先週開幕したばかりの2007年IRL IndyCarシリーズだが、早くも第2戦へと突入している。フロリダ州のメキシコ湾側に面する歴史あるリゾート地、セント・ピーターズバーグへと場所を移してのHondaインディ・グランプリは、今シーズン初のロードコース・イベントである。
飛行場の滑走路と生活道路の両方を使ったセント・ピーターズバーグの全長1.8マイルのコースには、走行の始まった金曜日から真夏のような日差しが照りつけ続けている。しかし、吹き寄せるいくぶん強めの風が心地よく、多くのファンがプラクティス、そして予選をエンジョイするためにサーキットを訪れている。
3回のプラクティスの後に行われた予選は、ロードコースでのみ採用されるユニークな方式となっている。オーバル同様に最初はシングルカー方式で1台ずつがアタックするのだが、そこで決定したトップ6は、第2段階である10分間の予選、ファイアストン・ファスト・シックスへと進出。ポールポジションを競い合うのである。
シングルカー予選で1分1秒5955をマークしてトップに立ったトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、トップ6による予選が始まってすぐにアクシデントを起こした。約7分が残された予選は、彼を除く5人に戦いが絞り込まれ、その中から昨年度のウイナー、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が1分1秒6839でポールポジション獲得を果たした。2番手はIndyCarシリーズ参戦2年目のマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)で、アンドレッティ3代目はキャリア・ベストに並ぶスターティンググリッドから明日のレースに出走する。3番手は昨年度のポールシッターでロードコースのスペシャリストとして名高いダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が手に入れた。
開幕戦2位のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は4番手。今年、レギュラー復帰を果たしているダレン・マニング(A.J.フォイト・レーシング)が5番手。そして、アクシデントを起こしたカナーンが6番グリッドと決まった。
松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、金曜日のプラクティスで7番手のタイムをマーク。ファイアストン・ファスト・シックス進出の期待がかかったが、滑りやすくなっていた路面にマシンセッティングを完全にフィットさせることができず、スターティンググリッドは5列目外側の10番手となった。しかし、ロードコース用セッティングの素性のよさに松浦は好感触をつかんでおり、明日のレースでは上位へと大きくジャンプアップする意気込みだ。
開幕戦ウイナーのダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は、予選日午前中のプラクティスでクラッシュ。一度も走らせていないスペアカーでの予選出走となったために、予選順位は14番手と後方に決定。女性ドライバー2人は、ダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が11番手、サラ・フィッシャー(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)は18番手という結果だった。
Indy Proシリーズはセント・ピーターズバーグで土曜日に第2戦、日曜日に第3戦を行うダブルヘッダーとなっている。今シーズンから同シリーズに参戦している武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、予選4番手から40周で争われるシリーズ第2戦に出場し、2位でフィニッシュした。デビューから2戦連続でトップ3フィニッシュと幸先よいシーズンスタートを切っている。 |