Round07アメリカINDY500

2020年8月15日(土)・16日(日)・予選

インディアナポリス・モーター・スピードウェイ

第7戦 INDY500

マルコ・アンドレッティがポールポジション獲得
佐藤琢磨が日本人として初めてフロントローグリッド獲得

今年で104回目の開催となる、世界で最も長い歴史を誇るレース・インディアナポリス500マイル(通称インディ500)の予選が15日から2日連続で開催され、マルコ・アンドレッティ(Andretti Herta with Marco & Curb-Agajanian)がポールポジションを獲得しました。インディ500の予選は1人ずつが4周の連続走行を行い、そのスピードを競う独特のものとなっています。アンドレッティと予選2番手になったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)との差は平均時速でわずかに0.017マイルしかありませんでした。アンドレッティのインディカー・シリーズでのポールポジション獲得はこれで6回目となりますが、インディ500におけるポールポジション獲得は今回が初めてです。そして、Hondaにとっては今回が11回目のポールポジションとなりました。

予選初日に出場33人が予選アタックを行い、そこでの最速9人が2日目にポールポジション争いを繰り広げました。

プラクティス開始から予選1日目までは穏やかな気候が続いていましたが、予選2日目は風が強めに吹き、マシンのセッティングとドライビングの両方を難しくしていました。マシン・セッティングのバランスが崩れ、時速230マイルオーバーで走らせるのにドライバーたちが手を焼くシーンもみられ、予選スピードは1日目より低くなっていました。

そうしたコンディションを味方につけたのが佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)でした。彼は4ラップを非常に安定させる走りを実現、230.725マイルの平均時速で予選3番手となりました。彼にとって初めてのフロントローグリッド獲得は、もちろん日本人ドライバーにとっても初めての快挙です。

Honda勢の活躍は目覚ましく、ライアン・ハンター-レイ(Andretti Autosport)とジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)が予選5、6位でグリッド2列目からレースのスタートを切ることとなりました。そしてグリッド3列目にはアレックス・パロウ(Dale Coyne Racing with Team Goh)、グラハム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が並びます。彼ら3人もHondaドライバーです。さらに、Hondaドライバーは予選10、11、12位でグリッド4列目もコルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)、スペンサー・ピゴット(Rahal Letterman Lanigan Racing with Citron/Buhl Autosport)によって独占。ポールポジションから予選12番手までのうち11人を占めました。

2日目の予選におけるアンドレッティとディクソンの差は、インディ500の歴史上で3番目の接戦でした。2012年にライアン・ブリスコーとHondaのジェームズ・ヒンチクリフの間にあった差が平均時速0.003マイルで、1970年にはアル・アンサーがジョニー・ラザフォードに平均時速0.008の差をつけてポールポジションを獲得。この2回だけが今年の予選よりも僅差の勝負でした。

第104回インディ500の決勝は8月23日の日曜日に行われます。

 

コメント

マルコ・アンドレッティ(ポールポジション)マルコ・アンドレッティ
「アタック2周目に風を感じ始めました。残りの3周目、4周目はとても長いものになることを意味していました。そして3、4周目はあまりよくないラップになりました。しかし、私たちは最高のグリッドを手に入れることができました。このコースでは先頭でクリーンな風を浴びながら走るのがベストなんです。自分たちは毎年このコースで速さをみせてきていますが、今日はエンジンパワーがあることを最高だと感じていました。そのおかげで自分の仕事はずいぶんと楽になっていたと思います。Hondaが信じられないほどすばらしい仕事をしてくれ、私たちのチームは走り出しから速いマシンを用意できていました。自分たちのパフォーマンスのよさをうれしく思っています」

スコット・ディクソン(2番手)スコット・ディクソン
「HondaとHPDに深く感謝します。すばらしい仕事ぶりでした。彼らはレースに向けてもハードワークをしてくれています。今日の自分たちは、持っている力をほぼすべて出し切ったと感じています。もう少しマシンのハンドリングをニュートラルにすることはできたかもしれません。1ラップ目から少しアンダーステアが強いマシンになっていましたから。ファスト9の予選は難しいものですが、今日は特に風によって難しさが増していました。そして、そういった要素が予選をエキサイティングにします。最終的に私とマルコ(アンドレッティ)の差は本当に小さなもので、残念ながら私たちはあと少し足りませんでしたね。それでも、私はマルコのポールポジション獲得をうれしく思います。彼はすばらしい人物であり、すばらしいレーサーでもあるからです。来週の私たちは、彼を打ち負かすことを目指します」

佐藤琢磨(3番手)佐藤琢磨
「まず、マルコ・アンドレッティと彼のチームにおめでとうと言いたいですね。彼らは今年も本当にすばらしいパフォーマンスをみせてきています。自分たちとしては、フロントローからスタートする権利を獲得したのですから、とても大きな成果を挙げられたことと喜んでいます。Rahal Letterman Lanigan Racingのスタッフ全員がオフシーズンの間からハードワークを続けてきて、パフォーマンスを進歩させ、それが今日の結果につながりました。Hondaの仕事ぶりも偉大でした。すばらしい仕事をチームとHondaが成し遂げてくれました。これからはレースに集中します。予選後のプラクティスが非常に重要なものになるでしょう。そして金曜日、カーブデイのファイナルプラクティスも大きな意味を持つものになります。これまでのプラクティスで、私たちは自分たちの空力セッティングがレースで力を発揮すると確信していますから、レースを戦う日をとても楽しみにしています」

リザルト

予選1日目

順位 No. ドライバー マシン 平均時速(mph)
198マルコ・アンドレッティHonda231.351
228ライアン・ハンター-レイHonda231.330
327アレクサンダー・ロッシHonda231.268
429ジェームズ・ヒンチクリフHonda231.195
59スコット・ディクソンHonda231.155
621R.ヴィーケイシボレー231.114
755アレックス・パロウHonda231.034
815グラハム・レイホールHonda230.822
930佐藤琢磨Honda230.792
1088コルトン・ハータHonda230.775
118マーカス・エリクソンHonda230.566
1245スペンサー・ピゴットHonda230.539
 
1410フェリックス・ローゼンクヴィストHonda230.254
1726ザック・ヴィーチHonda229.961
1918サンティノ・フェルッチHonda229.924
2060ジャック・ハーヴィーHonda229.861
2751ジェームズ・デビソンHonda228.747

予選2日目

順位 No. ドライバー マシン 平均時速(mph)
198マルコ・アンドレッティHonda231.068
29スコット・ディクソンHonda231.051
330佐藤琢磨Honda230.725
421R.ヴィーケイシボレー230.704
528ライアン・ハンター-レイHonda230.648
629ジェームズ・ヒンチクリフHonda229.870
755アレックス・パロウHonda229.676
815グラハム・レイホールHonda229.380
927アレクサンダー・ロッシHonda229.234

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