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Round01オーストリアオーストリアGP 1

2020年7月2日(木)

レッドブル・リンク

第1戦 オーストリアGP 1

第1戦 オーストリアGP 1 プレビュー

Hondaにとって13年ぶりのF1勝利となった2019年のオーストリアGPは、大きな節目となりました。マックス・フェルスタッペンはRB15でシーズン随一のドライビングをみせ、見事に優勝。マックスとともにHonda F1テクニカルディレクター・田辺豊治が表彰台に上がり、コンストラクターズトロフィーを受け取ったことは、決して忘れることのできない、誇らしい瞬間でした。グランプリの中でも、最も美しい舞台の一つであるレッドブル・リンクで、私たちはもう一度全力を尽くして準備に取り組みます。シーズンで全長が短いコースなので、ガレージのスタッフとピットクルーは気を抜けません。高速コーナーとロングストレートで構成されたコースだけに、パワーユニットはフル稼働し続けます。2020年、再びレッドブル・リンクにHondaのエンジンサウンドが響き渡ることを期待しています。

コメント

田辺豊治 | Honda F1テクニカルディレクター
「当初開幕戦となるはずだった3月のオーストラリアGPが走行中止になって以降、長い期間を経て、再びサーキットに戻れることをHondaのメンバー一同が非常にうれしく思っています。

この中断期間中には、急きょ改定されたF1レギュレーションにともない、日本のHRD Sakuraと英国ミルトンキーンズでファクトリーシャットダウンを実施しました。その期間を除き、我々はパワーユニットの開発を継続し、今回の2020年初戦に向けた準備を進めてきました。このレースで使用するパワーユニットはオーストラリアで使用する予定だったものから、信頼性とパフォーマンス両面でのアップデートが施された仕様になります。

いまだにウイルス感染が収まりきっていない状況下でここから欧州各地を転戦する戦いが始まります。レースを確実に実施するためにはメンバー・関係者の安全が最優先となることはいうまでもなく、そのために各チームともに参加人数を最低限とし、F1が定めた感染防止ルールに従いレース運営を進めていきます。

Hondaにおいても、マシンを走行させるのに必要なエンジニア・メカニックといった要員は通常時と同人数が帯同するものの、マーケティングや広報、一部のマネジメントといった間接スタッフは帯同せず、リモートでオペレーションを行う形になります。レース帯同メンバーは2つのパートナーチームと共にそれぞれ行動し、同じHonda内であっても担当チームが異なるメンバー同士では接触しないかたちでレース運営を行います。第1戦、第2戦が同じオーストリアのレッドブル・リンクで行われるため、移動の負担はいくらか軽減されますが、多くの制約をともなう形での3週連続のレース開催は、精神的・肉体的にもタフなものになると考えています。

開幕の地となるオーストリアのレッドブル・リンクは、昨年HondaがF1復帰後初優勝を挙げた地で、我々にとって相性のいいサーキットです。今年はAston Martin Red Bull Racing、Scuderia AlphaTauri共にシーズン通して昨年よりもさらに上の成績を目指して戦いますので、その目標に向かって勢いをつけるべく、開幕戦で好成績を挙げられるようにチーム一丸となって挑みます」

クリスチャン・ホーナー | Aston Martin Red Bull Racing代表
「レッドブル・リンクは、パンデミックの影響でレースが減少していく中で、早期からF1再開に向けて取り組んでいました。ディートリヒ・マテシッツ氏(レッドブル創業者)とレッドブル社に感謝しています。私たちはプロモーターと密接に協力して、このレースを実現させるための努力をしてきました。F1を運営しているリバティメディアの皆さんが、F1再開のために適切かつ安全な環境を提供し、またオーストリアで2週連続のレース開催するために、多大な努力をされてきたおかげで、私たちはホームでのレースウイークを迎えることができました。

F1や開催国では、スタッフや全メンバーの感染対策に大きな力を注いでおり、チームは基本的に外部との接触を断った「ソーシャル・バブル」の中で仕事をすることになります。それぞれのチームは別々のホテルに宿泊しますし、ホスピタリティチームもレースには参加しません。ピットウォールでのセッション中はフェイスマスクを着用します。通常のレース前のグリッドや表彰台でのセレモニーなどは行われませんので、これまでとは異なるレースになるでしょうが、安全な環境を作るためです。さらに、レースの過程でもコロナウイルスの検査が実施されます。感染対策は徹底していて、安全で管理された環境が整っています。

いよいよレースが再開されますが、メルボルンでの出来事は今となってはとても昔のことのように感じています。本来であればシーズンが中盤に差しかかる時期に、ようやく再開すると考えると、ちょっと不思議な感じがします。

F1チームが2カ月半も休止状態になる異常事態で、その期間中にもチームの感覚を維持する必要は当然のこととしてありました。そのため、最新の情報をチームに伝えることはもちろん、オンラインでのフィットネス・クラス、金曜日の夜のクイズ大会、スタッフが私に質問できるタウンホール・ミーティングなど、ドライバーとチーム・メンバーとの関わりを維持する活動などを行いました。この活動は、先行きが不透明な時期には非常に重要なものでした。

またロックダウン中は、チームを超えた調整作業が多く行われており、個々のチームだけでなく、F1全体の利益になるような解決策を見つけようとする仲間意識がありました。新しいレギュレーションの導入を遅らせることや、コスト制限の上限を下げることなどを決定しました。危機的状況に陥ったときはチーム同士の連携が非常に重要です。

レース再開後は、活動が制限されるので微調整が必要になるでしょう。2022年に向けた新しいレギュレーションにあるコスト規制については、全く新しいものであり、今後さらに詳細が決定されると思います。

去年の11月以来、7カ月間もレースをしていなかった状態から、一気にレースが再開されます。今回のように短期間に多くのレースが連続する場合、マシンの信頼性が重要になってきます。多くのレースが行われるので、関係者全員にとって厳しい時期になるでしょう。再開直後は激しい展開もあるでしょうし、私たちはチャンスを最大限に活かすことが重要になってきます。今年は異例の幕開けとなりますが、過去6年、圧倒的な強さを誇るメルセデスに挑戦するためには、それが必要なことなのかもしれません。

フィルミングデーでマシンを確認することができたのはすばらしいことでした。なんのためにここまで頑張ってきたのか、自分たちの目標はなんなのかを思い出させてくれました。レースがスタートすれば、マシンとレースに集中することになります。すべてはコース上でなにが起こるかにかかっていると思っています。

2020年はすばらしいシーズンになると思います。もちろん、ドライバーたちはレースの感覚が鈍った部分もあるかもしれませんが、彼らはプロですから、すぐに克服できるでしょう。レースは激しいものになるでしょうし、これまでとは少し違ったプレッシャーとダイナミクスがもたらされると思います。レースをとても楽しみにしていますし、チームは2013年以来の総合優勝を目指しています。

開幕戦は全員が同じ条件で臨むことになるので、マックス・フェルスタッペンのプレッシャーは例年と変わらないと思います。シーズン前のテストではメルセデスが依然として好調でしたが、今年の私たちのマシンにはポテンシャルがあると感じていますし、期待しています。私は心からドライバーたちを信じ、勝利を祈っています。私たちは非常に強いチームです。メルセデスに挑戦するための設備とツールで、今年は勝利に導きたいと考えています。

忘れられがちですが、アレクサンダー・アルボンは、F1ではまだ2年目のシーズンです。しかも、昨年はシーズン途中に移籍し、見事な活躍をみせました。彼はプレッシャーにとても強いように見えますし、昨シーズンの成績をさらに伸ばしてくれると思います。彼にはチャンスが巡ってくるでしょう。今年はさまざまな面からも、とても期待しています。

シーズン前に行われたザントフォールトとバルセロナでのテストやモントリオールでの結果を踏まえ、マシンはさらにアップデートが行われています。シャットダウン後に得られた情報はすべてマシンに反映され、シャットダウン前に準備されていた状態から進化しているでしょう。ほかのチームもそうだと思います。私たちがオーストリアでどのポジションにいるかはまだ分かりません。

また、PUのアップグレードもされています。6月初旬にファクトリーが再開されて以来、時間と勝負をしながら、マシンのあらゆる面で努力を重ねてきました。

Hondaとの関係は2年目に入り、チーム内での一体感が増してきました。Hondaのデビューシーズンだった昨年は3勝を挙げましたが、今年はそれ以上を期待しています。彼らは私たちと同じ野心を持っています。オフシーズン中も懸命に開発を続け、もちろん今年はより高い目標を持って臨んでくれています。PUはマシンの重要な部分であり、Hondaは私たちが前進し、シリーズ制覇に挑戦するための重要なパートナーです」

マックス・フェルスタッペン
「こんなに長い間マシンに乗らなかったのは、カート時代を含めても初めてのことです。幸い、自宅にはシミュレーターがあるのでロックダウンの期間中はそれを使っていました。多くの人にとって非常に困難な時なので、今はレースに復帰できるだけでうれしいです。

再びマシンに乗ってレースをできることがうれしいです。自由な時間がたくさんあったので、レースに向けてのトレーニングは、これまで以上に充実したものになっています。約6週間、トレーニングを行ってきて、オーストラリアに行く前よりも調子がよくなっていると感じています。今シーズン最初の2戦がホームで行われることもすばらしいことですし、特別な瞬間になることは間違いないです。

もちろん、応援してくれるファンがいないレッドブル・リンクは寂しく感じるでしょう。このサーキットにはいい思い出がたくさんあって、去年のレースの終盤に観客席を見上げたら、みんなが立ち上がって応援していて感動しました。優勝後にさらに多くの笑顔を見ることができたので、今年はそれがないのが残念です。家でテレビを見ている人たちのためにも、いいレースを見せられるように頑張りたいです。

RB16をドライブするのは久しぶりです。バルセロナでのテストではいいフィーリングでしたが、マシンには常に改善の余地があるものです。チームはレースに向けて一生懸命働いてくれているし、マシンのアップグレードもされています。けれど、それはすべてのチームにいえることですから、今のところどのチームが勝つかは分かりません。オーストリアの天候も変わりやすいので、それも結果に影響すると思います。僕はドライビングに集中して、マシンのパフォーマンスを最大限引き出すことに専念します。

今年の目標はチャンピオンです。このサーキットでの3連勝については意識していません。僕にとって最も重要なのは、速いマシンに乗り、自分のベストを尽くすことです。 ここが得意のコースだとも思っていません。去年は非常に暑い中で行われ、僕たちのエンジンは冷却面でアドバンテージがありました。だから今年は簡単なレースにならないと思っていますし、今回もメルセデスは非常に強いと思います。フェラーリの強さもわかりませんし、し烈な優勝争いになると思いますが頑張ります。

短い期間にレースが連続するので、レースの合間に自宅に戻ることができません。これは、特に家族を持つチームのメンバーにとっては大変なことだと思います。でも、僕はレースをすることが大好きなので、ストレスだとは思いません。

最初のレースの結果にもよりますが、レッドブル・リンクでレースが連続することは、移動がないという点でいいことだと思います。2戦目はどのチームも1戦目の経験があるので接戦になるでしょうが、1戦目で問題を抱えていたとしても、2戦目には新しいことを試すことができます。最初のレースで、マシンの情報を得ることができるのもいいです。通常の戦い方とは違うものになるでしょう。

2020年はチャンピオン争いができることを願っています。一つ確かなことは、僕らができることはすべてやって戦うということです。メルセデスは今までずっと絶対的な強さを誇るチームでした。勝つのは簡単ではないでしょうが、僕たちもチームとして、昨年の1年間で多くのことを学び、本当に強くなれたと思っています。今シーズンはいいレースができるはずです。差を縮める努力をしますし、うまくいけば、彼らに勝てるでしょう。

Hondaは冬の間にハードワークをしてきて、バルセロナでのテストではすべてが整っていました。トップスピードも十分に出ていたので、これまでの努力にとても満足しています。Hondaは非常にモチベーションが高く、タイトル争いをしたいという気持ちは、僕らと同じだと感じています」

アレクサンダー・アルボン
「個人的には、オーストラリアGPの突然の中止は非常に特異なものだったと思います。冬のテストに入って、マシンだけでなく、自分の精神的にもチーム全体としてもレースに臨む準備ができていました。すべてがレースに対して前向きになっていたと思います。

メルボルンでのフリー走行に向けて興奮した気持ちで、ホテルで眠れない夜を過ごし、翌朝の食事中に『帰りの飛行機を予約しました』と言われました。その時には、自分はなんのためにここまで来たのかと思いましたよ。

オーストリアでの開幕を待ちわびていました。シーズンの再開が決定し、楽しみです。ロックダウンのあと、ファクトリーに戻った初日は、休み明けの登校日のような気分でした。長い期間を経て、ようやくレースに復帰できるのはよかったです。

シーズンが中断されている間、イギリスに戻って最初にしたことは、チームとして状況を確認することでした。パドックで感染が起きていたので、チームは安全第一で自己隔離を行っていました。レースに向けてという意味では、あまりできることはありませんでした。

長い間家にいることになりましたが、自宅にはジムの器具がなかったので、ファクトリーのスタッフに集めてきてもらいました。トレーニングに必要なものはなんでもそろうようにして、健康面も問題ありませんでしたが、遊びに行くこともできずに毎日を過ごしていたので、集中力が落ち、モチベーションを維持するのは簡単ではありませんでした。

ホーナー代表から電話やメールで最新の情報を貰っていましたが、チームとしての動きはそのくらいでした。僕たちはアスリートなので、自分たちの仕事として、いつでもレースができるように準備をしていました。7歳の時にレースを始めて以来、こんなに長くレースから離れて過ごしたことはないので、ただただ異常な状況でした。

自宅では感じることのなかった、マシンに乗っているときのスピード感や、コースでラップを完ぺきに走って限界までプッシュする展開が恋しいです。フィルミングデーでは、「なんて速いんだ!」と改めて思いました。復帰できてうれしいです。

なにもないスケジュールから、今まで経験したことがないほど忙しいスケジュールになり、レースに関係する全員にとって、大変な日々になるでしょう。レースの雰囲気も違います。レースに欠かせない存在であるファンが会場にいないことも、その原因の一つです。毎週のようにレースが続くことは、チーム全員にとって辛いことで、最初の数戦をしっかりとスタートすることが重要です。オーストラリアは直前で中止になり走ることができなかったので、どのチームもまずは情報を集めることになると思いますが、最初にレースのリズムに乗ったチームが勝てると思います。最初のレースで、可能な限りのエネルギーを持って臨めたチームが、そのあとも強いでしょう。

時間が空いたので、どんなドライバーであってもなにが起こるか分かりません。フィルミングデーでドライブすることができて、調子もよかったです。またレースができることがうれしいです。みんなこの日を待っていたんだと思います。長い間が空いてしまいましたが、みんなF1が好きだし恋しいんです。早くレースを始めたいです。

最初の2戦は同じレッドブル・リンクで開催されますが、それぞれが別のレースのように扱われ、それぞれにフリー走行日もあります。普段のレースと最も異なるのは2戦目になると思います。開幕戦と直接比較する絶好の機会ですし、通常の週末のレースではリスクが高くてできないことでも試せると思います。

同じサーキット、同じ気候で、いろいろなことを試すことができるので、どのチームも2戦目の予選ではリスクを顧みずに臨むでしょう。うまくいかなければ、開幕戦の仕様に戻せばいいんですから。

もし初戦でトップになったチームと差が大きければ、そのラップタイムを取り戻すのは難しいです。差が出る可能性は高いですし、僕たちのようなトップチームはデータを調べなければならないと思います。ドライバーとしての僕たちのフィードバックを最大限に活用し、開幕戦のあとの改善に集中する必要があります。

まだシーズンの途中までのレースしか確定していませんが、どのくらいレースをするのか、どんなサーキットに行くのか、分からないことがあるだけで、僕たちの仕事に変化はありません。毎週末に最大限の力を発揮することだけが仕事です。通常の週末と違って準備する時間が短く、シミュレーターができなかったり、同じサーキットで2回レースがあったり、行ったことのないコースでの開催もあると思いますが、これはいい機会だと思います。

柔軟性に富んでいることがいいチームやドライバーの条件だと思いますし、マシンとコースをよく理解しているはずです。そこはチームとしてかなりうまくいっている部分だと思います。このチームは情報を整理して、マシンのスピードを上げることに長けています。きっといい結果になるでしょう。

レースが連続することによって、ドライバーの体力がパフォーマンスに影響することは間違いなくあると思います。最初の2戦は、コーナーが少なくて楽なサーキットですし、長いストレートの合間には息抜きの時間も多いので、それほどではないと思います。ハンガリー戦以降は、状況は変わると思います。それまでには、レースを重ねているので、スムーズにできるようになっている部分もあるはずです。ただ、レースは3週間連続しているので、休みはほとんどないでしょう。ハンガリーは体力が要るコースなので、影響が出るかもしれません。

どのチームが強いのかバルセロナの冬のテストでは、結論が出ていませんでした。この4カ月の休止期間があったことを考慮すると、余計に分かりません。新型コロナウイルスの影響でファクトリーの閉鎖があったので、チームにはそれほど時間がなかったと思います。

レッドブル・リンクは、コーナー数が少なく、マシンの性能を最大限に活用して差をつけることは難しいので、予選は拮抗すると思います。過去2年間のマックス(フェルスタッペン)の結果のように、レースではなにが起きるか分かりません。

タイヤを温存できますし、気温が高いのも普段通りなので、特別なことはないと思っています。冬のテストではマシンの感触もよかったですし、フィルミングデーでもすべてがいい状態になっていると思ったので、あとは走って確認するだけです。

レース再開にあたっての新型コロナウイルスの対策については、非常によく準備されているようです。かなり複雑になりそうですが、ファクトリーのスタッフは皆、すでに適応できています。僕はファクトリーにいましたが、チームの努力には目を見張るものがあります。このことは、安全につながります。僕たちは一緒にたくさんの国を回りますし、外部との接触を可能な限り避けた、小さな『バブル』の中にいることになります。僕たちは、常にすべてのことに気を配らなければいけません」

ピエール・ガスリー
「オーストラリアGPが中止になったあと、第2戦が行われるバーレーンへ移動する前にドバイに寄り、様子を見るために2~3日滞在しようと思っていました。しかし、イタリアの空港が閉鎖されて戻ることができず、フランスに戻って家族を危険にさらしたくないという気持ちもありました。そこで、トレーナーと共にドバイに滞在することを決断し、2カ月間の合宿を行いました。ドバイではヨーロッパ同様の規制が敷かれ、外出時にはマスクと手袋の着用が義務付けられていました。

結局、5月中旬にフランスに戻りましたが、その際ドバイの空港は人気がなく閑散としていて、フランスへの直行便が飛んでいなかったのでドイツのフランクフルトを経由せざるを得ませんでした。なにもかもが遅れ、電車にも乗り遅れてしまい、家に帰るために7時間も車を運転しました。それでも普段はなかなか会えない家族と時間を過ごせたのはよかったです。いつもは数日おきに飛行機に乗って移動するため、こんなに長い休みを取れません。10歳くらいの頃から、2カ月以上同じ場所で過ごしたことがなかったので。

ドバイでは60日中58日くらいはトレーニングをしていたので、肉体的には今までで最高の状態にあります。時々、友人とオンラインゲームをしたり、イタリア語を磨こうとオンラインレッスンを受けたりしていました。その他には船の免許を取るための勉強や、レーシングカート、ゴルフなどをしていました。フランスの自宅に戻ってからもカートは続けていましたし、バーチャルでF1やルマンのレースにも参加しました。とても楽しく充実した時間を過ごせました。もちろんチームとも連絡を取っており、毎週チーム代表のフランツ(トスト)やエンジニアと話していました。そしてようやく6月末のフィルミングデーにイモラ・サーキットでリアルなF1マシンをドライブすることができました。最初に2018年のマシンに乗り、次に今年のマシンをドライブしました。イモラで最後にレースをしたのは12年ですが、僕のお気に入りのサーキットです。その地でマシンを走らせることができて最高にハッピーでした。

レースの興奮、競り合い、スピードが恋しいです。レースが再開されるのは最高の気分です。これからは毎週のようにレースが行われるので忙しくなるでしょう。今はそのことにワクワクしていますよ。最初の数レースが無観客で行われるのは残念ですが、シーズンをできる限り早く、そして安全にスタートすることを優先したのだと思います。あと数カ月で事態が改善することを期待しています。安全面では万全の措置が取られるでしょう。移動や人との会話においては厳格に制限されていて、健康面ではしっかりと管理されています。一筋縄ではいきませんが、必要な予防措置はすべて講じています。我々ドライバーがマシンをドライブしている場面は今までと全く変わらないでしょう。しかし、その裏側ではさまざまな対応が行われているのです」

ダニール・クビアト
「メルボルンでのレースが中止になり、できるだけ早く帰国し、大変な時期を家で過ごしたいと思いました。帰るとすぐにロックダウンが始まったので、モナコの自宅で自主隔離生活を送りました。なにもせずにただ座っているのではなく、スポーツなど、なにかできることをやろうとしました。ある面ではそれほど悪い状況ではなかったでしょう。実際、いつもよりも少し多く眠ることができましたから。しかし、しばらくすると日々は単調なものになりました。F1から離れていた1年間を除き、最も長い期間、実際のレーシングカーをドライブしていません。

5月初旬にカートコースが再開すると、すぐに向かいました。うれしくてたくさん運転しました。ドライビングやレースの感覚を確認するのに役立ちましたし、楽しかったです。

ロックダウン中もエンジニアのマッティア(スピニ)とは連絡を取り合っていました。実は家に小さなシミュレーターがあり、彼とは何度か一緒に予選のシミュレーションをしました。iPadで彼と繋がって予選のセッションを行ったのですが、実際のサーキットを走っているかのように話しかけてくれました。それが僕たちにできる最善の方法でした。他のF1ドライバーの多くもシミュレーションレースをやっていたのを知っています。ただ、実際のマシンを運転しているようには感じられず、正直なところ僕には向いていませんでした。移動制限があるためイギリスへ行ってチームのシミュレーターを使うことができていませんが、2~3週後には状況は改善していると願っています。

実際のレースや今シーズンの展開については、レースごとに判断していくことになるでしょう。大会の運営側が安全だと判断した場所でレースをしていきます。大会の管理状況や運営カレンダーを信頼していますし、不測の事態が起こらないことを願っています。コース上でのマスクの着用について、先日のフィルミングデーでも同じような状況で作業を行いましたが、ヘイローが導入されたときのようにすぐに慣れると思います。あとは無観客レースにも慣れる必要があります。無人の観客席は奇妙に感じるでしょう。どんなスポーツでも観衆は大事ですから。

この状況をどう乗り切るかについてはなんともいえません。トラックデータは、冬のバルセロナのものしかありません。オーストリアのレッドブル・リンクに向けてしっかりと計画を立てて臨むことになるでしょう。レッドブル・リンクは好きなサーキットです。高速コーナーが多い伝統的なレイアウトで、ここでのレースは楽しいです。ダブルヘッダーなので、長い間サーキットにいることになるでしょう。田園地帯の素敵な場所で、新鮮な空気の中でトレーニングをすることができます」

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