Round10イタリアイタリア

FIA-F2 決勝・レース1

2018年9月2日(土)

会場:モンツァ・サーキット

14番手スタートの牧野が、タイヤ戦略を制して初優勝を飾る
F2シリーズ、レース1での優勝は日本人ドライバーとして初

シーズン第10戦のレース1が、イタリア・モンツァで行われました。午前中まで降っていた雨も、F2のレーススタート時には完全に上がり、ドライコンディションでレースは開始されました。

7列目14番手スタートの牧野任祐は、好スタートを決めて第1コーナーまでに大きくポジションを上げ、1周目に8番手にジャンプアップします。多くがスーパーソフトタイヤでのスタートを選択した中、牧野はミディアムでスタートし、タイヤ交換のピットインを終盤まで引き延ばす作戦でした。スーパーソフトタイヤが予想以上に磨耗が早く、上位陣は3周を終えるとタイヤが保たず苦しくなります。ハイペースで走行する牧野は、4周目に一気に5台を抜いて3番手に浮上。6周目にスーパーソフトタイヤでスタートしたクルマが立て続けにピットインすると、牧野はトップに立ちます。牧野と含めミディアムタイヤでスタートしたのは3台でしたが、牧野は同じ戦略の後続を15秒以上も引き離して周回を重ねます。序盤でトップに立った牧野は、その後もハイペースで後続との差をキープ。早めにピットインした後続にもあまり差を詰められることなく、トップを独走したままレースは終盤を迎えました。残り3周となった28周目に牧野がピットイン、2番手におよそ2秒の差でトップのままレースに戻ることに成功します。牧野はそのまま逃げきり、トップでチェッカーを受け優勝を飾りました。牧野は今季初表彰台を勝利で飾り、F2シリーズのレース1で初めての日本人ウイナーとなりました。

13番手スタートの福住仁嶺は、1周目にポジションを落とすとペースの上がらない展開となり、7周目にピットインした後は17番手を走行。レース終盤に脱落するマシンが出て、ポジションを上げ、15番手でレースを終えました。

レース2は9月2日(日)午前10時55分(日本時間午後5時55分) にスタートします。

コメント

牧野任祐選手(レース1・優勝)牧野任祐
「優勝は予想外と言えば予想外でした。予選14番手でしたしね。そんなこと考えてもいなかったですし、走っている最中もいっさい順位は言われなかったので、こちらも聞きませんでした。とにかくペースを維持することだけに集中しました。今回は、スタートがとてもよかったです。それが一番大きかったですね。そこで5台くらいオーバーテイクすることができました。それ以降も無理なオーバーテイクをせずに、すんなり順位を上げられた。それでタイヤをセーブすることができました。蹴り出しの際のホイールスピンがほとんどなかったし、1コーナーまでの位置取りもよかったと思います。
レースが始まって間もなく、周りのタイヤが垂れているのは、はっきりわかりました。コーナー出口のトラクションも、全然違いましたから。この垂れの激しさは、レッドブルリンクと似ていますね。これはどんどん垂れるだろうなとわかったので、スタート直後の1、2周は無理をせず、ペースが落ちてきた3周目以降積極的に抜いていきました。最初に無理しなかったのが、よかったのかもしれません。順位は最終周に聞きました。『なんでマルケロフが、僕の後ろにいるの?』『僕は何番なの』って。8番手以内ぐらいには入れるかと思っていたくらいです。リバースグリッドで、明日のレース2をいいところからスタートできたらいいなと。ずっと、『ペースはいい』とは言われていましたが、周りは僕以上のペースで走っていると思っていました。もちろん、一番前を走ってるのは、わかっていましたが、でもピットインしたら、当然順位は落ちると思っていました」

福住仁嶺選手(レース1・15位)福住仁嶺
「スタートはよくなくて、場所取りもうまく行かなくて、1周目に順位を落としてしまいました。そのあとはタイヤを持たせることだけ考えて、周回を重ねました。あれが精一杯でした。牧野の優勝は、もちろん先を越されたことは悔しいですが、でも同じ仲間として素直に祝福したいし、僕も必ずチャンスが来ると信じて、努力を重ねます」

リザルト

レース1

順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム/差
12牧野任祐RUSSIAN TIME3049'10.197
21A.マルケロフRUSSIAN TIME30+1.798
35A.アルボンDAMS30+3.106
48G.ラッセルART Grand Prix30+6.178
56N.ラティフィDAMS30+8.274
619L.ノリスCarlin30+9.017
 
1512福住仁嶺BWT Arden30+48.839

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