ROUND13
イタリア
モンツァ・サーキット
2017.09.02(土)
「チームとドライバーによる見事な仕事」
#ItalianGP
#McLarenLIVE
アウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァ、9月2日(土)
午前中にモンツァで行われたFP3は雨天となり、フリー走行というよりも、予選を前にマシンでコースの状況を確認するだけにとどまりました。 大雨による遅れが生じたため、予定終了時刻の15分前にようやくセッションが開始。それまではチームもドライバーも、コンディションを把握するためにコースに出て、最低1周は走行したいと思いながらも、コース上の雨水が引くのを待つしかありませんでした。
セッション開始後に、両ドライバーは状況確認のための走行を行いました。必要なインストールチェックの前に、フェルナンド・アロンソはウエットタイヤで1周、ストフェル・バンドーンは2周を走行したものの、いずれのドライバーもラップタイムの計測は行いませんでした。
予選を迎えるころには、雨は一層激しくなりました。予定通り午後2時にセッションが始まったものの、すぐに走行不可能なほどのウエットコンディションとなり、開始から5分後には赤旗が出されました。長い中断を挟んだあと、最終的に午後4時40分に予選が再開。その後は中断もなく3回のセッションを無事実施することができました。
Q1では、両ドライバーが完ぺきな走行プランを実行し、路面が乾き始めると、ウエットタイヤからインターミディエイトタイヤに履き替えました。バンドーンは10番手、アロンソは12番手に入り、2人そろってQ2に進出しました。
アロンソは、グリッド降格ペナルティーにより、今日の予選結果にかかわらず、決勝のスターティングポジションがすでに決まっているため、Q2では終了間際に一度のみの走行を行いました。アロンソは13番手でしたが、明日は最後尾からスタートします。一方のバンドーンは、コースのコンディションが変化した場合にそれを活かせるよう、それぞれ5周の長めのアタックを2回行い、最後にすばらしいラップを走行。Q3進出を果たしました。
Q3では、バンドーンが再度トラックの状況をうまく読み取り、ウエットタイヤで同セッション唯一となり得る走行を開始しました。Q2と同様に、コース上で走行を続け、コースのコンディションやポジションを活かす計画でした。雨脚が強まるにつれて、コース上のマシンが増えて混雑していたにもかかわらず、バンドーンはいいリズムで走行しました。ただ残念ながら、1回目より速いラップを走行している際にパワーを失い、そのままピットインを余儀なくされ、そこでセッションを終えるかたちになりました。バンドーンの予選結果は10番手でしたが、マックス・フェルスタッペン選手とダニエル・リカルド選手(ともにRed Bull)がペナルティーを受けるため、明日の決勝は8番手からスタートします。
FP3 | ‐ | タイムなし | 2周 | 予選 |
Q1 | 12番手 | 1分39.134秒 | (ウエットタイヤ) |
Q2 | 13番手(※) | 1分38.202秒 | (インターミディエイトタイヤ) |
「今日のマシンは、ドライコンディションと比べて特にウエットコンディションでは、すばらしかったです。いつもより競争力がありましたし、Q2に進出しました。もちろん、私はペナルティーにより決勝を最後尾からスタートすることが決まっているので、予選であまり無意味にプッシュしたくはありませんでした。そこでタイヤをセーブし、エンジンを低出力モードで使いましたが、それでもまずまずの予選でした。また、ストフェルのポジションを気にしながら、予選を進める必要もありました。私のマシンがQ3に進出しても意味がないからです!
今日は、チームプレイでスリップストリームを作り出す作戦を実施するするチャンスを失いました。ウエットコンディションのときは、視界が非常に悪いので、すぐ前にほかのマシンがいる状況は避けたいものです。この戦略は、今後のレース用にとっておきます。
今日はトップから5番手または6番手に入る可能性があったと思うので、明日も今日のようなコンディションになることを願っています。明日は晴れの予報とのことですが、自分のポジションからなにができるのか見てみましょう」
FP3 | ‐ | タイムなし | 4周 |
「モンツァのようなサーキットで我々がQ3に進出したということは、かなりいい予選だったということです。特に、今日はかなり難しいコンディションだったので、なおさらのことです。
今日の自分のパフォーマンスには、満足しています。残念ながら、Q3ではラップタイムを更新するチャンスを失いました。PUのパワーを失ったため、1回目よりも速いラップを中止しなければなりませんでした。今のところ、なにが問題だったのかは分かっていません。ポジションをさらに上げる可能性はあったと思うので、残念です。不具合がなければ、コース上で走行を続けながら、限界を探ったり、さらにリスクを負うこともできましたが、そのチャンスを失ってしまいました。
ほかのドライバーがペナルティーを受けるので、明日はトップ10圏内の8番手からのスタートになりそうです。これまでドライコンディションでは、力強い走りをみせています。明日はドライコンディションになるはずなので、好スタートを切って、前の集団についていく必要があります。速いマシンが前にも後ろにもいますが、スタート後にそれぞれが各ポジションに落ち着いたら、自分のポジションをキープできるようにしたいと思います。ポイントを確実に獲得できると思っていますし、バトルが期待できるレースを楽しみにしています」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「今日は大混乱の一日となりましたが、チームとドライバーが見事な仕事をしてくれていただけに、Q3でストフェルのすばらしいパフォーマンスをさらに活かせなかったことは残念です。長時間にわたる遅れが生じ、辛抱強く天気が回復するのを待ち、非常に難しい路面状態でした。それでも大雨のなかコースオフしたり、クラッシュすることもなく、両ドライバーがすばらしい仕事をしてくれました。また、余裕を持ってQ2に進出できたことは、励みになりました。
決勝でペナルティーを受けるフェルナンドのグリッドポジションは、ストフェルのポジションほど重要ではないため、Q2ではセッションの終盤にフェルナンドの走行を行うことにしました。彼はインターミディエイトタイヤで着実な走りをみせました。さらに速いタイムを出すこともできたと思いますが、ストフェルのQ3進出のチャンスを奪わないように気をつけて走行していました。フェルナンドはそういった状況の中で、チームにとってベストな仕事をしてくれました。彼の努力には感謝しています。一方のストフェルも、すばらしい仕事をしました。雨脚が弱くなると、ラップタイムを徐々に更新し、最終アタックラップで最大限の力を発揮し、Q3進出を果たしました。
雨が徐々に激しくなったQ3は、混乱した結果となる気配がありましたし、終盤に各マシンがコンディションの悪化に苦しむ中、ストフェルがサプライズの結果をつかむチャンスは確実にあったと思います。ただ残念ながらそうはならず、グリッドポジションをさらに上げるチャンスを残酷にも奪われてしまいました。ストフェルは速い最終ラップを走行していた際にパワーを失い、途中でラップを中止しなければなりませんでした。その問題については、現在も調査中です。それでもストフェルは見事な走りをしましたし、明日の決勝をさらに力強いグリッドポジションからスタートできることを願っています」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「今日は朝から降り続く雨の中で、午前中はほとんど走行ができず、午後も二時間以上待機しなければいけない、タフな状況下での予選になりました。
ドライバーにとっては常に変わり続けるトラックコンディションを見極めながらの走行で、簡単なアタックではありませんでしたが、ウエットコンディションの中で二人とも素晴らしい走りを見せ、ストフェルは見事にQ3進出を果たしてくれました。結果は10位でしたが、もう少し上のポジションも期待できただけに、Q3の途中に彼のPUにトラブルが発生し、アタックを途中でやめなければいけなかったことは非常に残念です。トラブルの詳細については、これからデータを確認し、明日以降の対応を決定します。
フェルナンドについてはペナルティーによる最後尾スタートということを考慮して、アタック回数や使用するタイヤを調整していましたが、彼は今日もいい仕事をしていたと思います。
そして言うまでもありませんが、チームも頻繁に変わる天気を見極めながら、タイヤ選択など、両ドライバーにとって最良となる戦術で予選を戦ってくれました。
まだ明日がどのようなレースになるか分かりませんが、あらゆる状況に対応できるよう、準備を進めます」
順位 | No. | ドライバー | チーム | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 1'40.660 |
2 | 18 | ランス・ストロール | Williams | +0.228 |
3 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | +0.831 |
4 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | +0.855 |
5 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | +3.709 |
6 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | +4.041 |
7 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | +4.373 |
8 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | |
9 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | |
10 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | |
11 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | |
12 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | |
13 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | |
14 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | |
15 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | |
16 | 31 | エステバン・オコン | Force India | |
17 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | |
18 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | |
19 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | |
20 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes |
順位 | No. | ドライバー | チーム | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 1'35.554 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 1'36.702 |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 1'36.841 |
4 | 18 | ランス・ストロール | Williams | 1'37.032 |
5 | 31 | エステバン・オコン | Force India | 1'37.719 |
6 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 1'37.833 |
7 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 1'37.987 |
8 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 1'38.064 |
9 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 1'38.251 |
10 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | 1'39.157 |
以下Q2にて決定 | ||||
11 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 1'37.582 |
12 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 1'38.059 |
13 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 1'38.202 |
14 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 1'38.245 |
15 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 1'38.526 |
以下Q1にて決定 | ||||
16 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 1'40.489 |
17 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 1'40.646 |
18 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 1'41.732 |
19 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | 1'41.875 |
NC | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 1'43.355 |