ターン1へと10番手で進入した。その直後、突然マシンのリアがグリップを失い、ターン2へとさしかかるところでスピン。コース外側の壁にぶつかるアクシデントで1周もすることなくレースを終えた。グリップがとても低くなっていたことの原因は不明だが、レースのコンディションにマシンセッティングの何かが合っていなかったようだ。 |