ROUND13

イタリアイタリア モンツァ・サーキット 2017.09.03(日)

2017 ITALIAN GRAND PRIX - 決勝

2017 ITALIAN GRAND PRIX - 決勝

「非常に残念な結末」

#ItalianGP

アウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァ、9月3日(日)

今日はモンツァにいるチームにとって、非常に残念な一日となりました。本日の決勝を迎える前夜に、ストフェル・バンドーンのMGU-Kに問題があることが発覚。パワーユニット(PU)内のMGU-Kのみを交換することは可能であったものの、その作業は非常に時間がかかり、パルクフェルメ(マシンの保管場所)での作業に制限があったことから、時間内に交換作業を完了することは不可能だと判断しました。そこで、チームはバンドーンのエンジン一式を交換することを選択。それにともない、新しいMGU-K、MGU-H、ICE(内燃機関)およびターボチャージャーを搭載したため、今日のレースで25グリッドの降格ペナルティーを受ける結果となりました。そのためバンドーンは、同じくPU交換により35グリッド降格ペナルティーを受けた19番手のフェルナンド・アロンソのすぐ前の、18番手からスタートしました。

両ドライバーは後方からすばらしいスタートを切り、すぐにポジションを上げました。ただアロンソは、ギアボックスセンサーの不具合によりシフトアップがスムーズにできず、それ以降はなかなかポジションを上げることができませんでした。アロンソはマシンに問題を抱えながらも、積極的に攻め、唯一のピットストップを行う前には11番手に浮上。しかしながら、ギアボックスの問題が徐々に悪化し、センサーの不具合によりチームがギアボックスの状態を確認できなくなったため、大事をとって51周目にマシンをリタイアさせることにしました。

一方のバンドーンは、1周目から力強い走りをみせ、カルロス・サインツ選手(Toro Rosso)に果敢なオーバーテイクをしかけ、着実にポジションを上げました。バンドーンはレースの大半でポイントを獲得できるトップ10圏内で走行を続け、19周目には7番手までポジションを上げました。しかしながら、新しいPUにおけるMGU-Kの不具合と思われる問題が再発したことでパワーを失い、力強いパフォーマンスによるポイント獲得のチャンスを逃すかたちとなりました。バンドーンは34周目でレースをリタイアしました。

コメント

フェルナンド・アロンソ

#FA14 MCL31-05
スタート 19番手
レース結果 DNF(※50周目にギアボックスの不具合が発生したためリタイア。ただし、17位完走扱い)
ファステストラップ 1分25.871秒 44周目(トップとの差 +2.510秒、13番手)
ピットストップ 1回:30周目(ピットストップ時間 3.17秒)[プライム→オプション]

フェルナンド・アロンソ「今日は私たちのオーナーがここで観戦していましたが、残念ながら、いい結果を出すことができませんでした。両マシンがリタイアとなったのは、非常に残念です。

レースの序盤からシフトアップに問題を抱えており、それによって、ある時点では1周につき約1秒という、かなりの時間をロスしていました。設定を変えて問題を解決しようとしたものの、シフトが正常に機能することはなく、レースを妨げる結果となりました。

このサーキットでグリッド後方からスタートするのは、容易ではありません。レース中にいくつかポジションを上げたものの、今日は入賞するチャンスはほとんどありませんでした。

次戦のシンガポールは、我々のマシンにここよりも適したコースなので、今から楽しみにしています」

ストフェル・バンドーン

#SV2 MCL31-04MCL32-04
スタート 18番手
レース結果 DNF(※33周目にPUの不具合が発生したためリタイア)
ファステストラップ 1分26.912秒 30周目(トップとの差 +3.551秒、19番手)
ピットストップ なし (リタイア)

ストフェル・バンドーン「走行中にパワーを失いましたが、リタイアした周回まで不具合の兆しはなにもありませんでした。昨日と同様の不具合だと思います。今日のレースに向けて、昨夜PUを新品に交換していたので、残念な結果です。当然のことながら、非常にうまく進んでいたレースで再び問題が発生したことは、フラストレーションがたまります。次のシンガポール戦では、状況が改善することを願っています。

今回のような週末からポジティブな点をみつけるのは、かなり困難です。自分のドライブとパフォーマンスという面では、実際にはとてもポジティブな週末でした。非常に力強い走りをみせることができたと思いますし、実際にここ数戦はとても力強いレースを展開してきました。結果として再びリタイアに終わりましたが、懸命にドライブをしたにもかかわらず、ポイントを獲得できずに終わったのはとても残念です。今日、また問題が発生してしまいましたが、気持ちを切り替えるしかありません。

今日、具体的になにが問題だったのかはまだ分かっていません。昨日と同様の不具合のようにみえますが、その問題により、シンガポールで再びグリッド降格ペナルティーを受ける可能性があると思います。それについては、成り行きを見守るしかありません」

THE MANAGEMENT

エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
エリック・ブーリエ「今季これまで何度もあったように、今日はドライバーが優れた才能を発揮し、午後のレースでは不利な状況ながらも前向きな結果が出せるかもしれないと期待していました。しかしながら、結局、今回も残念で不満を抱く結果となってしまいました。厳しい挑戦になることを予想していたコースで、両ドライバーはすばらしいスタートを切り、集団の中で可能な限り自分のポジションを死守しました。6周目の最後には、ストフェルとフェルナンドはそれぞれ13番手および14番手で走行しており、ほかのマシンがピットストップを行い始めると、徐々にポジションを上げました。

レース開始からわずか数周後には、フェルナンドはセンサーの不具合と思われるギアボックスの問題に苦しみ始めました。エンジニアはレース全体を通して懸命に仕事をし、ソフトウェアの修正により問題を解決しようとフェルナンドに指示を与えました。しかしながら、問題は徐々に悪化し、センサーの不具合によりギアボックスの状態を確認することがさらに難しくなったため、大事をとってマシンをリタイアさせるしかありませんでした。フェルナンドはレースの大半で劣勢となり、操りにくいマシンでペースと勢いを維持することは困難だと感じていました。そんな逆境でも、フェルナンドは見事で、かつ非常に果敢なレースをしました。彼が完走できなかったことは残念です。

一方、ストフェルも、残念なかたちでレースを終えました。彼は週末を通して最高のパフォーマンスを発揮し、午後のレースではその大半をトップ10圏内で走行していました。18番グリッドからスタートしながらも、一時は7番手まで浮上しました。しかしながら、PUの信頼性に関する問題が再発したことで、レースを8番手からスタートするチャンスを失っただけでなく、入賞を目指して懸命にポジションを上げていた努力が無駄になってしまいました。フラストレーションがたまるとともに、非常に残念な結果です。昨日のQ3と同様の不具合と思われる問題によって、走行中にパワーを失い、マシンをリタイアせざるを得ませんでした。

この最も難しいコースで戦うチャンスをつくるために非常に精力的に仕事をしてきたチーム全員にとって、とてもフラストレーションのたまる、残念なかたちでイタリアGPおよびヨーロッパラウンドを終える結果となりました」

長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
長谷川 祐介「昨日の雨から一転、イタリアらしい晴天の中で行われた決勝レースですが、我々にとっては残念なレースに終わりました。

予選を10番手で終えていたストフェルは、昨日の予選Q3の最後に発生したMGU-Kの問題により、今日の午前にPU交換を行いました。それによるペナルティーのため、フェルナンドと同様、グリッド後方からのスタートとなりました。レースではいいスタートを決め、その後も順位を上げてポイント圏内を走行する力強い走りをみせていましたが、途中でパワーを供給できずリタイアとなりました。原因については現在分析を行っています。

フェルナンドも後方からのスタートで徐々に順位を上げたものの、最終的にはギアボックスのトラブルの疑いが出てリタイアとなり、ポイント獲得には至りませんでした。

最終的にチームとしてノーポイントに終わったことは本当に残念ですが、厳しい週末を予想していたここモンツァで、初日からある程度の速さをみせられたことは前向きに捉えています。

次のシンガポールGPは我々にとって相性のいいサーキットですので、今度こそ確実にポイントを獲得できるよう、いい準備を進めていければと思います」

決勝

順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム/差
144ルイス・ハミルトン Mercedes531:15'32.312
277バルテッリ・ボッタス Mercedes53+4.471
35セバスチャン・ベッテル Ferrari53+36.317
43ダニエル・リカルド Red Bull53+40.335
57キミ・ライコネン Ferrari53+60.082
631エステバン・オコン Force India53+71.528
718ランス・ストロール Williams53+74.156
819フェリペ・マッサ Williams53+74.834
911セルジオ・ペレス Force India53+75.276
1033マックス・フェルスタッペン Red Bull52+1Lap
1120ケビン・マグヌッセン Haas52+1Lap
1226ダニール・クビアト Toro Rosso52+1Lap
1327ニコ・ヒュルケンベルグ Renault52+1Lap
1455カルロス・サインツ Toro Rosso52+1Lap
158ロマン・グロージャン Haas52+1Lap
1694パスカル・ウェーレイン Sauber51+2Laps
1714フェルナンド・アロンソ McLaren-Honda50DNF
189マーカス・エリクソン Sauber49DNF
NC2ストフェル・バンドーン McLaren-Honda33DNF
NC30ジョリオン・パーマー Renault29DNF

フォトギャラリー

フェルナンド・アロンソ

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

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