ROUND12
ベルギー
スパ・フランコルシャン
2017.08.26(土)
「フェルナンドが予選でマシンの実力を最大限に発揮」
#BelgianGP
#McLarenLIVE
スパ・フランコルシャン・サーキット、8月26日(土)
本日のベルギーは、事前の予報とは異なりドライコンディションとなりました。午前中に行われたFP3では、フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンの両ドライバーがスムーズな走行を行い、予選に向けて必要な準備をすべて実施することができました。昨夜の雨の影響で最初はコースが湿っていたものの、その後すぐに乾き、両ドライバーは予定通りプログラムを消化できました。アロンソは12周を走行し、10番手のタイムをマーク。一方のバンドーンは14周を走行して、14番手となりました。
バンドーンはPU交換によるグリッドペナルティーにより、明日のレースを最後尾からスタートすることが決定しているため、チームは予選ではアロンソの結果を優先することを選択しました。Q1で2人のドライバーがチームメートとして協力し合い、2台が常に接近した距離で走行することにより、前方のマシンが後方のマシンをできる限りけん引できるようにしました。その結果、バンドーンは10番手、アロンソは14番手で、2台そろってQ2に進出しました。
Q2でも、チームは再度バンドーンのマシンのスリップストリーム(前方を走るマシンの真後ろに発生する空気抵抗が小さいエリア)を利用する戦略を選択。アロンソは2回の走行の大半で、チームメートのリアウイングの真後ろにつけるという完ぺきな戦略を実行しました。ただ残念ながら、アロンソはセッション終盤にアタックした最終ラップの最終区間で回生によるパワーを失ったため、Q3進出を僅差で逃し、11番手となりました。一方のバンドーンは、Q2では公式タイムを計測することなく、15番手でセッションを終了。ただ、エンジン交換によるペナルティーを受けるため、母国グランプリを20番手からスタートします。
FP3 | 10番手 | 1分46.060秒(トップとの差 +2.144秒) | 12周 | 予選 |
Q1 | 14番手 | 1分45.668秒 | (オプションタイヤ) |
Q2 | 11番手 | 1分45.090秒 | (オプションタイヤ) |
「全体的なパフォーマンスを考えると、今日はポジティブな一日でした。Q2では、トップのラップタイムから1.5秒差でしたが、これは我々にとってはポールポジションに匹敵します。ラップの最後で問題が発生したためにQ2で敗退となったものの、今日はQ3進出は可能だったと思います。
チームは、すばらしい仕事を成し遂げてくれました。ストフェルのペナルティーを利用して、もう1台がストレートでスリップストリームに入れるようにしました。しかしながら、Q2の最後の走行というタイミングの悪いときに、デプロイメントに問題が発生しました。11コーナーから12コーナーまでの間に0.6秒ロスし、1回目のラップタイムを更新できなくなったことから、最終ラップを中止する結果となりました。
明日は11番手からスタートします。ここスパで、このようなグリッドを獲得できたことに少し驚いていますが、スタート時のタイヤを自由に選択でき、新品タイヤでのスタートが可能なので、10番手よりもいい結果かもしれません」
FP3 | 14番手 | 1分46.300秒(トップとの差 +2.384秒) | 14周 | 予選 |
Q1 | 10番手 | 1分45.441秒 | (オプションタイヤ) |
Q2 | 15番手 | タイムなし |
「今日は、かなりポジティブな一日でした。決勝では最後尾からスタートすることが分かっていたので、週末を通して予選ではなくレースに向けた準備をしてきました。今日の目標は、フェルナンドの手助けをしながら両マシンをQ2に進出させ、フェルナンドが私のマシンのスリップストリームを利用できるようにすることでした。そして実際に、それを成し遂げたのです。残念ながら、フェルナンドは僅差でQ3進出を逃しましたが、これからは明日のレースに集中しなければなりません。私は20番手からスタートするので、そこからかなりばん回する必要があります。
昨日のフリー走行のように、明日も変わりやすい天気となることを願っています。実際にそうなれば、我々にとっては有利です! ここで、Q3に進出するのが難しいことは分かっていましたが、今日はできる限りチームプレイに徹しようとしました。ですから、フェルナンドが僅差でQ3進出を逃したのは、残念です。
今日はいいチームワークをみせることができたと思います。フェルナンドと私は、非常にいい関係を築いています。これまでもそうでしたが、今日もまた2人で協力し合えることを示す機会となりました。私がフェルナンドの助けを必要とする場面もいずれ出てくるでしょう!
今週末は、私にとってとても特別なレースです。ここには大勢のファンの方々がいて、私の友人や家族もサーキットで応援してくれています。母国グランプリを戦えるのは、自分のモチベーションアップにつながっています」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「今日は予選の初めから難しいスタートを強いられたにもかかわらず、チームが非常に強い精神力をみせてくれました。明日のレースに向けて我々のポテンシャルを最大限に引き出すために、一丸となって仕事に取り組み、完ぺきな戦略を実行してくれました。そんなガレージのメンバー一人ひとりの努力を、うれしく感じるとともに、誇りに思います。
昨夜、ストフェルのPUにいくつかの問題があることが発覚したため、再度PU交換を実施。地元のスターであるストフェルは、母国グランプリでさらなるグリッド降格ペナルティーを受ける結果となりました。彼のチームのメンバーは、FP3に間に合うようにマシンを準備するため、懸命に作業に取り組んでくれました。彼らの懸命な仕事ぶりは称賛に値しますし、感謝しています。また、予選を通して完ぺきなチームメートとして、それぞれの任務を果たしたストフェルとフェルナンドにも、感謝したいと思います。Q1では、フェルナンドとストフェルは同じラップを走行しているときでさえ、お互いをけん引しながら助け合いました。見事な仕事でしたし、それにより2台そろってQ2に進出することができました。
Q2では、明日のレースで最後尾スタートとなるストフェルが、難易度の高いパワーサーキットでフェルナンドをさらに手助けするために、自分のパフォーマンスを犠牲にして見事な仕事をしてくれました。また近いうちに、今後はストフェルに借りを返すときがくるでしょう!
今日は難しいスタートを強いられたあと、チームが大きな努力をし、ガレージでの作業時間制限を破りながらも、すばらしいチームワークをみせてくれていたので、フェルナンドがQ3進出を逃したことは残念でした。Q3進出まであとわずかというところで、最終ラップの最後にデプロイメントの問題が発生し、ラップタイムを更新することができませんでした。それでも、11番手はそれほど悪いポジションではなく、明日のレース戦略のオプションがさらに増えることになります。これまでを考えると、今回は厳しいレースになるでしょう。ただ、懸命に仕事をし、運と変わりやすい天候を味方につけて、明日はベルギーのファンの皆さんのためにもいいレースができるよう願っています」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「タフな高速サーキットであるスパ・フランコルシャンで、フェルナンドがポイント獲得の可能性があるポジションを獲得できたことはよかったと思いますし、ここに持ち込んだPUのアップデートの効果も出せていました。
フェルナンドはいつもの通り、最大限までプッシュし、Q3進出は逃したものの11番手というグリッドを獲得してくれました。そして、明日は新品のタイヤからスタートできます。アタックの最後にエネルギー回生が足りなくなる事象が発生しため、本当はもう少しタイムの向上ができたかもしれません。明日に向けて改めてチーム、ドライバーとパワー回生のセッティングについて整合を行おうと思います。
ストフェルについては、昨日のFP2のあとにPUの一部に異常の可能性を検知したため、夜を徹した作業により載せ替えを行いました。昨日のペナルティーも含めて最後尾からのスタートが決まっていたため、午前から決勝を見据えたロングランを中心にセッティングを進めました。また、予選ではフェルナンドの予選順位を上げるために、チームプレイに徹し、2人そろってのQ2進出を果たしました。
マシンのパフォーマンスは安定していますし、今日のフェルナンドのタイムからもポイント獲得はあると思いますので、あらゆるチャンスを逃すことなく戦っていきたいと思います」
順位 | No. | ドライバー | チーム | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 1'43.916 |
2 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | +0.197 |
3 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | +0.198 |
4 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | +1.118 |
5 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | +1.314 |
6 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | +1.370 |
7 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | +1.575 |
8 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | +1.941 |
9 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | +2.026 |
10 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | +2.144 |
11 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | +2.148 |
12 | 31 | エステバン・オコン | Force India | +2.263 |
13 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | +2.280 |
14 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | +2.384 |
15 | 18 | ランス・ストロール | Williams | +2.704 |
16 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | +2.751 |
17 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | +2.774 |
18 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | +3.987 |
19 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | +4.380 |
20 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | +4.384 |
順位 | No. | ドライバー | チーム | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 1'42.553 |
2 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 1'42.795 |
3 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 1'43.094 |
4 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 1'43.270 |
5 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 1'43.380 |
6 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 1'43.863 |
7 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 1'44.982 |
8 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 1'45.244 |
9 | 31 | エステバン・オコン | Force India | 1'45.369 |
10 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | DNS |
以下Q2にて決定 | ||||
11 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 1'45.090 |
12 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 1'45.133 |
13 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 1'45.400 |
14 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 1'45.439 |
15 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | DNF |
以下Q1にて決定 | ||||
16 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 1'45.823 |
17 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 1'46.028 |
18 | 18 | ランス・ストロール | Williams | 1'46.915 |
19 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 1'47.214 |
20 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | 1'47.679 |