サーキットはメキシコ湾沿いの町の小さな飛行場、ダウンタウンの生活道路、そして公園内の道路を組み合わせたもので、全長は1.8マイル。14のコーナーを持つ、とてもテクニカルなレイアウトとされている。また、路面もアスファルトとコンクリートがつなぎ合わされたもので、ドライバーたちにとってマシンセッティングが非常に難しいコースとなっている。
午後2時45分、真っ青な空と強い日差しの下、18台のインディカーが3.5リッターV8エンジンのエキゾースト・サウンドを轟かせ、100周のレースへとスタートしていった。
今年からIndyCarシリーズのエンジンの燃料は100%エタノールへと変更され、それに合わせて排気量は3リッターから3.5リッターへと拡大されている。高度なドライビングテクニックが要求されるコンクリートウオールとフェンスに囲まれたストリートレースで、昨年よりスピードが高く、さらにエキサイティングなバトルが実現されたのは、2007年仕様のHonda
Indy V-8がドライバーたちに幅の広がったパワーバンドを提供し、マシンを乗りやすいものとしているからだ。
ストリートコースならではのオーバーテイクの難しいコースでの接近戦では、ポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がリードを続け、最後はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)との一騎打ちとなった。逃げるカストロネベスはミスのない完ぺきなレースを戦い抜き、0.6007秒という僅差ながらディクソンを下し、セント・ピーターズバーグでの2年連続優勝を飾った。3位には、1周目のアクシデントで後方集団まで後退したものの、凄まじい追い上げを見せたトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が入った。
松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は予選10番手からスタート。決勝日朝のウオームアップでマシンの状態がよいことが確認されていたが、1周目のターン4でジェフ・シモンズ(レイホール・レターマン・レーシング)にリアから激しくヒットされた。ウイングとサスペンションのリペアを終えてコースに戻った松浦だったが、リタイアするマシンが少なかったために17位でゴールすることとなった。
Indy Proシリーズは昨日に続いて40ラップの第3戦が行われ、武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は5番グリッドからスタート。終始トップグループを走り、ひとつポジションアップの4位でゴールした。マイアミ郊外で行われた開幕戦で3位、セント・ピーターズバーグでの第2、第3戦では2位、4位でフィニッシュした武藤は、ルーキーながらランキング2位につけている。 |