ROUND05

スペインスペイン カタルニア・サーキット 2017.05.14(日)

2017 SPAIN GRAND PRIX - 決勝

2017 SPAIN GRAND PRIX - 決勝

「MCL32はドライバーが心から信頼できるマシンだと思う」

#SpanishGP

バルセロナ・カタルニア・サーキット、5月14日(日)

McLaren-Hondaは、バルセロナ・カタルニア・サーキットで開催された今季初のヨーロッパ戦にアップデートを持ち込んだものの、レースでそれを活かすことができませんでした。

ストフェル・バンドーンは、グリッドの最後尾から好スタートを切り、1周目の終わりまでで15番手に浮上。ジョリオン・パーマー選手(Renault)と激しいバトルを展開し、力強いオーバーテイクをしたにもかかわらず、1回目のピットストップの際に集団の中でポジションを維持することができず、32周目まで16番手で走行を続けました。その後、フェリペ・マッサ選手(Williams)がピットストレートでバンドーンの背後に迫ったものの、バンドーンにはそれが見えず、両マシンが接触。その接触によりバンドーンはマシンのサスペンションに損傷を負い、レースをリタイアする結果となりました。バンドーンは、このアクシデントにより、次のモナコGPで3グリッド降格ペナルティーを科せられます。

一方、フェルナンド・アロンソは、7番手という今季最高のグリッドからスタートしたものの、2コーナーでマッサ選手に外に押し出されてグラベル(砂利が敷かれたランオフエリア)にコースオフ。オープニングラップで、スタート時のポジションを失う結果となりました。順位を落としたアロンソは、1周目の終わりには11番手を走行。その後は、比較的高速と言われるこのサーキットで順位を上げることができず、1回目と2回目のピットストップでさらにポジションを落とし、それ以降は15番手を走行しました。それでも、果敢な走りと、51周目に行った予定外の最終ピットストップによってレース終盤にペースを上げ、最終的にアロンソは母国グランプリを12位で完走しました。

アロンソは今夜、米国インディアナポリスに移動し、インディ500でのデビューに向けて、明日の午前中に1回目のフリー走行に臨みます。その一方で、今週はジェンソン・バトンがマクラーレン・テクノロジー・センターを訪れます。2週間後に開催されるモナコGPでアロンソの代役を務めるために、シミュレーターで再びドライブする予定です。

コメント

フェルナンド・アロンソ

#FA14 MCL31-03
スタート 7番手
レース結果 12位
ファステストラップ 1分23.894秒 64周目(トップとの差 +0.301秒、4番手)
ピットストップ 3回:12周目(ピットストップ時間 3.22秒)[オプション→オプション] 31周目(ピットストップ時間 4.49秒)[オプション→プライム] 51周目(ピットストップ時間 3.49秒)[プライム→オプション]

フェルナンド・アロンソ「今日のレースは、予定通りの展開にはなりませんでした。2コーナーでフェリペ・マッサ選手と接触したのは、少し不運でした。その後、レースの中盤では、ダニール・クビアト選手(Toro Rosso)の後方で何周にもわたって引っかかってしまいました。ただ、それがなかったとしても、正直言うと、今日はポイントを獲得できるほどのレースペースがありませんでした。

少し残念な思いですが、少なくとも今日はレースを完走しました。この結果が、信頼性の面で一歩前進したことを示す最初の兆しであることを願っています。次のグランプリに向けて、さらに準備する必要があります。

明日の午前9時に(インディ500のレースが開催される)ブリックヤードに到着し、正午にはマシンに乗って1回目のフリー走行を迎えます。今から現地入りするまでに14時間ありますが、そのうち9時間は機内で過ごします。ですから、これからインディモードに切り替えて、今後2週間はインディに全集中力を注ぎます」

ストフェル・バンドーン

#SV2 MCL31-04
スタート 20番手(PUコンポーネント交換によるグリッド降格ペナルティー)
レース結果 DNF (※32周目のマッサ選手との接触事故によりサスペンションを損傷し、リタイア)
ファステストラップ 1分27.554秒 14周目(トップとの差 +3.961秒、18番手)
ピットストップ 1回:12周目(ピットストップ時間 3.07秒)[プライム→オプション]

ストフェル・バンドーン「マッサ選手との接触事故については、まだTVでちゃんと確認できていません。マッサ選手があの場所にいるとは思っていませんでした。マッサ選手が追い抜けるように十分なスペースを確保したつもりでしたが、残念ながら、両マシンが接触しました。それによってマシンのフロントホイールが破損し、私のレースはそこで終了となりました。

だれかを非難したいわけではありませんが、個人的には、あれはレースでは避けられない事故だったと思います。

ジョリオン・パーマー選手を追い抜くことに成功しましたが、私にとっては今季初のオーバーテイクでした。ですから、少なくとも、今日のレースから得るものがありました。オーバーテイクする際に非常にいい感触を得ましたが、その事実が、我々のマシンにまだ十分な強さがなく、ライバルチームのマシンと競い合うレベルまで達していないことを物語っています。ここに持ち込んだアップグレードによって、今回のレースでは一歩前進することができました。一部のエリアでは確実に改善しているものの、レースではまだ少し苦労しています。次戦でさらに改善できることを願っています。

モナコGPがどうなるのかを予測するつもりはありません。ただ、車体の方は改善しつつありますし、効果をもたらすアップデートがさらにいくつか導入できることを願っています。今の私たちにできることは、様子を見て、ベストを尽くすだけです」

THE MANAGEMENT

エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
エリック・ブーリエ「昨日の予選で励みになる走りをみせていただけに、とても残念な気持ちであることは言うまでもありません。

本人のミスではないにもかかわらず、フェルナンドは1周目でフェリペ・マッサ選手との接触に巻き込まれてコースオフし、その直後にポジションを6つ落とす結果となりました。それ以降は懸命にプッシュしていたものの、前方のマシンとの差を詰めることができず、単独でレースを展開し、12位でフィニッシュしました。

一方のストフェルは、今朝、パワーユニットの構成部品を一部交換することをチームとして決断した結果、10グリッド降格のペナルティーを科せられ、最後尾の20番グリッドからスタートしました。ストフェルはそこから、レースの最初の3分の1は非常に懸命にいい走りをし、20周目までに16番手に順位を上げました。中でもジョリオン・パーマー選手のマシンを力強くオーバーテイクしたのは、今日のハイライトでした。

残念ながら、その後、フェリペ・マッサ選手のマシンと接触したことでサスペンションに損傷を負い、マシンがドライブ不可能となったため、ストフェルの快進撃は33周目でストップすることになりました。

レース結果に関して言うと、今日は我々にとって忘れるべき一日です。それでも今週末は昨日の着実な予選ペース以外にも、前向きな点がいくつかありました。MCL32はドライバーが心から信頼できる車体であることは明らかです。その資質が次のモナコに向けて、いい兆しとなります。2週間後にはモナコの曲がりくねったストリートサーキットで、再びライバルチームとの戦いに挑みます」

長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
長谷川 祐介「昨日の予選はフェルナンドのすばらしいパフォーマンスによりいい結果となりましたが、そこからすると今日のレースはチームの全員にとって残念なものになりました。

フェルナンドは1周目の不運なアクシデントにもかかわらず、今日もいいレースを見せてくれました。どのような状況でもあきらめず、前を走るマシンを懸命に追いながらいいペースで走ってくれましたが、予選で獲得したグリッドのはるか後方からレースを続けなければいけなかったことは、彼のレースを難しいものにしました。今日は十分にポイントを獲得できる速さがあったと思いますが、結果的にポイント獲得に至らなかったことは非常に残念でした。

この週末はストフェルにとっては厳しいものになりました。最後尾からレースを始めることになり、レース中盤でのリタイアという結果に終わりました。彼は今、難しい状況にいると思いますが、この状態からばん回するために一緒にチャレンジを続けていきたいと思います。

次戦のモナコGPも、我々にとっては大きなチャンスになると考えています。ドライバーのスキルも重要になりますが、ジェンソンとストフェルがすばらしいパフォーマンスを見せてくれると思っています。レースに対しては万全の準備をして臨みますし、同時にさらなる競争力をつけるためにマクラーレンと一緒に開発も継続していきたいと思います」

決勝

順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム/差
144ルイス・ハミルトン Mercedes661:35'56.497
25セバスチャン・ベッテル Ferrari66+3.490
33ダニエル・リカルド Red Bull66+75.820
411セルジオ・ペレス Force India65+1Lap
531エステバン・オコン Force India65+1Lap
627ニコ・ヒュルケンベルグ Renault65+1Lap
755カルロス・サインツ Toro Rosso65+1Lap
894パスカル・ウェーレイン Sauber65+1Lap
926ダニール・クビアト Toro Rosso65+1Lap
108ロマン・グロージャン Haas65+1Lap
119マーカス・エリクソン Sauber64+2Laps
1214フェルナンド・アロンソ McLaren-Honda64+2Laps
1319フェリペ・マッサ Williams64+2Laps
1420ケビン・マグヌッセン Haas64+2Laps
1530ジョリオン・パーマー Renault64+2Laps
1618ランス・ストロール Williams64+2Laps
NC77バルテッリ・ボッタス Mercedes38DNF
NC2ストフェル・バンドーン McLaren-Honda32DNF
NC33マックス・フェルスタッペン Red Bull1DNF
NC7キミ・ライコネン Ferrari0DNF

フォトギャラリー

フェルナンド・アロンソ

ストフェル・バンドーン

ストフェル・バンドーン

フェルナンド・アロンソ

フェルナンド・アロンソ

松下信治(左)、福住仁嶺(右)

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