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HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.59「シーズン前半を振り返る」

2005年F1シーズンも折り返し点を過ぎた。開幕当初の不調、表彰台取り消し、2戦出場停止、そして前戦USGPでの7チーム14台のボイコットと、実にさまざまなことが起きた。そんな波乱の前半戦を、技術面から振り返ってもらった。

―開幕は、予想外に厳しいスタートになってしまいました。

 ダウンフォースの絶対値が足りないという問題が、当初からありました。風洞実験では、去年並みとは言わないまでも、かなりの数値が出ていました。ところがサーキットで実際に走らせると、そうはなりません。それがなぜなのかと原因を探ることに、冬のテストから開幕当初までかかってしまいましたね。その後イモラ(第4戦)あたりで原因が見えてきて、改良した空力パーツを次々に投入することで、その問題が解決されつつある。現状は、そんな感じでしょうか。

―開発の段階で、ダウンフォースの目標値が低かったわけではない?

 違います。目標をクリアするくらいの値は、風洞でも出ていました。レギュレーション変更でダウンフォースが30%前後落ちると言われていたものの、理論上は13%落ちぐらいまでに回復していました。ところが実際に走らせてみると、ドライバーからはそういうコメントが出てきません。

 それで去年のウィングを付けると、ダウンフォースが上がるわけではないのに、いいタイムが出ました。その結果どうもこれは、センシティビティ(ちょっとした挙動変化でマシンの安定性が失われる)の問題らしいと分かりました。

 その原因がバージボードなのかフロントウィングなのか、ひとつひとつ比較テストを重ねていきました。それを見つけて対策するのに、イモラあたりまでかかったわけです。

―復帰第1戦のヨーロッパGPは、期待したような結果が出ませんでした。2戦のブランクは、開発の上でも大きかったのでしょうか?

 あれは空力的なものというより、セットアップやタイヤの選び方の問題でした。タイヤもいろいろ進歩しているけれど、うちの使い方や選び方と、2レース戦って来たチームとは違っていました。うちと同じソフトを選んだチームでも、タイヤの持たせ方が分かっていました。

 それに対してわれわれは、レーススタート直後に、タイヤを壊してしまいましたね。そうなるとドライバーは、もう手の打ちようがありません。2日目まではうまくいっていたのに、レース当日の路面変化の程度が読みきれませんでした。あるいは、その影響を考慮した上でのタイヤ選びやクルマ作り、そして燃料搭載量ではなかったわけです。

―次戦のカナダは結果こそ出ませんでしたが、パフォーマンスとしてはある程度満足のいくレースだったのでは。

 そうですね。現状ではマクラーレンが飛び抜けていますが、ルノーには追いついてきているという認識です。マクラーレンは第3戦のバーレーン以降、マシンに改良を加えたことで一気に速くなりましたね。

―後半に向けての課題は、やはり空力ですか。

 はい。ダウンフォースの絶対値を上げつつ、いかに安定したハンドリングを維持できるか、ということです。いずれにしてもトップ集団のマシン性能は、非常に拮抗しています。厳しい戦いが続くでしょうが、今週末のフランスGPではぜひ結果を出したいですね。

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