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HondaモータースポーツF1ジェンソン・バトン ダイアリー
 3週間の夏の休暇が終わり、F1も残り3分の1。僕は3週間も休暇は取れなかったけれど、それでも少しは休むことができた。まずサントロペで、元フィアンセのルイーズ・グリフィスと何日か過ごした。僕らはまだいい友達で、結婚式をするはずだった8月5日は一緒にいようということになったんだ。その後は、友達何人かでスペインのイビザ島に行った。街の近くのヴィラを借りて過ごしたんだ。最高だったよ。おかげで僕はバッテリーをしっかり充電できた感じかな。それから僕は、またPRイベントに参加して、初開催となるトルコ・イスタンブールに入った。

 イスタンブールパーク・サーキットは、素晴らしいサーキットだった。僕たちのマシンのハンドリングも最高で、グランプリの間中、ほとんどセットアップを変える必要がなかったんだよ。僕よりコンスタントに速かったのは、マクラーレンのキミ(・ライコネン)ぐらいだったんじゃないかな。

 でも結局、レースでは実力相応の結果が出せなかった。原因の一つは、僕も琢磨も予選でトラブルがあって、決勝のグリッドを下げてしまったこと。実は土曜の朝のフリー走行で、たくさんのマシンがターン7と8で底をこすっているのを見て、僕らは予選に向けてマシンの車高をほんの少し上げていた。だけどアタックの時にまだタイヤ圧が低かったため、結局ターン8の真ん中で底をこすってしまったんだ。マシン的にはフロントローでもおかしくない状態だったのに、13番手スタートになってしまってがっかりしたよ。絶対にレースで挽回してやるって思ったね。

 レースのスタートは、路面の汚れている側からということもあって、今ひとつだった。でもアグレッシブに飛ばし、12周目までに、ミハエル(・シューマッハ)、ルーベンス(・バリチェロ)、デビッド(・クルサード)、クリスチャン(・クリエン)を抜いた。その後も何台も抜いて、5位でフィニッシュ。悪くない結果だけど、グリッド順がもっと前だったら表彰台もあり得たわけで、悔しいよ。

 次のイタリアGPは、金曜日から苦しい状況だった。マシンはコーナリングのグリップが充分でなく、ブレーキングの時も安定していなかった。だから土曜日に向けてセットアップを根本から変えることにした。ほとんどのセッティングを逆の方向でやり直したんだ。それが思いどおりの効果を生んで、土曜の朝にはマシンはかなり良くなった。琢磨にいたっては、フリー走行で3番手のラップタイムを刻んでいたよ。こうして予選はうまく行き、4番目に速いタイムを出すことができたんだ。マシンを1周する限りでは調子が良く、レースに向けて気持ちは弾んだ。

 そして決勝レース。スタートはフェルナンド(・アロンソ)の後ろの3位をキープできたけれど、走っているとすぐに彼のマシンの方が速いことに気が付いた。僕は最初のピットストップまでに20秒もの差を付けられてしまった。そして悪いことに、その最初のピットストップで、給油の際の燃料リグにトラブルがあることが分かったんだ。琢磨は直後にまたピットに入らなければならなかったし、僕も2回目のピットストップを、予定より4周も早く行わなければならなかった。なんとか頑張って8位でフィニッシュしたけれど、予選の後に期待していた結果とはほど遠いものになってしまったよ。またもやマシンの能力が発揮できなかったんだ。

 今は、ベルギーGPに向けて準備中。今度こそはいい結果を残したい。スパ・フランコルシャンは、高速で、ドライバーにとってチャレンジングなサーキット。僕も大好きなコースの一つだ。高速サーキットは、B・A・R Honda 007向きのはずだしね。

 最後に、8月はおもしろいことがあったんだ。トルコとイタリアのGPの間の、モンツァでのテストが終わってからのこと。翌日に結婚式で新郎の付き添い人をすることになっていたから、イギリスに戻らなければならなかった。遅れちゃいけないから、かなり複雑な経路で帰ることにしたんだ。まずサーキットからヘリコプターで近くの空港に飛び、チャーター機でイギリスのブリストル国際空港に行くルートだ。

 途中まではすべてがスムースに運んでいたんだ。ところが、チャーター機がいざ着陸してみると、そこがブリストルと違う空港だってことが分かった! 北部にあるフィルトン空港だったんだ。友達が待っているブリストルは南部なのにね。それで、フィルトンでは、降りる間もなくすぐにブリストルに向けて飛んだ。クレイジーな旅だったよ。でもまあ、最終的には何とかなったから、結果オーライだね。

 翌日の結婚式は素晴らしかった。新郎は学生時代の友達で、結婚するのは仲間うちでは彼が初めてだった。当日までスピーチを考える時間がなかったからほとんどぶっつけ本番。彼が気に入ってくれたことを願うよ。
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