モータースポーツ > F1 > McLaren-Honda ドライバーインタビュー It's Time to Make History > ジェンソン・バトン

Hondaと僕には、7年前にやり残したことがある

現役最多のF1出走回数を誇るバトン選手。
そのF1キャリアでの初勝利は、
Hondaマシンによってつかんだものでした。
今季、7年ぶりに臨むHondaとのシーズンについて語ってくれました。

McLaren-Hondaという響きについて、どう感じましたか?

F1に初めて乗ったときから、ビッグチームで走りたいという夢を持っていました。私が子供だった1980年代、ビッグチームと言えば、ウイリアムズ、フェラーリ、マクラーレンで、セナとプロストという伝説のドライバーが走っていました。そのころよりも競争が激しくなっている現在において、新しい時代のMcLaren-Hondaに加われるということは、本当に特別なことです。難しいチャレンジかもしれませんが、だからこそ、やりがいがあります。

チームメートのフェルナンド・アロンソ選手について

経験豊富で、チャンピオンになるために必要なことを知っているドライバーだと思います。ドライビングのことだけでなく、チームがどんな雰囲気であるべきか、その中で自分がどのように動かなければならないかが分かっている、すばらしい人物です。私たちはただ走るだけでなく、マシンのドライバビリティーやフィーリングを伝えていくことも重要な仕事ですが、彼と一緒であれば、いい仕事ができると思います。コースでは強力なライバルになりますが、それも楽しみです。強力なタッグができ、必ずうまくいくと思います。

アロンソ選手との共通点が多いと聞きますが?

たしかに、ドライバーとしての共通点は多いと思います。チームへの働きかけや、レースに対する考え方など、かなり同じだと感じることが多いです。また、走り方についても、全周回に全速で挑むのではなく、戦略的にメリハリを持って走るという点でも似ていると思います。そして、2人とも豊富な経験を持っているので、それが頂点へ向かう助けになると思います。

7年ぶりとなるHondaとの仕事について

再びHondaと一緒に戦うということは、私にとって大きな意味があります。前回の参戦時には苦労も多かったのですが、私のF1初勝利のパートナーでもあります。なにより、レースへの高い情熱を持っていて、そうした会社と一緒に働けることがうれしいです。Hondaと僕には、7年前にやり残した仕事――ワールドチャンピオン獲得があります。あのときに逃したチャンスを、ぜひ一緒につかみたいと思います。

チャンピオンになった2009年は、エンジンがHondaから別メーカーに変わりました

たしかに、事実として、Hondaエンジンではチャンピオンになっていません。ただし、タイトルを取れたのは、Hondaのおかげです。長年のHondaの努力は、すさまじいものがあり、苦しい時代をともに戦いながら、多くのリソースを投じてくれました。そのおかげで2008年に好調へ転じ、2009年に成果が出たのです。これは、Hondaのハードワークの賜物です。今度こそ、一緒にチャンピオンを獲得したいと思います。

Hondaのパワーユニットについてはどう思いますか?

非常に多くの技術を要するものですが、Hondaはとてもよくやってくれています。以前も一緒に仕事をしましたが、Hondaのスタッフは、エンジンのドライバビリティーについて、非常によく理解しています。また、今年は、パワーユニットの年間使用数が昨年から1基減って4基になりましたから、信頼性を高めていくことが大切です。Hondaはとてもオープンに取り組んでくれていて、問題が出ても率直に話し合えています。施設もすばらしいですし、技術と情熱を持った人がいるのが、Hondaの強みです。ターボやハイブリッドについて、SUPER GTとスーパーフォーミュラなどで経験を培ってきた頼もしいパートナーでもありますし、きっといい成績を残せると思います。

へレステストでは、あまり周回数をこなせませんでした

どんなときでも、最初のテストというのは難しいものです。新レギュレーション初年度の昨年もそうでした。今年のへレステストでは、どんな問題があるのかを目的としていたので、周回数やラップタイムを求めてはいませんでした。問題の改善は図られていますし、目指すべき方向に向かって進んでいる実感はあります。次のバルセロナでは、さらに進化するでしょう。参戦してすぐに勝てるというのは、他のチームに対してリスペクトを欠いていると思います。F1は競争が激しく、全チームがベストを尽くす中で戦わなければならないからです。ただ、その中で努力をし続け、チャンピオンを取れるように戦っていきます。

最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします

再びHondaと一緒に働けることは、私にとって大きな意味を持っています。Hondaファンの皆さんの声援が大きな力になりますので、引き続きサポートをよろしくお願いします。今シーズンを楽しみにしていますし、僕もベストを尽くします。(日本語で)ガンバリマス!