年間14戦で争われる2006年IRL IndyCarシリーズが、フロリダ州マイアミ郊外のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開幕した。
全長1.5マイル、最大20度のバンクを持つスピードウェイを200周する300マイル・レースは、IRL IndyCarシリーズ史上初めてハイブリッド車(Hondaアコード・ハイブリッド)がペースカーを務め、午後3時45分過ぎにスタート。今シーズン初の勝利を挙げたのはダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)だった。
6番グリッドからスタートしたウェルドンは、スタート直後に3位まで一気にポジションアップ。その後もトップグループで戦い続けた。レースが激しくなったのは、ゴールまで20周を切ってからだった。ウェルドンはトップを走るエリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)へと急接近し、サイド・バイ・サイドの戦いを挑んだ。3位争いもダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)、サム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)の間で激しく争われた。
優勝を懸けた一騎打ちは、一旦2位へと下がったウェルドンが最終ラップでの逆転に成功した。バックストレッチでアウトからカストロネベスに並びかけ、ターン4からフィニッシュ・ラインまでの加速でカストロネベスに勝り、0.0147秒というIRL IndyCarシリーズ史上9番目の僅差で優勝をもぎ取った。3位争いはホーニッシュJr.が制し、4位はフランキッティ、ディクソンが5位となった。
予選14位だった松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ダラーラ)は、序盤にハンドリングで苦しんだためにトップグループで戦うことはできなかったが、給油タイミングをずらす作戦と、終盤にペースアップを実現したことによって、トップとは2周差ではあったが、6位フィニッシュという幸先の良いシーズンスタートを切った。
本日の午前中に行われたウォームアップ・セッションにおいて、2台のマシンによる事故が発生し、レイホール・レターマン・レーシングに所属するポール・ダナ(アメリカ・ミズーリ州セント・ルイス出身)が搬送先の病院で東部時間の正午前に逝去されました。
同じ事故で病院に搬送されたエド・カーペンター(ヴィジョン・レーシング/ダラーラ)は、意識もあり、容態も安定しているとIRLより発表されております。
この事故を受け、ダナのチームメイトであるバディ・ライスとダニカ・パトリックは今回のレースを棄権いたしました。
Honda関係者一同、心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族へお悔やみ申し上げます。
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