Honda
モータースポーツグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード
Goodwood Festival of Speed 2005 with Honda
第五話 夢のグッドウッド開催レポート vol.2
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは今年も熱かった。それは、今年でF1初勝利を挙げてから40周年を迎えるHondaがメインスポンサーになったからばかりではない。英国モータースポーツの殿堂とも言うべきグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに集まる人々は、やはりクルマやバイクが心底大好きなのだ。会場は、開催期間を通じて参加者の熱気に包まれた。
 
特に、1964年にデビューし、翌1965年のメキシコグランプリには故リッチー・ギンサーのドライブで初優勝を挙げたRA272や、1967年のイタリアグランプリでの、ジョン・サーティースの頭脳的なドライブによる劇的な勝利で知られるRA300などが収められたHondaのパドックでは、まさに終日人垣が絶えることがなかった。
Hondaパドック恒例のエンジンウォームアップでは、蘇った往年のHondaミュージックへの拍手が鳴り響いた。そして、必ずと言っていいほどHondaのパドックには、口角泡を飛ばしてマシンへの熱い想いを話している外国人ファンがいる。こんな光景は、日本の参加車の中では、Hondaのパドック以外ではまず見られない。それだけ、この欧州の地での「Honda」というブランドに対する認知度が高いことの証なのだ。
写真左:自身が乗り1967年のF1イタリアグランプリで優勝したRA300のコクピットにおさまったジョン・サーティース。写真右:往年の名ドライバー、ジョン・サーティース(中央)と現在のHonda F1を支えるジェンソン・バトン(左)、アンソニー・デビッドソンが談笑する貴重なショット。
リッチー・ギンサーのドライブにより、今年40周年となるF1初勝利をHondaにもたらしたマシンと同型のRA272のフロントタイヤに座る佐藤琢磨。彼のF1での活躍にも期待したい。
 
Hondaのモーターサイクルレーサーに注がれるファンの視線は、さらに一段とヒートアップしていた。1966年に、50ccクラスから500ccクラスに至る全クラスでコンストラクターズチャンピオンを世界で初めて制覇したHondaは、その驚異的なリザルトをはじめとする活躍により、たちまち世界のトップブランドの地位を確立したからだ。
モーターサイクルの故郷と言われる英国で、Hondaが絶対的な人気を得たのも言わば当然なのである。ずらりと並んだ歴史的なレーシングマシンと時折会場に姿を見せるボブ・ヒース、トミー・ロブ、フレディ・スペンサー、ミック・ドゥーハンなど、往年の名ライダーたちを一目見ようとして、どこでも大勢のファンの列が絶えることがなかった。これほど盛り上がりを見せたモーターサイクルのパドックなど、もちろんHondaを置いて他にはない。
(文:川上 完 vol.3に続く
1967年のWGP、ダッチTTレース(オランダ、アッセン)500ccクラスで最速ラップレコードを記録し優勝したRC181を走らせるトミー・ロブ。
あまり見る機会のない貴重なマシンであるRC173。1966年のWGP 350ccクラスでチャンピオンを獲得したマシンをボブ・ヒースが駆った。 1983年に21歳でWGPの最高峰500ccクラスのチャンピオンとなったフレディ・スペンサー。天才と謳われたライダーが、自らのチャンピオンマシン、NSR500を駆り、華麗なライディングを披露した。
1994年から5年連続でWGPのチャンピオンとなったミック・ドゥーハンも、自身がタイトルを獲得したマシン、12,200rpmで180PS以上を発生するNSR500(1995年)を駆った。
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