ROUND18

メキシコメキシコ アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス 2017.10.29(日)

2017 MEXICO GRAND PRIX - 決勝

2017 MEXICO GRAND PRIX - 決勝

「マシンの高いポテンシャル」

#MexicoGP

アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス、10月29日(日)

本日行われたメキシコGPでは、グリッド最後尾からスタートした両ドライバーが難しい状況下ですばらしい走りをみせ、厳しいレースの中で激しいバトルを展開しました。

19番グリッドのストフェル・バンドーンは見事なスタートを切り、1周目の最後には13番手に浮上。一方、18番グリッドからスタートしたフェルナンド・アロンソは、2周目の最後にはバンドーンのすぐ後ろの14番手につけました。5周目までにバンドーンは10番手、アロンソはロマン・グロージャン選手(Haas)の後方の12番手までポジションを上げました。アロンソとグロージャン選手は力強いバトルを展開。その中でグロージャン選手は、コースオフした際にアドバンテージを得たことからあとにペナルティーを受けたものの、アロンソはグロージャン選手をオーバーテイクし、チームメートのすぐ後ろの11番手に浮上しました。

その後、バンドーンとアロンソはマーカス・エリクソン選手(Sauber)の後方で数周引っかかり、ストレートに続くコーナーで追い抜くチャンスを狙いながらも、エリクソン選手のマシンに十分に近づくことができませんでした。18周目にはアロンソがバンドーンの前に出て、エリクソン選手を追い抜こうとしたものの、オーバーテイクが難しいことで知られるサーキットでは、アロンソも苦戦を強いられました。

30周目にブレンドン・ハートレイ選手(Toro Rosso)がリタイアし、バーチャルセーフティカーが導入されたものの、そのタイミングが少し遅かったために、McLaren-Hondaのピットでコミュニケーションのミスが発生。バンドーンへのピットストップの指示が遅れ、ピット作業でも遅れが生じたため、そこで5秒以上の時間をロスし、バンドーンはコース上でフェリペ・マッサ選手(Williams)にポジションを明け渡す結果となりました。11番手に下がったバンドーンは、52周目にはチャンピオンシップをかけて戦っていたルイス・ハミルトン選手(Mercedes)と短いバトルをしたのち、12番手までポジションを落としました。レース終盤には15周と長きにわたってマッサ選手との接近戦を繰り広げたものの、オーバーテイクをするには至らず、バンドーンは12位で完走しました。

一方、アロンソはセバスチャン・ベッテル選手(Ferrari)と果敢なバトルを展開。最終的にはベッテル選手にポジションを奪われたものの、バンドーンよりも1周あとの32周目でピットストップした際には8番手につけました。ピットストップの際に、さらに1つだけポジションを失いましたが、その後、アロンソは前方のケビン・マグヌッセン選手(Haas)を追いかけ、8秒以上あったタイム差を短縮。マグヌッセン選手のすぐ後ろで長い間走行しました。2人は34周にわたってバトルを展開したものの、最終的にアロンソはマグヌッセン選手を追い抜くことができませんでした。レース終盤にはハミルトン選手との接近戦を繰り広げ、残り4周の時点でポジションを譲るまでは、グランドスタンドで観戦するファンを魅了しました。最終的にアロンソは10位入賞となり、見事な走りに報いる1ポイントを獲得しました。

コメント

フェルナンド・アロンソ

#FA14 MCL32-05
スタート 18番手(PU交換による20グリッド降格ペナルティーを受ける)
レース結果 10位
ファステストラップ 1分21.014秒 50周目(トップとの差 +2.229秒、11番手)
ピットストップ 1回:32周目(ピットストップ時間 3.20秒)[プライム→オプション]

フェルナンド・アロンソ 「グリッド後方からスタートしたことを考えると、全体的にはいいレースでしたし、ポイント圏内で完走することができました。今週末は、マシンに対して非常にいい手応えを感じており、コーナーでは力強さがありました。レース全体を通して、ハンドリングとバランスもよかったです。

ストレートでアタックを仕掛けたり、ディフェンスをしたりする際のスピードが少し不足しているので、レースの半分はSauberのマシンの後ろで引っかかり、その後も何周にもわたってマグヌッセン選手を追い抜くことができませんでした。マグヌッセン選手の後方でDRSの作動範囲から外れると、すぐに無防備な状態になりました。ですから、ハミルトン選手を後方に抑えることはできなかったと思っています。

懸命に戦い、ブレーキを毎回少し遅いタイミングで踏み、自分のポジションを守ろうとしたものの、9番手のポジションを死守できず、1ポイントを失いました。いいバトルでしたが、(ハミルトン選手と)同じマシンではないので、難しかったです。

次はブラジル戦です。次戦でもまたポイントを獲得したいと思います」

ストフェル・バンドーン

MCL32-01
スタート 19番手 (PU交換による35グリッド降格ペナルティーを受ける)
レース結果 12位
ファステストラップ 1分20.972秒 66周目(トップとの差 +2.187秒、10番手)

ストフェル・バンドーン「今日はすばらしいスタートを切り、1周目の最後には13番手に浮上しました。ただ、ストレートでのスピード不足を思い知らされました。Sauberのマシンを後方に留めることさえできず、その後もほとんどオーバーテイクができず、劣勢でした。それでも前方にマシンがいないときのペースは非常によかったですし、マシンに対する感触も良好でした。今日は最後尾からスタートしたので、厳しいレースになることは分かっていました。

レース終盤には数台のマシンが接近した状態で走行していたので、とてもエキサイティングでした。ただストレートでのスピードは、やはり不十分でしたし、難しいレースでした。今日は入賞の可能性があったと思いますが、スピード不足に加えて、バーチャルセーフティカーの導入が遅れたことによるピットストップでの時間のロスがあり、思うような展開にはなりませんでした。ポジティブな点は、とても力強いペースがあり、完走したことです。ただ、ストレートでは今もかなりのスピードが不足しています。

今日、チャンピオンに輝いたハミルトン選手に対して、お祝いの言葉を述べたいと思います。今季は力強い戦いを繰り広げていましたし、偉大な功績です」

THE MANAGEMENT

エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
エリック・ブーリエ「今日は、両ドライバーにとって非常に厳しいレースでした。それでも、難易度が高いことで知られ、パワーの差が浮き彫りになる複雑なコースレイアウト、オーバーテイクはほぼ不可能とされているサーキットで、さまざまな制約がありながらも、2人のドライバーが見事な走りをしてくれました。

フェルナンドもストフェルも力強いペースをみせ、何度も惜しいオーバーテイクを試みたものの、懸命な努力に対する報いを得ることはほとんどありませんでした。ただマシンのポテンシャルがあること確かです。両ドライバーは、18番および19番グリッドからすばらしいスタートを切りました。結局、10位と12位という結果から1ポイントしか獲得できず、マシンのポテンシャルを十分に示せなかったことは、フラストレーションが溜まります。両ドライバーは毎戦困難な状況に立ち向かっていますが、2人とも今日のコース上での自分たちのパフォーマンスを誇りに思うべきです。我々よりもパワーのあるライバルチームのマシンに対して戦いを挑む姿をみて、うれしく思いました。

今回のメキシコ戦で得たポジティブな点は、標高が高いことに起因する技術的な難しさや冷却の問題があったにもかかわらず、2台そろってレースを完走したことです。我々はここから次戦が開催されるブラジルに向かいます。次戦のサーキットは、今回よりも自分たちのマシンに適しているはずです。来年に向けて開発を継続する中で、車体をさらに改善するために懸命にプッシュします。

また、今日4度目のチャンピオンに輝いた、元チームメートのハミルトン選手に対して、お祝いの言葉を述べたいと思います。今日のようなレースを今後さらにF1で展開できればと思いますし、来年ハミルトン選手とコース上でエキサイティングなバトルを繰り広げるのを楽しみにしています」

長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
長谷川 祐介「今日は2台ともに最後尾からのスタートだったにもかかわらず、苦戦が予想されたここメキシコでポイント獲得に至ったことはすばらしかったと思います。

フェルナンド、ストフェルともにすばらしいスタートを決めて、終始入賞圏内に近いところでの戦いを続けてくれました。

特に初日からマシンにいい感触を得ていたフェルナンドは、最後まで熱いレースをみせてくれました。18番手からスタートしての10位という成績は賞賛に値します。

ストフェルもスタートから大きくポジションを上げましたが、惜しくも12位と、ポイント獲得には至りませんでした。

我々のPUについては、薄い空気や高気温に苦しんだ部分はありましたが、このタフなコンディションで問題を起こすことなく完走できたこと、そして長いストレートがある中でもポイントを争うだけのスピードをみせられたことは前向きに捉えています。

チームの的確なタイヤ戦略も奏功していましたし、今日はチームの全員がすばらしいレースをしました。

McLaren-Hondaとしては残すところあと2戦になりましたが、今日のような熱いレースが披露できるよう最後まで全力で臨みます」

決勝

順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム/差
133マックス・フェルスタッペン Red Bull711:36'26.552
277バルテッリ・ボッタス Mercedes71+19.678
37キミ・ライコネン Ferrari71+54.007
45セバスチャン・ベッテル Ferrari71+70.078
531エステバン・オコン Force India70+1Lap
618ランス・ストロール Williams70+1Lap
711セルジオ・ペレス Force India70+1Lap
820ケビン・マグヌッセン Haas70+1Lap
944ルイス・ハミルトン Mercedes70+1Lap
1014フェルナンド・アロンソ McLaren-Honda70+1Lap
1119フェリペ・マッサ Williams70+1Lap
122ストフェル・バンドーン McLaren-Honda70+1Lap
1310ピエール・ガスリーToro Rosso70+1Lap
1494パスカル・ウェーレイン Sauber69+2Laps
158ロマン・グロージャン Haas69+2Laps
NC55カルロス・サインツ Renault59DNF
NC9マーカス・エリクソン Sauber55DNF
NC28ブレンドン・ハートレイ Toro Rosso30DNF
NC27ニコ・ヒュルケンベルグ Renault24DNF
NC3ダニエル・リカルド Red Bull5DNF

フォトギャラリー

フェルナンド・アロンソ

フェルナンド・アロンソ

フェルナンド・アロンソ

ストフェル・バンドーン

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