Honda
モータースポーツグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード
Goodwood Festival of Speed 2005 with Honda
第五話 夢のグッドウッド開催レポート vol.1
Hondaの歴代F1マシンを掲げた巨大なモニュメントがグッドウッドハウスの正面に掲げられ、2005年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの幕が切って落とされた。ヒストリックマシンのファンだけでなく、クルマやバイクを愛する世界の人々が注目するこの世界最大級のイベントの興奮を現地よりご紹介しよう。


 
往年のHondaミュージックを奏でながら、ファンの目の前を疾走するRA272
 
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場に、Honda RA272の甲高いエンジン・ノートが響きわたった。今から40年前の1965年、F1グランプリを1.5リッターエンジン搭載マシンで闘った最後のシーズン、メキシコグランプリでリッチー・ギンサーがドライブし優勝したマシンと同型のものである。グッドウッドの会場にいる人々はHondaミュージックに酔いしれながら、そのマシンを熱い眼差しで見つめている。Hondaには、長年のレースファンが憧れを抱くヒストリックマシンがある。これは、Hondaのモータースポーツ活動の歴史の深さを裏付ける事実だ。
 
6月24日(金)〜26日(日)の3日間にわたって開催された今回のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。今年、メインスポンサーを務めるHonda注目のモニュメントは、第1期から第3期までのHonda歴代のF1マシン6台を掲げた、Hondaモータースポーツ40年の歴史を物語るものである。巨大なアームに支えられたRA272、RA300、ウィリアムズホンダFW11、ロータスホンダ99T、マクラーレンホンダMP4/4、B・A・R Honda 006の6台は、空中で上下に大きな動きを見せた。モニュメントの中で、動きを取り入れたのは、今年が初めてだという。
 
 
毎回注目を集めるグッドウッドハウス正面のモニュメント。今回は歴代のHonda F1マシンが宙を舞った。
 
そして会場には、Honda Collection Hallがレストアしたマシンを中心に、二輪マシン10台、四輪マシン8台という、かつてない台数のHonda歴代のマシンが持ち込まれた。
そのマシンはどれも、往時のHondaミュージックを奏でながら名物のヒルクライムに出場するように仕立てられており、走らせるライダーやドライバーはいずれも往年の名手たち。華麗なライデングとドライビングを見せてくれる。
このイベントのよいところは、観客とマシンを走らせるライダーやドライバーたちが、気軽に一体化できることで、まるで同窓会のように、誰しもが旧知の友人のようになれることだ。会場では、往年のライダーやドライバーに気軽にサインを求め、友達のように話していた。マシンやレースを愛するファンとしては興奮せずにはいられない。
 
そして2日目は、名物であるヒルクライムが行われ、Honda歴代マシンの走りはますます白熱の度を加え会場を沸せた。そして、ヒルクライムでHondaのマシンを駆ったライダーやドライバーを見ただけで、Hondaのモータースポーツの偉大なる歴史を知ることができると思う。二輪では、ルイジ・タベリ、フレディー・スペンサー、ミック・ドゥーハン。四輪では、ジョン・サーティース、ジル・ド・フェラン、ネルソン・ピケの息子であるネルソン・アンジェロ・ピケなどなど。どの選手も世界の頂点に立った選手であり、その息子である。
 
世界初の5気筒125ccロードレーサーRC149を駆るルイジ・タベリ。彼は、このマシンそのものに乗って、ワールドチンピオンになった。
 
最新のマシンでは、2005年仕様のB・A・R Honda 007を佐藤琢磨が走らせ、メイン・ストレートで何度もストップ&ゴーを繰り返し、大観衆から大きな喝采を浴びた。
 
また会場には、200を超える大小のショップがあり、およそクルマとバイク、航空機に関したものなら、実車から部品、新旧のカタログから書籍や雑誌まで、ありとあらゆるものが揃っている。
数々の「夢」が実在し、ファンを魅了するグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。こんなにも面白いヒストリックマシンの集まりは、それほどあるものではない。
次回、イベントの模様をさらに詳しくご紹介していきたい。
vol.2に続く
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