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「2004年シーズンを振り返る」(その3)
 シーズン前半のB・A・R Hondaは、毎戦のように表彰台を獲得し、コンストラクターズ選手権2位のルノーを猛追する。繰り返しのエンジントラブルに悩まされていた佐藤琢磨も、ヨーロッパGPで2位入賞目前という活躍を見せる。ところが次のカナダでは、またもエンジンブローでリタイア。そして、シーズン折り返し点となるアメリカGPがやってきた。

―カナダGP後の中本さんは、かなり落ち込んでいましたが。
 また琢磨君をリタイアさせてしまいましたからね。これからどうやってレースをやっていこうかって。ヨーロッパGPのトラブルを踏まえて、対策を施していましたからね。
 
―インディアナポリスに移動したときは、気持ち的にかなり厳しいものがありましたか?
 もう帰ろうかと思ったくらい。向こうに着いてすぐ、酷暑の中を2時間半ぐらい無心でテニスをして気持ちを切り替えましたけどね。ただ、カナダGPとアメリカGPだったら、アメリカの方が攻めやすいとは思っていた。カナダはストップ&ゴーのレイアウトでしょう。なかなかラップタイムで差を付けにくいコースなんです。パワーサーキットと言われますけど、今のF1はエンジンだけでは勝てませんしね。それよりもインディアナポリスの方が、高速と低速区間の特徴がはっきりしている。それで我々は、(低速区間の)第2セクターに集中して攻めたんですね。あそこを重点的に攻めて、あそこで良いクルマに仕上がるようなセッティングにした。他の区間は捨ててかかったと言って良いくらい。そうすることでレース全体が組み立てられるんですよ。タイヤにも結果的に優しくなりますし。
 
―その意味では、レースへの手ごたえはインディアナポリスの方が大きかった?
 そうですね。レースでああしてやろう、こうしてやろうというイメージは持っていた。研究所も非常にタイトな日程の中、さらに対策を施してくれましたし。あのエンジンがインディアナポリスに到着したときは、嬉しかったですね。
 
―そして、レースでは予想通りの速さを発揮しフェラーリと互角以上の勝負ができた。しかし、勝てませんでした。
 そう。悔しかった。今年一番悔しかったのがインディアナポリスだし、今年一番嬉しかったのもインディアナポリスでしたね。どっちの意味でも。私としては、あそこがすべてでした。何で勝てないんだっていう悔しさと、琢磨君のエンジンがやっと壊れなくなったという安堵感と。それに何より、日の丸を見られましたしね。(この項続く)
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