ROUND 05

アメリカインディアナポリス Indianapolis Motor Speedway 2017.05.13(土)・決勝

第5戦 インディアナポリス

ディクソンが今シーズン3度目の表彰台となる2位
最後尾22番グリッドからスタートした佐藤琢磨は12位に

天候:快晴  気温:26℃

アメリカの5月といえば、世界最大規模のレースであるインディ500が開催される“マンス・オブ・メイ”です。世界で最も歴史あるレースのインディ500は、月末のメモリアル・デイ・ウイークエンドに行われるのが恒例となっています。インディアナ州インディアナポリスにある全長2.5マイルのオーバルコースは、インフィールドを含んで全長2.439マイルのロードコースとしても使用でき、4年前からは、それを使ったインディカーグランプリが5月初旬に開催されています。晴れわたった空と暖かな気温、初夏の到来を感じさせるコンディションに恵まれた土曜日の午後、インディ500とは逆の時計回りでコースを85周するレースは、スタートが切られました。

今回のレースは、アクシデントなどによるフルコースコーションが一切出されず、クリーンなバトルが繰り広げられました。3回のピットストップを含む高速バトルとなり、予選4番手で、グリッド2列目アウト側からスタートしたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は終盤にチャージ。ゴールまで10周を切った74周目にエリオ・カストロネベス(Team Penske)をオーバーテイクし、トップを走るウィル・パワー(Team Penske)を猛追。惜しくも逆転はなりませんでしたが、開幕から5戦で、3度目の表彰台となる2位フィニッシュを果たしました。ランキング2位でインディカーグランプリに乗り込んだディクソンは、そのポジションを保ちながら、ポイントリーダーとの差を18点から10点に縮めることに成功しました。

予選8番手だったライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)は、スタート直後のバトルで一気にトップ5入りを果たし、3回目のピットストップを終えた68周目に4番手へとポジションアップ。さらに、74周目にはカストロネベスをオーバーテイクして3位に浮上すると、そのままフィニッシュして今季初の表彰台に上がりました。

彼らのほか、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は予選20番手から6位と、大きくポジションを上げてゴール。マックス・チルトン(Chip Ganassi Racing)は予選14番手から自己ベストタイとなる7位でフィニッシュ。昨年度のインディ500ウイナーであるアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が8位と、Hondaドライバー5人がトップ10入りしました。

佐藤琢磨(Andretti Autosport)は、マシンの不調によって予選は最後尾の22番手となりました。ストレートスピードが伸びない問題が発生していたのです。チームは原因究明に努め、マシンに対策を施して決勝に臨みました。問題の完全な解決こそできていませんでしたが、決勝での佐藤には競争力が戻りつつあり、ファイティングスピリットにあふれる持ち前の走りを披露。10もポジションを上げた12位フィニッシュという成果を手にしました。

次に行われる第6戦は、第101回インディアナポリス500マイル。ドライバーたちは5月14日(日)に一日だけ休息をとり、月曜日からプラクティスが始まります。このレースには、F1世界選手権で2度のワールド・チャンピオンに輝き、現在はMcLaren-Hondaの一員として戦っている、フェルナンド・アロンソが参戦します。McLaren-Honda-Andrettiのドライバーとして挑戦するインディ500は、世界中から大きな注目を集めています。決勝レースは5月28日(日)の開催です。

コメント

スコット・ディクソン(2位) 「厳しい戦いでした。リアタイヤのグリップを持たせるのが本当に難しかったのです。Hondaエンジンのパワーが出過ぎていたために、リアタイヤを空転させてしまいました。2位フィニッシュで、またしてもたくさんのポイントを獲得できました。Hondaにとってもいい一日になったと思います。優勝こそできませんでしたが、あと一歩まで迫ったレースでしたから。月曜日から、ここの2.5マイルオーバルで走るのが楽しみです」

ライアン・ハンターレイ(3位) 「力強いレースができました。今シーズンはすでに多くの不運に見舞われており、フラストレーションを抱えていました。しかし、私たちは目標に集中してがんばってきました。それが今日、最も大事なレース(インディ500)を目前に控えての表彰台フィニッシュにつながりました。さらに今日は、表彰台の頂点にあと少しという結果を得られました。頂点は、インディ500にとっておきます」

佐藤琢磨(12位) 「まず最初に、チームメートのライアン・ハンターレイと彼のクルーたちに“見事な3位フィニッシュおめでとう”と言いたいですね。私たちにとっては、とても難しい週末となってしまいました。マシンに小さな問題が発生し、グリッドの最後尾からレースをスタートしなければなりませんでした。しかし、26号車のクルーたちのすばらしい働きにより、マシンは力を取り戻しました。最後のピットストップは少し長くなってしまいました。それは次戦までに修正のための対策が必要となるでしょう。レースは厳しいものでしたが、私たちは思いきり力強く戦いました。インディ500に向けて、勢いを得られたと思います。月曜日に始まるプラクティスが、今から楽しみです」

決勝リザルト

レース

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
112W.パワーシボレー851:42'57.6108
29スコット・ディクソンHonda85+5.2830
328ライアン・ハンターレイHonda85+12.0296
41S.パジェノーシボレー85+17.0668
53H.カストロネベスシボレー85+20.6072
615グレアム・レイホールHonda85+25.1039
78マックス・チルトンHonda85+25.7054
898アレクサンダー・ロッシHonda85+29.3214
9 20 S.ピゴット シボレー 85 +36.5878
10 22 J.P.モントーヤシボレー85 +41.8238
1226佐藤琢磨Honda85+56.2212
135ジェームズ・ヒンチクリフHonda85+1'02.6805
1627マルコ・アンドレッティHonda84+1Lap
187ミハイル・アレシンHonda84+1Lap
1919エド・ジョーンズHonda84+1Lap
2010トニー・カナーンHonda83+2Laps
2183チャーリー・キンボールHonda32+53Laps
2218セバスチャン・ブルデーHonda3+82Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
11S.パジェノーシボレー191
29スコット・ディクソンHonda181
32J.ニューガーデンシボレー152
43H.カストロネベスシボレー149
512W.パワーシボレー145
65ジェームズ・ヒンチクリフHonda137
718セバスチャン・ブルデーHonda136
828ライアン・ハンターレイHonda117
998アレクサンダー・ロッシHonda99
1026佐藤琢磨Honda97
1110トニー・カナーンHonda97
1219エド・ジョーンズHonda92
1315グレアム・レイホールHonda87
158マックス・チルトンHonda84
177ミハイル・アレシンHonda79
1827マルコ・アンドレッティHonda71
2083チャーリー・キンボールHonda70

ランキング詳細

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スコット・ディクソン(左)、ライアン・ハンターレイ(右)

スコット・ディクソン

ライアン・ハンターレイ

佐藤琢磨

佐藤琢磨

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