ホームステッド・マイアミ・スピードウェイでの開幕戦は、今年からナイトレースとして行われることとなり、スタートは午後8時を予定されていたが、雨のために約1時間遅れでグリーンフラッグは振られた。しかし、走る時間帯が変わってもウェルドンの強さは不変だった。レース中盤のピットストップでエアレンチの1つが故障し、タイムロス。チームメイトのスコット・ディクソンにトップを明け渡したが、約20周をかけてトップの座を奪い返し、6秒以上もの大きな差をつけてゴールしたのだ。
昨年度のシリーズ・チャンピオン、サム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)は、予選2位から3位でフィニッシュした。ウェルドンに食らいついていくだけのスピードをレース前半のホーニッシュJr.は備えていたが、終盤になるとウェルドンの速さが明確となり、彼から17秒遅れでゴールラインを横切るのが精一杯だった。
松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は16番グリッドからスタートし、着々とポジションアップしていった。レースが折り返し点を迎える前にトップ10入りを果たした松浦は、マシンのハンドリングがよく、さらに上位を狙える状況だった。しかし、目の前を走るマシンのクラッシュに巻き込まれる不運に遭い、92周でリタイアとなった。
サラ・フィッシャー(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)とダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)。今年の開幕戦には2人の女性ドライバーが出場していた。フィッシャーは安定感のある走りを続け、11位でフィニッシュ。パトリックもレース中のセッティング変更でハンドリングをよくしていき、トップ10入りは確実というところまでポジションアップ。しかし、154周目にピットレーン入り口でアクシデントを起こし、リタイアを喫した。
今回のレースは、排気量が3.5リッターへと0.5リッター拡大され、燃料もエタノール100%へと変わった新しいHondaエンジン、Honda HI7Rにとってのデビュー戦だった。Hondaは出場した20台のインディカーすべてにエンジンを供給したが、週末を通してトラブルは一切なく、出場全車の走行距離は合計で7965マイルにも達した。
同日に開催されたIndy Pro Seriesの決勝レースは、予選3番手からスタートした武藤英紀(SUPER AGURI Panther Racing)が、3位でチェッカーフラッグを受け、開幕戦から幸先のいいスタートを切った。 |