Round07アメリカINDY500

2020年8月23日(日)・決勝

インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
天候:快晴
気温:摂氏31~32℃

第7戦 INDY500

佐藤琢磨がインディ500で2勝目をマーク

3カ月遅れで開催された第104回インディ500では、佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)が、序盤からレースをリードし続けたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)を残り15周でパスし、優勝を飾りました。伝統あるインディアナポリス・モーター・スピードウェイで佐藤は2勝目を挙げ、HondaチームとHondaドライバーたちも今日のレースで1-2-3-4フィニッシュを達成しました。

パンデミックの影響によって無観客でのレース開催となったインディ500、佐藤は合計2度、27周のリードラップしか記録しませんでした。しかし、レース終盤の最も重要なタイミング、最後のピットストップを終えてからチェッカーフラッグを受けるまでの時間帯は、ライバル勢を寄せつけないスピードを持っていました。

200周のレースが終盤を迎え、優勝争いを行うドライバーはディクソンと佐藤に絞り込まれました。佐藤は168周目、ディクソンはその次の周に最後のピットストップを終えました。ここでディクソンがトップに返り咲き、佐藤は2番手に下がったのですが、185周目にメインストレートでディクソンをパスし、レースのリーダーとなりました。

佐藤琢磨

ここからの佐藤はディクソンのアタックを何度も阻止し、周回遅れのマシンをパスしながら前進しました。そして、佐藤とディクソンが196周目へと入った直後、第4ターンでスペンサー・ピゴット(Rahal Letterman Lanigan Racing with Citron Buhl Autosport)が激しくクラッシュし、フルコースコーションが宣言されました。
レッドフラッグ、レース中断となる可能性も考えられましたが、イエローフラッグのままレースはゴールを迎えました。佐藤にとっては2017年の”500”初優勝に続く、インディでの2度目の優勝となったのです。

ディクソンは最終ピットストップまでレースをリードし続け、111周ものリードラップを記録しました。しかし彼のインディ2勝目はならず、佐藤のインディ2勝目が記録されました。フロントローの中央からスタートしたディクソンは、午後2時半過ぎのグリーンフラッグ後にトップに躍り出て、143周目にアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport) がリタイアした後も、レースを支配し続けていました。
しかし、終盤になると佐藤とグラハム・レイホール、2人のRahal Letterman Lanigan Racingのドライバーたちがスピードアップ。佐藤のチームメートであるレイホールは、終盤にトップ2との差を詰めて3位でゴールしました。
また、予選では望む結果を得られていなかったサンティノ・フェルッチ(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan) が4位でゴールしました。

Honda勢は8人のドライバーがトップ10でフィニッシュしました。2回目のピットストップでクラッチトラブルに見舞われたジェームズ・ヒンチクリフ(Andetti Autosport)は7位、コルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)が8位でフィニッシュ。 ジャック・ハーヴィー(Meyer Shank Racing)はインディでの自己ベストとなる9位でゴール。ライアン・ハンター-レイ(Andretti Autosport)が10位でした。

コメント

佐藤琢磨(優勝)
佐藤琢磨「最高のマシンだったと思います。終盤の燃料戦略でディクソンに1周の遅れをとっていました。ゴールまでの燃費は少し厳しかったですね。しかし、できる限り燃料をセーブする走りを続け、最終的には最後のバトルが激しくなったとしてもフルパワーで戦える燃料を確保できていました。最終グリーンフラッグラップの第4コーナーではディクソンがずっと来ていましたが、信じられないことに僕はそれを抑えることができたんです。だれもがすばらしい仕事をしてくれました。HPDとHondaは、我々に多くのパワーと燃費を与えてくれました。自分たちのマシンが今日は最強だったと感じています。2勝目を飾れるなんて、これもみんなチームの努力のおかげです。彼らは本当にがんばってくれ、今日もすばらしいピットストップを行ってくれました。今回の勝利はHondaパワーのおかげです。強力なエンジンをHondaとHPDが作ってくれ、そのエンジンは燃費もとてもよかった。そしてチームが最高のマシンを作り上げてくれました。日本のファンの皆さんは夜中からのテレビ観戦だったと思います。応援ありがとうございました。インディでの2勝目をこうして挙げることができました。皆さんの応援があることで、インディで走り、優勝することができていると思います。次のレースからもがんばります」

リザルト

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
1 30 佐藤琢磨 Honda 200 3:10'05.0880
2 9 スコット・ディクソン Honda 200 +0.0577
3 15 グラハム・レイホール Honda 200 +0.0953
4 18 サンティノ・フェルッチ Honda 200 +0.3929
5 1 J.ニューガーデン シボレー 200 +1.6619
6 5 P.オワード シボレー 200 +3.2496
7 29 ジェームズ・ヒンチクリフ Honda 200 +4.2694
8 88 コルトン・ハータ Honda 200 +5.1918
9 60 ジャック・ハーヴィー Honda 200 +6.8131
10 28 ライアン・ハンター-レイ Honda 200 +7.9613
 
12 10 フェリックス・ローゼンクヴィスト Honda 200 +13.9668
13 98 マルコ・アンドレッティ Honda 200 +16.0657
15 26 ザック・ヴィーチ Honda 200 +19.3960
25 45 スペンサー・ピゴット Honda 194 +6Laps
27 27 アレクサンダー・ロッシ Honda 143 +57Laps
28 55 アレックス・パロウ Honda 121 +79Laps
32 8 マーカス・エリクソン Honda 24 +176Laps
33 51 ジェームズ・デビソン Honda 4 +196Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 スコット・ディクソン Honda 335
2 J.ニューガーデン シボレー 251
3 P.オワード シボレー 218
4 グラハム・レイホール Honda 214
5 S.パジェノー シボレー 212
6 佐藤琢磨 Honda 207
7 コルトン・ハータ Honda 189
8 サンティノ・フェルッチ Honda 181
9 W.パワー シボレー 175
10 フェリックス・ローゼンクヴィスト Honda 157
11 ライアン・ハンター-レイ Honda 149
12 マーカス・エリクソン Honda 147
13 ジャック・ハーヴィー Honda 145
14 アレクサンダー・ロッシ Honda 130
15 アレックス・パロウ Honda 127
16 ザック・ヴィーチ Honda 126
 
21 マルコ・アンドレッティ Honda 114
22 ジェームズ・ヒンチクリフ Honda 88
31 スペンサー・ピゴット Honda 17
33 ジェームズ・デビソン Honda 10

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