ドイツGPの予選は、Honda PUを搭載したAston Martin Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペンが2番手、決勝のフロントローを獲得する素晴らしい結果となりました。予選2番手という結果は、Honda F1としては2006年以来となりました。
Aston Martin Red Bull Racingは土曜日の走行セッションでも力強さをみせ、ピエール・ガスリーも金曜日のアクシデントから見事に立て直し、自身の予選最高位となる4番手を獲得しました。
Red Bull Toro Rosso Hondaのアレクサンダー・アルボンはQ1での最後のアタック中にランド・ノリス選手(マクラーレン)の背後に引っかかり、思ったようにタイムを伸ばすことができず、残念ながらQ1敗退となってしまいました。チームメートのダニール・クビアトもQ2にて敗退となり、決勝14番グリッドを獲得しました。
2台のAston Martin Red Bull Racingがポールポジションをトップ10の中で争うことになり、フェラーリのマシンが信頼性の問題により走行ができなくなったため、ポールポジション争いはメルセデスとの対決となりました。
フェルスタッペンは最初のアタックラップにて決勝2番グリッドを決めるタイムをマークし、最後のアタックも最終セクター前まで自己ベストタイムを更新し続け速さを見せました。
ガスリーもポールポジション争いの中にいたものの、フェルスタッペンと0.067秒差につけていた周に最終コーナーでの四輪はみ出しによりタイム抹消となってしまいました。それでも、ガスリーは決勝4番グリッドを獲得。Aston Martin Red Bull Racingは日曜の決勝グリッドの2列目までに2台が位置するという予選結果となりました。
田辺豊治 | HONDA F1テクニカルディレクター
「今日はフェルスタッペン選手が2番手・フロントローを獲得、またガスリー選手はキャリア最高となる4番手を獲得し、レースに向けて非常に期待が持てる予選結果となりました。ただ、Q2でフェルスタッペン選手のPUモードを変更したところ、小さな問題が発生してしまったことについては、チームとドライバーに対して申し訳ないと感じています。また、Toro Rossoについてはアルボン選手がトラフィックの影響により不運にもQ1敗退となりました。明日のレースでは雨も予想されるので、そのような状況に対するシミュレーションも含め、チームとともに十分な準備を進めます」
アレクサンダー・アルボン
「最適なペースとは言えなかったかもしれませんが、今日の予選でQ2への進出は可能だったはずでした。17番グリッドよりも確実に速いペースで走れていたので、今日の予選結果が悔しくてたまりません。ノリス選手の約0.5秒後ろからアタックを開始しました。彼にブロックをされたわけではないのですが、最終セクターでみんなが追いついてしまうコースレイアウトなので、仕方のないことでした。ノリス選手のマシンのギアボックスがすぐそこに迫るほど接近したため、どうすることもできませんでした。こういった出来事は起こってしまうことであると思います。決勝レースでポジションを上げるポテンシャルは持っているはずなので、明日に向けて気持ちを切り替え決勝に挑みます」
ダニール・クビアト
「中団のタイム差はとても僅差でした。今日の予選はできる限りのことをやった結果だと思います。最終セクターで少しアウトに出てしまったことで0.1秒ほどロスしてしまいましたが、前方のマシンはわずか0.3秒差という接近した中での走行でした。しかし、今日のようなコースコンディションでは、ライバルとなるチームよりも力強さがなかったので、その原因を解明しなくてはなりません。大事なのは決勝レースであり、今日とは全く違う予報がされている天気が大きなカギとなりそうです。もし雨が降れば、今日の結果に関わらず混戦となる予感がしています。ポイント獲得のために、明日は最大限の力で戦います」
ピエール・ガスリー
「今日の予選では納得のいくラップが何周か走行でき、4番グリッド獲得という結果に満足しています。昨晩メカニックたちが遅くまでマシンの修復作業をしてくれたので、彼らに感謝するためにも、グリッド2列目獲得はとても喜ばしい結果となりました。昨日のアクシデントはプッシュしすぎて限界を超えてしまったのが原因でした。このような出来事は起こってしまうことですが、今日持ち直すことができよかったです。明日は雨の予報もあり、チャンスは多いにあると思います。僕にはまだ改善しなくてはならないことや、もっとうまくできたはずのこともありますが、いい方向に向かっていると感じています。今からは明日へと気持ちを切り替え、決勝レースでとにかく先へ進むことに集中しなくてはなりません。天気は予想がつかないものですが、雨が多く降る北フランス出身の僕にとっては慣れている環境です。マックスのレースペースを見ていると、明日は期待できるのではないかと思いますが、昨年のレースのように最後までなにが起こるか分かりません。チームが最大限にプッシュしてくれているおかげで大きく前進できていますし、オーストリアでのマックスの優勝はさらにチームへの追い風になりました。トップとの差はまだ少しありますが、近づいてきているので、チームとして大いに改善できていると感じています」
マックス・フェルスタッペン
「このサーキットでフロントローを獲得できたことは、僕たちチームそしてHondaにとって大きな進歩となりました。昨晩の作業でよりよいパフォーマンスを発揮できるよう改善することができ、最高の予選日となりました。今朝のFP3とQ1で走行した際のマシンの感触はとてもよく満足して走ることができました。Q2ではモード設定に問題があったため、ミディアムタイヤでアタックできなかったことは残念ですが、ピットですぐにセッティング修正を行うことができました。もちろん、本来であればポールポジション争いをするはずだったフェラーリの2台が、トラブルにより走れなかったことも大きかったとは思います。しかしフロントロー獲得のためには、どの瞬間もその場にいて最大限戦うことが必要です。(スタート時のタイヤがソフトのため)明日の決勝はメルセデスとは違う作戦で戦う予定です。計画とは異なりますが十分に戦えると感じているので、スタートでソフトタイヤがどのように活かせるかがカギとなりそうです。今日の予選は接戦で、決勝レースに強いマシンを準備できているのでチャンスはあると思います。明日の天候はまだ読めませんが、雨が降ればレースはおもしろくなるかもしれません。明日の決勝レースですべてを発揮して戦えるよう挑みます」
順位 | No. | ドライバー | チーム | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 16 | シャルル・ルクレール | Ferrari | 1'12.380 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Aston Martin Red Bull Racing | +0.168 |
3 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | +0.264 |
4 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | +0.510 |
5 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | +0.513 |
6 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | +0.585 |
7 | 55 | カルロス・サインツJr. | McLaren | +0.920 |
8 | 10 | ピエール・ガスリー | Aston Martin Red Bull Racing | +0.944 |
9 | 7 | キミ・ライコネン | Alfa Romeo | +0.971 |
10 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | +0.998 |
11 | 11 | セルジオ・ペレス | Racing Point | +1.096 |
12 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | +1.116 |
13 | 23 | アレクサンダー・アルボン | Red Bull Toro Rosso Honda | +1.174 |
14 | 4 | ランド・ノリス | McLaren | +1.176 |
15 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | Alfa Romeo | +1.291 |
16 | 18 | ランス・ストロール | Racing Point | +1.292 |
17 | 26 | ダニール・クビアト | Red Bull Toro Rosso Honda | +1.387 |
18 | 3 | ダニエル・リカルド | Renault | +1.436 |
19 | 88 | ロバート・クビサ | Williams | +3.160 |
20 | 63 | ジョージ・ラッセル | Williams | +3.444 |
順位 | No. | ドライバー | チーム | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 1'12.852 | 1'12.149 | 1'11.767 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Aston Martin Red Bull Racing | 1'12.593 | 1'12.427 | 1'12.113 |
3 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 1'13.075 | 1'12.424 | 1'12.129 |
4 | 10 | ピエール・ガスリー | Aston Martin Red Bull Racing | 1'12.991 | 1'12.385 | 1'12.522 |
5 | 7 | キミ・ライコネン | Alfa Romeo | 1'13.066 | 1'12.519 | 1'12.538 |
6 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 1'13.146 | 1'12.769 | 1'12.851 |
7 | 55 | カルロス・サインツJr. | McLaren | 1'13.221 | 1'12.632 | 1'12.897 |
8 | 11 | セルジオ・ペレス | Racing Point | 1'13.194 | 1'12.776 | 1'13.065 |
9 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 1'13.186 | 1'12.766 | 1'13.126 |
10 | 16 | シャルル・ルクレール | Ferrari | 1'12.229 | 1'12.344 | |
11 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | Alfa Romeo | 1'13.170 | 1'12.786 | |
12 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 1'13.103 | 1'12.789 | |
13 | 3 | ダニエル・リカルド | Renault | 1'13.131 | 1'12.799 | |
14 | 26 | ダニール・クビアト | Red Bull Toro Rosso Honda | 1'13.278 | 1'13.135 | |
15 | 18 | ランス・ストロール | Racing Point | 1'13.256 | 1'13.450 | |
16 | 4 | ランド・ノリス | McLaren | 1'13.333 | ||
17 | 23 | アレクサンダー・アルボン | Red Bull Toro Rosso Honda | 1'13.461 | ||
18 | 63 | ジョージ・ラッセル | Williams | 1'14.721 | ||
19 | 88 | ロバート・クビサ | Williams | 1'14.839 | ||
NC | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | DNS |