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Round07ベルギーベルギーGP

2020年8月27日(木)

スパ・フランコルシャン

第7戦 ベルギーGP

第7戦 ベルギーGP プレビュー

例年、長いサマーブレイクを終えてからスパ・フランコルシャンへとやってきますが、2020年の夏はタイトなスケジュールにより、レースのない週末のほうが少なくなっています。ベルギーGPは、スパ・フランコルシャン、モンツァ、ムジェロと続く3連戦の初戦。この3つの会場の共通点は‟スピード“です。ドライバーはパワーユニット(PU)に最大限の力を要求することになります。特に、スパ・フランコルシャンの名物コーナー”オー・ルージュ“の上り坂からレ・コームまでの長い全開区間は、エネルギーマネジメントが非常に重要で、Hondaのエンジニアたちにとっても正念場となります。残念ながら今年は観客が不在ですが、高速区間と高低差のあるコースは、息をのむような光景を見せてくれます。スパ・フランコルシャンでは特有の変わりやすい天候にも注意が必要になります。いつものようにFIA-F2選手権も大会に花を添えてくれますが、この週末は昨年スパで亡くなったF2ドライバー、アントワーヌ・ユベールをしのぶ機会にもなります。

コメント

田辺豊治 | HONDA F1テクニカルディレクター
「2度目の3連戦の後、レースのない1週間を経て、ここからベルギーのスパ・フランコルシャン、イタリアのモンツァ、ムジェロと高速サーキットでの3連戦に向かいます。
歴史あるスパ・フランコルシャンは緑豊かな山間に作られており、丘を駆け上がる高速コーナーのオー・ルージュがあることで有名なサーキットです。それ以外にも、全長約7kmの起伏に富んだコース上にバラエティ豊かなコーナーが配されており、高速サーキットながらもドライバーの腕が試されることで知られています。
ここではPUのパワーが試されると同時に、回生エネルギーの使用と回収のバランスを考慮したエネルギーマネジメントが重要になりますので、セッションを重ねながらPUセッティングの最適化を進めていきます。
そして、先日の日曜には、アメリカから佐藤琢磨選手のINDY500優勝というビッグニュースが飛び込んできました。
琢磨選手、2回目のINDY500制覇という快挙の達成、おめでとうございます!2度目のミルクの味はいかがでしたか?Honda Performance Development (HPD)の皆さんにも、おめでとうの言葉を送りたいと思います。
INDYと同様に、我々のF1でのライバルも強力ですが、両チームともにここまでの戦いの中でパッケージとしてのポテンシャルの高さを感じています。
琢磨選手やアメリカにいる仲間たちの活躍にも応えるべく、今週末もいいレースを見せ、ポジティブな結果を得られればと思っています」

マックス・フェルスタッペン
「スパはカレンダーの中でも大好きなサーキットなので、いつもここでレースをするのを楽しみにしています。クラシックなサーキットのためにランオフエリアが少なく、標高の変化も大きいので1周を通してアップダウンが続きます。また、ここは低速コーナーがあまり多くないので、中速や高速コーナーでF1マシンのスピードを存分に体感できるというすばらしさもあります。その中でも高速で駆け抜けるプーオンはお気に入りのコーナーです。バランスに配慮しながら第1セクターを抜けたあと、長いストレートとインフィールドセクションの組み合わせとなる第2・第3セクターは非常に重要で、うまく折り合いをつけながら走る必要があります。ここではウイングを低めにしてダウンフォースが少ない状態で走るので、マシンの挙動がとても機敏で不安定になるのですが、それもエキサイティングな部分ですね。

ここからまた3連戦が始まる中で、今はドライバーとしてもコンストラクターとしても2位の状況で、この勢いを維持しながらスパでのレースに臨みます。ストレートが多いこのサーキットではオーバーテイクが可能である一方で、予選で僕たちの後ろにいるライバルたちも迫ってくるのではと思っています。そしてパワーで上回るメルセデスはここでは非常に速いと思います。スパではここ数年はいい結果とそうでない結果の両方があるので、今年どうなるかということを予測するのは難しいですね。僕たちのマシンパッケージに合うトラックだとは思いませんが、今まで同様、できる限りプッシュをしてベストな結果を得たいと考えています。

そしてここは例年オランダからきてくれるオレンジ・アーミーが大きな声援をくれる場所なので、今年は彼らがいないことを残念に思っています。TVから応援してもらえればと思っていますし、今年用に作ったスペシャルキャップを気に入ってくれればうれしいです。先週末は3連戦が続く合間に休みを取ることができました。チームメンバーもみんなつかの間の休息が取れたのではと思うので、今週に向けた準備は万全だと思っています!」

アレクサンダー・アルボン
「開幕以降連戦が続いていて非常に忙しいのですが、F1はいつも忙しいものですよね。今はシーズンに全力で取り組んでいて、毎週内容の濃いレースが続いてます。ここまで6戦を終え、マシンのどの部分に手を入れていけばいいか分かっていますし、ファクトリーのメンバーがより速く、よりドライブしやすいマシンにするために全身全霊で作業を進めてくれています。ライバルも同じかもしれませんが、今はなにが機能してなにが機能していないかを一つずつ試しながら着実に前進できており、すべてがうまくいっていると感じています。

前回の3連戦のあとにレースのない週末を挟むことができました。その間、僕はあまり多くのことはせずにリラックスして自分自身の充電に努めました。3連戦は本当に忙しいのでリラックスできてよかったですが、当然のことながらトレーニングも欠かさずに行いました。レースをこれだけ続けると自然にそれがトレーニングになっているのですが、それをきちんと維持してシャープな状態でいるのは大切ですし、エンジニアのためにも体重を増やさない必要がありますよね! リラックスの方法は現在のコロナ禍の状態ではあまり選択肢が多くありません。基本的には屋内にいるよう細心の注意を払いつつ、料理をしたりNetflixを見たりと割と普通なことをしていました。少しだけハイキングもして、心拍を上げるトレーニングにもなるので、そこで走ったりもしていました。

スパは昨年Red Bullのドライバーとしてデビューを飾った地ですが、この1年間は信じられないくらいのスピードで過ぎていきました。1年が経ったとは思えないですね。昨年ここで得たものを今年トライできるので、今年のレースが待ち遠しいです。昨年とはマシンが違うものの、それでも似ている部分はありますし、昨年感じたことを覚えているので、それに比べて今年僕たちになにができるのか楽しみにしています。今年はいくつかいいレースができていますし、スパではオーバーテイクも可能なので、早くここでレースをしてみたい気持ちです。昨年のレースにはいい思い出がありますし、今年もいい仕事ができると思っています。何よりスパはいいサーキットで、F1カレンダーのなかでもベストなトラックの一つだと感じています。

昨年の今ごろ、僕はチームのことをなにも知らない状態でチームに合流しました。もちろんチームにいい印象を与えたいのでいい仕事をしなければと思っていました。それまでToro Rossoと6カ月だけF1のシーズンを過ごしただけだったので、チームにだれも知っている人はおらず、ビッグチームで仕事をするのも初めての経験でした。今は全員を知っていますし、チームにも溶け込めています。僕らは毎週進化をみせていますし、そんな中ですべてが始まったサーキットに戻れることをうれしく思っています。

昨年のレースでは、チームからプレッシャーをかけられたわけではなかったのですが、できる限りのことをしていい結果を残したいと思っていました。その時のことはとてもよく覚えています。今年については、予選モードに関する制約のスタートがスパからモンツァに変わったので、そのことがどう影響するかをみてみたいと思います。ここではストレートが占める割合が多いのでメルセデスが速いと思いますし、簡単な週末になるとは思っていません。とはいえ、同じようなことを想定して臨んだシルバーストーンで僕たちはスピードをみせられたので、今週もどうなるか楽しみにしています。どのサーキットでもタイヤや温度に関してどのレベルであれば自分たちのアドバンテージになるのかを予測するのは難しいですが、それでもスパでのレースはいつも本当に楽しいです。過去には僕たちはここであまりいい成績を残していませんが、いいサーキットですし、なにより今年はサプライズに満ちたシーズンなので、どのような状況になるか実際に走ってみて確かめたいと思います」

ピエール・ガスリー
「前回の3連戦を終えて、数日間のオフがあったのはよかったです。しかし、留守中にフランスの自宅に空き巣が入り、かなり動揺しました。他人に家の中に入られ、自分や家族の物が盗まれるというのは、誰にとっても好ましい経験ではないと思います。
さて、レースに話題を戻すと、前回のスペインGPは好調なレースウイークとなりました。予選7番手という結果には大満足ですし、決勝はマシンの隊列の中でのレースとなって思うようにはいきませんでしたが、それでも9位フィニッシュでポイントを獲得できたことや、速いマシンの中で戦えたことは今後に向けたいい兆しです。
パドックの中はまだ少し違和感がありますが、徐々に慣れてきました。ただ、多くのファンが押し寄せてくれるあの雰囲気が恋しいです。本来であれば、朝サーキットに行けば、ファンやサインを求める人たちに出会えます。そこで観客の温かさを感じることができて、エネルギーが湧いてきます。残念ながら、今のところはまだ観客をサーキットに戻せないと思います。ファンとの交流が恋しいですし、年内に今の状況が変化すればいいと願っています。

ただ、いったんマシンに乗ると、普段と変わらず、自分の走りに集中しています。それでもセッションの合間やパドックを去る際に、ふと現在の状況に考えが及ぶのです。それはレースの合間の生活にも影響します。サーキットではエンジニアやトレーナーなど同じメンバーと一緒にいますが、一度離れてしまうと、新型コロナウイルス対策のために、チームのメンバー以外の人と会うことができないので少し時間を持て余してしまいます。今は感染に気を付けなければいけないので、生活の中で交流が減り、盛り上がりに欠けることがあっても仕方がないでしょう。それに僕は自分の仕事を愛しているので、今の状況に文句は言いません。

次はスパ、モンツァ、ムジェロと、今年3度目のトリプルヘッダーです。2連戦には慣れていましたが、11週間で9レースという日程は全く違います。特にエンジニアやメカニックたちにとってハードな日程になっていると思います。
スパとモンツァという最高のサーキットでの戦いが待っています。スパは僕のお気に入りのコースです。高速コーナーを走るのはとてもスリルがあります。過去にはすばらしいレースをしたこともあります。F4で初優勝した場所でもありますし、2016年にはGP2(現在のF2選手権)のレース1で優勝も経験しています。しかし、今年はスパがあるベルギーへ、悲しい思いとともに戻ることになります。ちょうど1年前のF2のレースで、アントワーヌ(ユベール)が事故に遭い、命を落としました。僕は7歳の頃からカートレースで彼を知っていました。僕たちはフランスモータースポーツ連盟が主催する学校へ一緒に通っていて、僕が13歳から19歳までの6年間、住まいをシェアしていました。今週末はきっとパドックにいる誰もが彼について想いを馳せるのではないのでしょうか。
モンツァではファンのことを恋しく思うはずです。ここは僕たちのチームのホームレースでもあるので、そこでの雰囲気は本当に特別なものです。その次にムジェロでのレースがあります。チームにとってホームレースが2度続くことになります。もちろんモンツァの近くに住んでいる僕にとってもホームレースです。この3連戦は特別なものになるでしょう。
そしてその次のムジェロに行くのが待ちきれません。ムジェロのような初めてのサーキットでF1マシンを駆るのは常にエキサイティングな体験です。チームはこのコースのデータを持っていないので、ドライバーもチームも皆、どんなコースなのかを見極めることになるでしょう。スリリングなレイアウトですし、F1マシンで走ればなおさらでしょう。僕は2013年にここでレースをしましたが、F1マシンだとまったく違う、印象的なコースになるでしょう。特に2つの右カーブが超高速になるはずです。F1マシンに何ができるかを実感できるコースですし、ドライビングの観点からもすばらしいコースになるでしょう」

ダニール・クビアト
「バルセロナでの週末は、僕にとってはいい結果にはなりませんでしたが、今後のレースではうまくやれると思うので、マシンに戻るのが楽しみです。スパは常にレースが楽しめるコースで、伝統があり、さらに最高にエキサイティングなコーナーを持つレイアウトが好きです。オー・ルージュについての話題が多いですが、コース全体が素晴らしいですし、実際のレースでもファンに多くの興奮を提供できるのもいいことです。スパでのレースウイークのカギは、金曜日に正しいセットアップを見つけることです。願わくは、コースの状態を正確に把握し、マシンがきちんと機能するようにできればと思います。今季ここまでのマシンパフォーマンスには比較的満足していますが、今まで以上にスムーズなレースウイークにできれば、好結果を目指せると思います。
スパ、モンツァ、ムジェロと続く3連戦は面白くなると思いますし、実は、今シーズンの中でも僕がとても楽しみにしている期間です。イタリアでレースをするのは大好きなので、本当にうれしいです。モンツァでは、コーナーでのダウンフォースとストレートスピードのバランスを探るのが定石です。これも、金曜日に正しい方向性をつかめるかにかかっています。そして、ムジェロはいい思い出がたくさんあり、かなり昔ですがフォーミュラルノーでの優勝も経験しました。僕は高速コーナーが大好きで、ムジェロには数多くあります。とても面白いコースなのでドライビングも楽しく、一番印象に残っているサーキットといっても過言ではありません。F1マシンでここを走るのはとても特別な経験になると思います。現代のマシンのダウンフォースレベルでドライブするのは最高でしょうね。
再びの3連戦となりますが、こうした新様式でのレースにも慣れていくはずです。僕が目指すのはドライビングを楽しむことで、それがいい仕事になるということが変わるわけではありません。もちろん、サーキットでファンの皆さんが作り出してくれる雰囲気は特別なもので、それが恋しいとは思いますが、いつの日か必ず戻ってきます。それまでは、マシンを走らせているとき以外の仕事が少なくなるので、ドライバーズルームでギターの練習時間を多くとれますね(笑)」

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