Honda NSF100 CUP ヨーロピアンファイナルレースで、スペインのアルベルト・アレナスが勝利
2010年10月24日(日) / 会場:スペイン・アルバセテサーキット / 天候:晴れ / 気温:20℃ / 湿度:35%
スペイン・アルバセテで行われたHonda NSF100 CUPヨーロピアンファイナルレースは、接戦の末、スペインのアルベルト・アレナス選手が勝利を手にした。ファイナルレースは、4人のライダーが0.1秒の差で争う壮絶なバトルを繰り広げられ、2位にファビオ・スピラネリ選手(イタリア)、3位にファビオ・ディ・ジャナトニオ選手(イタリア)がそれぞれ表彰台に上った。
NSF100 CUPヨーロピアンファイナルレースは、日曜日に行われたファイナルレースに先駆けて、前日にセミファイナルレースが行われた。1回目のセミファイナルレースでは渡辺瑛貴選手(日本)が優勝。2回目のセミファイナルレースはアロン・カネット選手(スペイン)が制した。A.アレナス選手は金曜日の練習走行では転倒を喫したものの、レースウィーク中に徐々に調子を上げてセミファイナルを8位で終え、予選を通過した。
ヨーロッパ選手権の1クラスとして行われたこの大会に出場するために、世界中からライダーが集った。南アフリカのキアヌ・フェイオ選手とウイリアム・フリエンド選手の2名、日本から出場した渡辺選手と伊達悠太選手は予選を通過してファイナルレースの出場資格を得た。オランダ人ライダーのロベルト・ショットマン選手とボー・ベンズナイダー選手も迫力のある走りを披露してファイナルレースに進出した。
オーストラリアからやってきたレミー・ガードナー選手はヨーロッパでのロードレースデビューを果したが、残念ながらファイナルレースに残ることはできなかった。WGP500ccクラスの元チャンピオン ワイン・ガードナー氏の息子であるR.ガードナー選手は、初めてのNSF100で果敢に攻め、自身のヨーロッパ初レースに感銘を受けていた。また、バレンティーノ・ロッシの異母兄弟であるルカ・マリーニ選手(イタリア)はセミファイナルレースの1周目で他車と衝突してしまいリタイア。彼もまたファイナルレースに出場できなかった。しかし、予選不通過のライダーで行う「Bファイナルレース」では、3位で表彰台を獲得した。Bファイナルレースを制したのはアレッサンドロ・ザッコーネ選手(イタリア)だった。
予選通過者で競われた「Aファイナルレース」では接戦が繰り広げられ、スリップストリームによる激しいバトルも展開された。そんな中で、一番速いライダーが先頭に立つ。A.アレナス選手は勝者にふさわしい力強い走りを見せ、表彰台の真ん中に立った。日本から出場した渡辺選手はファイナルレースを9位でフィニッシュ。伊達選手は4周目の最終コーナーで、目の前で転倒したマッテオ・フェラーリ選手(イタリア)のマシンに追突してしまい、転倒リタイアとなった。
渡辺瑛貴選手のコメント
「土曜日のタイムアタックでは思うようにいいタイムを出せず、セミファイナルのグリッドは7番手だった。でも1コーナーの進入で3位につけることができた。みんなスリップストリームを使い合っていたので順位が目まぐるしく変わり、自分が何位で走っているのかわからなくなるほどだった。最後にはスリップストリームをうまく使い、1位でフィニッシュできたから、とてもうれしかった。
ファイナルレースでは2番手スタートからホールショットを決めたが、みんなすごくアグレッシブでヒジをぶつけられてしまい失速しまった。中盤から僕のバイクのギアが入りにくくなったけれど、なんとかがんばって集団についていった。しかし結果は9位になってしまい、くやしかったけれど世界の走りはすごく勉強になった。今度は世界一になって日本に帰ってきたい」
伊達悠太選手のコメント
「最初は海外のライダーがどれくらい速いのか楽しみだったし、分からなかったけれど走ってみたらまあまあついていけた。タイムアタックは自分の走りができるように初めからペースを上げていき、スリップを使わないで4番手のタイムが出たので結構よかったと思う。
海外のライダーたちは、ラップタイムを落とさず競り合うのが上手だと感じた。ファイナルレースでは、1周目でちょっと遅れてしまったけど、少しずつ順位は上げられた。海外のライダーはレース中に当たり前のようにぶつけて、そして抜いていくのも上手だった。4周目で前の子が転倒して、そこにぶつかってリタイアしてしまったけれど、トップのライダーたちとあまり変わらないタイムで走れたので満足だった。
毎日がとても楽しく、今回はヨーロッパの子に負けたけれど、大きくなってGPで勝てるぐらいになったら、また行きたいです」