ROUND06

モナコモナコ モナコ・サーキット 2017.05.28(日)

2017 MONACO GRAND PRIX - 決勝

2017 MONACO GRAND PRIX - 決勝

「ときにはなにも結果を残せない日もある」

#MonacoGP
#RaceOfTwoWorlds

モナコ・サーキット、5月28日(日)

本日行われたモナコGPは、McLaren-Hondaにとって残念なレースとなりました。

ストフェル・バンドーンは、レース中盤にほかのドライバーが次々とピットストップを行った際に7番手を走行。レース終盤には10番手を走行し、ポイントを獲得するためにいいポジションにつけていました。ただ残念ながら、バンドーンはレース終盤に導入されたセーフティカーが解除されたあと、アクシデントに見舞われました。タイヤとブレーキが冷えていたためにアンダーステアになり、サン・デボーテでタイヤウオールにクラッシュ。66周目でリタイアする結果となりました。

一方、今週末にバンドーンのチームメートとして出場したジェンソン・バトンにとって、午後のレースが厳しい内容になることは最初から分かっていました。パワーユニットのコンポーネント交換によってグリッド後方からのスタートを余儀なくされたため、戦略担当者はバトンを1周目でピットストップさせて、渋滞のない中で別の戦略に出ることを決断しました。

ただ、同じラップでSauberもパスカル・ウェーレイン選手をピットストップさせることにしたために、バトンのピットストップはすぐにその効果を失ってしまいました。ピットストップ後にマシンを安全にリリースしなかったことで、ウェーレイン選手に5秒間のペナルティーが科せられたものの、1周目の戦略的なピットストップがバトンの午後の残りのレースを決定づけるかたちとなりました。

前方を走るSauberのマシンをなかなかオーバーテイクできなかったため、チームは戦略を練り直し、バトンはレース中盤でオプションタイヤに履き替えるためにピットインしました。その後、ウェーレイン選手に追いついたバトンは、ポルティエでイン側からのオーバーテイクを試みたものの、両マシンが激突。ウェーレイン選手のマシンはタイヤウオールに横向きにクラッシュし、バトンはマシンの左側フロントコーナーを破損した状態でハーバーフロントの避難用道路の端にマシンを止めました。

一つのレースが終了すると、今度は別のレースが始まります。我々はこれから、今日フェルナンド・アロンソがインディ500のレースに出場するインディアナポリスに目を向けます。

コメント

ジェンソン・バトン

MCL32-03
スタート 20番手(※ピットレーンからスタート)
レース結果 DNF(※ウェーレイン選手とのクラッシュによりマシンが破損。57周目でリタイア)
ファステストラップ 1分16.912秒 47周目(トップとの差 +2.092秒、17番手)
ピットストップ 2回:1周目(ピットストップ時間 2.78秒)および39周目(ピットストップ時間 4.39秒)[オプション→プライム→オプション]

ジェンソン・バトン「今日は、レースでポジションを上げることができず、残念な一日でした。1周目から非常に難しいレースとなり、その後、ウェーレイン選手とのアクシデントが発生しました。彼のマシンのタイヤは、1周目から完全に摩耗した状態でした。私はスタート直後にピットインし、レース開始時点から彼と同じ種類のタイヤを装着していたので、彼のタイヤの状態は分かっていました。

タイヤが路面に付着したラバーの上を走るときにはグリップが全くないので、前のコーナーからの立ち上がりの際に、かなりのトラクションを抱えていました。十分に距離を置いた上でイン側を刺したつもりでしたが、横を見ると、ウェーレイン選手が私に気づいていないことが分かりました。そこで、後ろに下がろうとしたのですが、すでに手遅れでした。

このマシンに乗っていると、周囲を見渡しにくいのは確かです。ただ、イン側に入ったときに相手が自分のことを見えないかもしれないとは、その瞬間には思わないのです。オーバーテイクを仕掛けて、ちゃんと判断したと思ったのですが、うまくいきませんでした。マシンが横転すると、ドライバーの頭がなにかにぶつかるかどうかが分からないので、そのような光景を目にしたくはありません。ただ一番大事なことは、ウェーレイン選手が無事だったことです。彼と話をしたところ、当然のことながら少し動揺していましたが、彼にケガがなかったことがなによりです。

今日は少しフラストレーションが溜まりました。レーシングドライバーとしては、後方でドライブしているだけで、オーバーテイクのチャンスがないというのは難しいものです。実際にオーバーテイクを仕掛けて、ちゃんと判断したつもりでしたが、失敗に終わりました。今週末に、マシンにダメージを与える結果になった点については、チームに対して申し訳なく思います。今日も数周は走行を楽しむことができました。ただ、マシンに損傷を与えるつもりは当然ありませんでしたし、そういった結果につながったことはそう多くはありません。昨日はすばらしい気分でしたし、予選を心から楽しむことができました。今週末は、たくさんのいい思い出を胸にサーキットを去ります。

フェルナンドが午後に安全で、いいレースをしてくれることを願っています。みんなで楽しみにしています」

ストフェル・バンドーン

MCL32-01
スタート 12番手
レース結果 DNF(※アクシデントのため、66周目でリタイア)
ファステストラップ 1分16.665秒 45周目(トップとの差 +1.845秒、15番手)
ピットストップ 1回:43周目(ピットストップ時間 3.22秒)[オプション→プライム]

ストフェル・バンドーン「今週末に、1ポイントも獲得できなかったことは残念です。今回は私たち全員がもう少しいい結果を期待していたと思います。

レース終盤の再スタートの際に、困難な状況になることは分かっていました。スーパーソフトタイヤを温めるのは常に難しく、セーフティカー導入時にオプションタイヤに履き替えたセルジオ・ペレス選手(Force India)とフェリペ・マッサ選手(Williams)を後方にとどめることはできないだろうと考えていました。ただ、セーフティカー導入時にタイヤ交換のためピットインすることは、我々の選択肢にはありませんでした。トップ10圏内を走行している際は、そのポジションを維持しなければなりません。タイヤとブレーキをなかなか温めることができず、残念ながら1コーナーではどこにも行きようがありませんでした。

今回の結果は、今週末に我々が期待していたものではありませんが、モナコ戦ではポジティブな点もありました。全体的なパフォーマンスはまだ十分ではないものの、今週末は有効な進化を遂げることができました。

まだやるべきことは多くありますが、私は前向きな気持ちでいます」

THE MANAGEMENT

エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
エリック・ブーリエ「モンテカルロのカジノを訪れて、大儲けをすることもあれば、手ぶらで帰ることもあります。今日は我々にとって、運に恵まれなかった不運な一日であっただけに過ぎません。

ジェンソンがレースを後方からスタートすることは、分かっていました。ただ、Sauberが我々と全く同じ戦略に出たことで、渋滞のない中でジェンソンを走らせようという目論見が台無しになってしまったことは残念です。ウェーレイン選手のマシンが安全にリリースされなかったにもかかわらず、それによって彼が受けたペナルティーがジェンソンにとってはなんの得にもならなかったことは、残酷なことだったと言えるでしょう。2台のクラッシュはレースでは起こり得るものですが、両ドライバーにケガがなくてよかったです。

その後は、残ったストフェルに焦点を当ててレースを展開し、今日はまずまずの結果が得られるのではないかと思っていました。ストフェルはレース全体にわたって、トップ10周辺を常に走行し、オプションタイヤでのペースは非常に期待できるものでした。プライムタイヤに履き替えたあとも、入賞することは確実だと思っていました。しかしながら、セーフティカー導入後のレース再開の際に、タイヤとブレーキが温まっていなかったためにアンダーステアとなり、1コーナーのタイヤウオールにクラッシュしてしまいました。

それでも、ポジティブな点はあります。今週末はストフェルが、ドライビングとマシンに対する自信の持ち具合という面で、確実に一歩前進したと思います。また、ジェンソンは彼が今も偉大なチャンピオンであり、F1というスポーツにとってすばらしい大使の役割を担っていることを示してくれました。

最後に、インディ500でレースに臨むフェルナンドと我々の仲間に『幸運を』というメッセージを送ります」

長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
長谷川 祐介「今日は残念なレースになってしまいました。

ストフェルはペナルティーにより12番手からのスタートでしたが、プラクティスからペースがいいのは分かっていたので、オーバーテイクが難しいここモナコでも、ポイント獲得のチャンスはあると思っていました。実際に賢明なピット戦略と彼の見事な走りにより、ポイント圏内に届いたことはすばらしかっただけに、あのような接触でポイントを逃してしまったことは本当に悔しく残念です。

ジェンソンにも速さはあったと思いますが、前を走るライバルに引っかかり、なかなかペースを上げられない状況でした。終盤の接触によりリタイアするかたちになりましたが、昨日の予選でのパフォーマンスなど、スポット参戦とは思えない活躍を披露し、伝統ある華やかな舞台でチームに明るい雰囲気をもたらしてくれた週末でした。テクニカルサーキットのモナコから一転、次戦はパワーサーキットであるカナダで、インディから戻ってくるフェルナンドを迎えて戦うことになります。

次はカナダになりますが、まずはその前に、フェルナンドのインディ500での活躍をテレビで見守ることにします」

決勝

順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム/差
15セバスチャン・ベッテル Ferrari781:44'44.340
27キミ・ライコネン Ferrari78+3.145
33ダニエル・リカルド Red Bull78+3.745
477バルテッリ・ボッタス Mercedes78+5.517
533マックス・フェルスタッペン Red Bull78+6.199
655カルロス・サインツ Toro Rosso78+12.038
744ルイス・ハミルトン Mercedes78+15.801
88ロマン・グロージャン Haas78+18.150
919フェリペ・マッサ Williams78+19.445
1020ケビン・マグヌッセン Haas78+21.443
1130ジョリオン・パーマー Renault78+22.737
1231エステバン・オコン Force India78+23.725
1311セルジオ・ペレス Force India78+49.089
1426ダニール・クビアト Toro Rosso71DNF
1518ランス・ストロール Williams71DNF
NC2ストフェル・バンドーン McLaren-Honda66DNF
NC9マーカス・エリクソン Sauber63DNF
NC22ジェンソン・バトンMcLaren-Honda57DNF
NC94パスカル・ウェーレイン Sauber57DNF
NC27ニコ・ヒュルケンベルグ Renault15DNF

フォトギャラリー

ストフェル・バンドーン

ジェンソン・バトン

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

ジェンソン・バトン

ジェンソン・バトン

ジェンソン・バトン/ストフェル・バンドーン

長谷川 祐介

山本 雅史 / 長谷川 祐介

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