ROUND20

アブダビアブダビ ヤス・マリーナ・サーキット 2017.11.26(日)

2017 ABU DHABI GRAND PRIX - 決勝

2017 ABU DHABI GRAND PRIX - 決勝

「お互いの今後の成功を祈る」

#AbuDhabiGP

ヤス・マリーナ・サーキット、11月26日(日)

McLaren-Hondaとして臨んだ最終戦アブダビGPは、ハードな戦いとなったものの、チームは価値ある結果を残しました。

両ドライバーとも力強いスタートを切ったものの、ストフェル・バンドーンは1コーナーでほかのマシンに押し込まれて行き場を失い、1周目でポジションを2つ落としました。一方、フェルナンド・アロンソは、前方を走る10番手のフェリペ・マッサ選手(Williams)との差を詰めるために懸命な走りを展開。チームの戦略が完ぺきに機能したおかげで、さらに追い上げを図り、マッサ選手のすぐ後方につけました。その後、何周にもわたってマッサ選手とフェアで見ごたえのあるバトルを展開したあと、バックストレートで見事なオーバーテイクに成功。そこでワールドチャンピオンシップポイント1点に手が届いたアロンソは、その後、カルロス・サインツ選手(Renault)がリタイアしたことで9位入賞を果たし、最終的に2点の獲得となりました。

チームは、レース開始直後にバンドーンのマシンに深刻なダメージを検知しました。それによって、バンドーンのレースは序盤から非常に厳しいものとなり、全体を通してマシンに細心の注意を払いながら走行しなければなりませんでした。マシンのダメージの確認、およびハンドリングの改善のためにバランス設定の変更を行うため、チームはバンドーンを予定よりも早い12周目でピットストップさせることにしました。それが奏功し、レース中盤にはマシンに対する感触が若干改善したとバンドーンから無線があったものの、問題を完全に解決するには至らず、以降は後方の5台のマシンに追い抜かれないよう懸命に走行を続けるのみになりました。

今日は比較的アクシデントの少ないレースとなりました。そして、このアブダビGPをもってMcLaren-Hondaの厳しい一年が終了します。我々は今季最終戦で貴重なチャンピオンシップポイント2点を獲得し、2017年をいいかたちで締めくくることができます。

コメント

フェルナンド・アロンソ

#FA14 MCL32-05
スタート 11番手
レース結果 9位
ファステストラップ 1分41.669秒 54周(トップとの差 +1.019秒、4番手)
ピットストップ 1回:21周目(ピットストップ時間 3.67秒)[オプション→プライム]

フェルナンド・アロンソ「今日は大事なレースでした。McLaren-Hondaとしての最終戦でしたし、いいかたちでレースを終えたいと思っていました。自分たちのポジションからはそれほどエキサイティングな内容ではなかったものの、前を走るマッサ選手および後方のサインツ選手といいバトルを展開できました。マッサ選手に対してアンダーカットをする戦略が奏功し、オーバーテイクには成功しましたが、その後はペースが上がらず、大半は単独で走行する結果となりました。それでも、好スタートといい戦略で堅実なレースをし、2ポイントを獲得したので、今日の結果には満足しています。

今年は厳しいシーズンでしたし、ここ3年間は困難な道のりでしたが、我々のプロジェクトについては今も誇りに思っています。結果を出すことができず、期待に応えられなかったものの、チームのみんなが非常に懸命に仕事をしてくれました。

McLarenとHondaは、これから別々の道を歩みます。Hondaの今後の成功を祈るとともに、McLaren-Renaultプロジェクトの幸運を祈ります。McLarenとHondaの双方にとって、新たなステージの始まりです」

ストフェル・バンドーン

#SV2 MCL32-04
スタート 13番手
レース結果 12位
ファステストラップ 1分43.986秒 50周目(トップとの差 +3.336秒、20番手)
ピットストップ 1回:12周目(ピットストップ時間 2.61秒)[オプション→プライム]

ストフェル・バンドーン「マシンにダメージが発生している状態だったので、レースは難しいかたちでのスタートとなりました。苦しい状況でしたし、マシンの一部にかなりの違和感があり、まるでラリーカーを運転しているような気分でした! マシンにはグリップが全くなく、滑るばかりで、大きな問題を抱えているように感じました。従って、最初から非常に厳しいレースだったと思います。第1スティントではいい感触がなく、問題を確認するべくピットストップを予定より早めに実施したものの、それ以降も苦しい状況は続きました。その後、徐々にすべてが少し改善し、ポジションを少し上げたものの、マシンに対する感触はよくならず、本来のスピードからはほど遠いペースでした。なにが問題だったのかを、これから確認する必要があります。

今日チェッカーフラッグを受けて、今季を無事終了したことについては、うれしく思っています。今日は完走を目指して自分たちの実力を最大限に出しきったと思いますし、あの状況では後続の複数のマシンから自分のポジションを守ることぐらいしかできなかったと感じています。

浮き沈みの激しいシーズンでしたし、自分たちが望むような結果は出せませんでした。技術的な不具合が多発し、グリッド降格ペナルティーも多かったことから、パフォーマンスとコース上での走行時間が大幅に不足していました。一年が幕を閉じることをうれしく思うとともに、来シーズンに新たなスタートを切ることを楽しみにしています。私たちは来年に向けてやる気に満ちています。やるべきことは多々ありますが、新たなチャレンジを楽しみにしています」

THE MANAGEMENT

エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
エリック・ブーリエ「今日は今季最終戦で2台そろって完走させるために、チーム全員が懸命に仕事をしました。オーバーテイクが難しいとされるサーキットで、両ドライバーが見事な走りをみせ、結果として2ポイントを獲得できたことは、全員の努力のたまものです。フェルナンドはポイント獲得のために、いつもの独自のスタイルでレースを走り抜け、最終ラップまであきらめずにプッシュしました。フェルナンドと彼のエンジニアおよびメカニックのメンバーは、ピットストップの際にフェルナンドがマッサ選手との差を詰められるようにし、最終的にはバックストレートでマッサ選手に対する見事なオーバーテイクを成功させるという、すばらしい仕事をしました。

一方のストフェルは、非常に厳しいレースとなったものの、序盤から深刻なハンドリングの問題を抱えながらも、自分のポジションを死守して12位で完走するという見事な仕事をしてくれました。問題の原因はまだ分かっていませんが、データを見る限りダウンフォースが大幅に不足しており、それによってマシンがドライブできない状態になっていました。それでもストフェルは、レース中に後続の5台のマシンから自分のポジションを守るだけではなく、マシンを無事完走させるという、すばらしいパフォーマンスを披露しました。チームは予定より早く行ったピットストップの際に、マシンのバランスを調節して状況を改善しようとしたものの、結局ストフェルは、高温の中で長時間行われたレースで、常に難しいハンドリングを強いられる結果となりました。それでも彼は細心の注意を払いながらマシンを操り、無事完走しました。

まずここで、McLaren-Hondaのメンバー全員に感謝の意を述べたいと思います。チームのための一人ひとりの仕事に対する姿勢、意欲や情熱は、ライバルチームに負けないものがあったと確信しています。チームを今の姿に進化させるために全力を尽くし、どんなに困難な状況でも決して戦うことを止めない、彼らの揺るぎないスピリットを誇りに思います。また、すばらしいファンの皆さんにも、その忠誠心と変わらぬサポートに心から感謝を申し上げます。この一年間、常に応援をしてくださったことに対して、感謝の意を述べたいと思います。それから、シーズンを通して私たちを信頼し、熱意を注いでくださったパートナーの方々にもお礼を申し上げます。近い将来、我々にとって新しくエキサイティングな時代がやってくることを全員が楽しみにしています。

最後にMcLarenを代表して、Hondaに対しても心から感謝を申し上げます。常に学び、開発および改善を行うために、我々と一緒にとても精力的に仕事をしてくれました。非常に厳しいシーズンとなったことはだれも否定できないものの、McLaren-Hondaにとしての最終戦を迎えたアブダビでは、これまでで最も強力な関係を築き、お互いにリスペクトを示すことができました。これまでの3年間は山あり谷ありの道のりでしたが、後悔は一切ありません。McLarenとHondaがそれぞれの歴史において新たな門出を迎えるにあたり、McLaren-Hondaのメンバー全員がお互いの幸運を祈っています」

長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
長谷川 祐介「2017年、そしてMcLaren-Hondaとしての最後のレースとなった今日のアブダビGPの決勝は、チームの全員にとって感慨深いものでしたが、今出せる実力を出しきり、2台ともが完走した上でポイント獲得というかたちで締めくくれたことは本当によかったと思います。

フェルナンドはいいスタートを決めたあと、前を走るマッサ選手を果敢に追い立て、ピット戦略も活用しながらオーバーテイクを決めるなど、すばらしいパフォーマンスをみせてくれました。

ポイント獲得には至りませんでしたが、ストフェルも最後までプッシュした走りをみせてくれました。改めて、両ドライバーともにシーズンを通して、どんなときもあきらめない走りをみせてくれたことを誇りに思います。

PU(パワーユニット)としては、シーズン開始時は難しいスタートであったものの、終盤に来て安定した走りを披露できるようになっており、ここまでリカバリーできたという点は、一つの結果として前向きに捉えています。

この3年間は間違いなく、非常に難しくチャレンジングなシーズンではありましたが、いつでもすばらしい仕事をしてくれたドライバー並びにチームメンバーや関係者に対して感謝を、McLaren-Hondaを応援してくれたすべてのファンの皆さん、そしてMcLarenに対して、感謝を申し上げます。

我々はここから2018年シーズンに向けた開発に集中していくことになりますが、いいかたちでウインターテストを迎えられるよう、冬季の開発に全力で取り組みます。

最後になりますが、来年からは我々のライバルとなるMcLarenに対し、彼らのさらなる成功を願っています」

決勝

順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム/差
177バルテッリ・ボッタス Mercedes551:34'14.062
244ルイス・ハミルトン Mercedes55+3.899
35セバスチャン・ベッテル Ferrari55+19.330
47キミ・ライコネン Ferrari55+45.386
533マックス・フェルスタッペン Red Bull55+46.269
627ニコ・ヒュルケンベルグ Renault55+85.713
711セルジオ・ペレス Force India55+92.062
831エステバン・オコン Force India55+98.911
914フェルナンド・アロンソ McLaren-Honda54+1Lap
1019フェリペ・マッサ Williams54+1Lap
118ロマン・グロージャン Haas54+1Lap
122ストフェル・バンドーン McLaren-Honda54+1Lap
1320ケビン・マグヌッセン Haas54+1Lap
1494パスカル・ウェーレイン Sauber54+1Lap
1528ブレンドン・ハートレイ Toro Rosso54+1Lap
1610ピエール・ガスリーToro Rosso54+1Lap
179マーカス・エリクソン Sauber54+1Lap
1818ランス・ストロール Williams54+1Lap
NC55カルロス・サインツ Renault31DNF
NC3ダニエル・リカルド Red Bull20DNF

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フェルナンド・アロンソ

フェルナンド・アロンソ

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ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

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