Round 07カナダGP
決勝
2018.06.10(日)
第7戦カナダGPは、快晴の下、午後2時10分から決勝レースが行われました。気温は19℃、路面温度は41℃の好コンディションでした。
予選12番手のブレンドン・ハートレーは、6列目からのスタート。また、チームは決勝に向けて、ピエール・ガスリー車のPU交換を行いました。これは年間規定数を超えるPUの各構成要素の交換。そのため、グリッドダウンのペナルティーが適用され、ガスリーは19番グリッドからのスタートとなりました。Red Bull Toro Rosso Hondaの2台は、共に新品のハイパーソフトタイヤでスタートしました。
スタート後の1、2コーナーでポジションを落としたハートレーは、ターン5で他車との接触によりクラッシュしリタイア。このクラッシュによってセーフティカーが導入されました。
ガスリーはこの混乱を切り抜け、15番手に浮上。4周目にレースが再開されると前車をパスし、9周目には12番手にポジションを上げています。その後、上位車のピットインなどで、19周目に7番手を走行していたガスリーは、タイヤ交換を23周終了まで引き伸ばしました。スーパソフトタイヤに替えて13番手でレースに戻ったガスリーは、入賞を目指して追い上げます。レースは終盤まで大きな順位の変動がない状態となりましたが、41周目に上位車がリタイアし12番手、49周目に上位車がピットインし、11番手とポジションアップ。入賞目前まで迫ります。レース終盤はフレッシュなタイヤを履いた後続から迫られましたが、そのポジションを守りきってガスリーはスタートから8つポジションを上げ、11位でフィニッシュしました。
Hondaとしては、FP3でガスリーのマシンに発生したPUトラブルの原因究明と対策、今回投入した新スペックのPUのデータ分析を進めます。
次回、ガスリーのホームレースとなる第8戦フランスGPは、マルセイユ郊外のポール・リカール・サーキットで6月22日~24日に行われます。
田辺豊治 | Honda F1テクニカルディレクター
「今回のカナダGPはポジティブとネガティブの両面があったレースでした。我々が今回から持ち込んだPUのアップデートは、パフォーマンスの向上につながっていたと考えています。一方で土曜にガスリー選手のPUに信頼性の問題が発生してしまったことと、ハートレー選手が今日のレースで開始早々にクラッシュに巻き込まれてしまったことは非常に残念でした。そんな中でも後方からスタートしたガスリー選手がポイント圏内まであと一歩のところまできたことは、チームにとって心強い結果になりました。次は彼のホームグランプリであるフランスGPですので、チーム一丸となり、いいレースをみせられたらと思います」
フランツ・トスト | Scuderia Toro Rossoチーム代表
「このレースウイークは私たちにとってなかなか上手くいかない週末でした。予選でピエールのPUを交換することとなり、その結果彼は後方グリッドからの決勝スタートとなってしまいました。ピエールはとてもいいパフォーマンスをこのレースでみせてくれましたが、11位フィニッシュとあと一歩のところでポイント獲得には至らず残念です。ブレンドンは、レース開始後1周目にストロール選手の接触によって壁にクラッシュし、リタイアを余儀なくされてしまいました。彼がこのレースウィークをいいかたちで始められていただけに、とても悔しく思っています。私たちは、今日のレースでみせた以上のパフォーマンスをまだまだ発揮できるはずです。次週のフランスGPではさらなるパフォーマンスと結果をみせる自信があるので、次戦を楽しみにしています」
ピエール・ガスリー
「トータルで見れば僕にとってはいいレースになったと思います。後方グリッドからのスタートでしたが、多くのポジションアップを果たすことができました。しかし、あと一歩のところでポイント獲得とならなかったのは悔しいく思っています。ルクレール選手(Sauber)と何度かバトルを繰り広げましたが、フロントタイヤを痛めてしまったせいでオーバーテイクには至りませんでした。新しいPUの調子はよさそうです。ストレートで何台かオーバーテイクできたので、今後のレースでは、さらに期待できそうです。HondaはこのカナダGPでアップグレードを投入するために懸命に開発を続けてくれていましたし、レースでもよく機能していました! 改めて自分たちの戦力の分析を行い、安定した速さを身につける必要があると思います。次戦は僕の故郷フランスのポール・リカール・サーキットで行われるレースなので、とても楽しみにしています」
ブレンドン・ハートレー
「このレースウイークは新しいPUにいい手応えを感じていた分、Toro RossoとHondaにとって残念な週末となってしまいました。今日のレースではポイント圏内を狙えるはずでした。周囲のマシンとともにいいスタートを切ることができましたが、2コーナーで少しアウトにはらんでしまい、ポジションを落としてしまいました。4コーナーでアウトからストロール選手(Williams)をオーバーテイクしようとしたところ、彼がマシンのコントロールを失ってしまい2台でクラッシュしてしまいました。オーバーテイクできるはずのコース状況でしたし、いいレースができると思っていただけに、この結果となったことはとても残念です。この週末の自分のパフォーマンスには満足していましたし、カナダGPをこのようなかたちで終えてしまったことは悔しくてなりません。念のために病院で検査を受けたため、サーキットに戻って来るのが遅くなりました。身体には全く問題ないので、万全に次のレースを迎える準備をしたいと思います」
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 68 | 1:28'31.377 |
2 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 68 | +7.376 |
3 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 68 | +8.360 |
4 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 68 | +20.892 |
5 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 68 | +21.559 |
6 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 68 | +27.184 |
7 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 67 | +1Lap |
8 | 55 | カルロス・サインツ | Renault | 67 | +1Lap |
9 | 31 | エステバン・オコン | Force India | 67 | +1Lap |
10 | 16 | シャルル・ルクレール | Sauber | 67 | +1Lap |
11 | 10 | ピエール・ガスリー | Red Bull Toro Rosso Honda | 67 | +1Lap |
12 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 67 | +1Lap |
13 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 67 | +1Lap |
14 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 67 | +1Lap |
15 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 66 | +2Laps |
16 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren | 66 | +2Laps |
17 | 35 | セルゲイ・シロトキン | Williams | 66 | +2Laps |
NC | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren | 40 | DNF |
NC | 28 | ブレンドン・ハートレー | Red Bull Toro Rosso Honda | 0 | DNF |
NC | 18 | ランス・ストロール | Williams | 0 | DNF |