7月11日(日)・決勝
サーキット:シルバーストーン・サーキット 天候:曇り 気温:17℃
イギリスGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは3番グリッドからスタートしたものの、僅かに表彰台に届かず。しかし大勢の地元ファンによる応援の中で4位入賞を果たし、コンストラクター選手権2位のルノーとの差を12点差まで縮めた。佐藤琢磨は11位完走だった。
決勝当日、サーキット上空は朝から曇り空に覆われた。天気予報では、レース中に雨が降る確立は40%。とはいえ時折は薄日も差すという、典型的な英国風の天気となった。チームはこの朝、レースエンジニアらスタッフ6人を乗せてサーキットに向かうワゴン車が、対向車に衝突される事故に遭遇した。幸い大ケガには至らなかったものの、佐藤のレースエンジニアであるジョク・クレアはレースを欠場。代わって、データエンジニアがレースエンジニアを務めることになった。
午後1時に決勝レーススタート。アクシデントも無く、全車一斉にスタートした。8番グリッドからスタートした佐藤が、きれいなスタートを決める。1コーナーでは抜けなかったが、ハンガーストレートのブレーキングで、鮮やかにウィリアムズのJP・モントーヤをオーバーテイク。しかし3周目にコースをはみ出し、そのモントーヤに抜き返されてしまう。一方バトンは、グリッドポジションの3番手をキープ。ポールポジションからスタートし、トップを快走するK・ライコネン(マクラーレン)は、いきなり後続を引き離しにかかる。バトンは2番手のR・バリチェロ(フェラーリ)を追走するが、後ろからも激しくM・シューマッハ(フェラーリ)に追われる展開となった。
11周目までにトップのライコネン、バトンらが次々にピットイン。多くの燃料を搭載した佐藤は、M・シューマッハ、J・トゥルーリ(ルノー)に次いで3番手に上がる。しかし、すぐ後ろには、ピットインを終えたばかりのライコネンが迫る。13周目の1コーナーで並ばれたが、ポジションをキープ。しかし次の周の1コーナーで抜かれ、4番手に後退。週末を通してマシンのグリップ不足に悩んだ佐藤は、なかなかペースを上げることができない。そして、さらにジャガーのM・ウェバーにも前に出られてしまう。佐藤は15周目にピットインしたが、その前にチームメイトのバトンにポジションを譲ったことで、14番手に後退。そのバトンは表彰台圏内の3番手を走行している。トップにはM・シューマッハが上がったが、僅差でライコネンが追う。
折り返し点の30周目。トップは依然としてM・シューマッハ。ライコネンとバリチェロが追い、バトンは2回目のピットインをした際に、4番手に後退した。佐藤は11番手に順位を上げたものの、ペースが伸びず、ポイント圏内を目指して追い上げる展開となった。
40周目。ブリッジの出口で、ルノーのトゥルーリがタイヤバリアに激突してクラッシュ。本人は自力でコクピットから脱出したものの、マシンは大破。これでセーフティカー導入となった。その間にライコネン、バトンやバリチェロら、3回ストップ作戦のマシンが、次々に最後のピットインへと向かった。
45周目にレースは再開。バトンは3番手を走行中のバリチェロのすぐ後ろに付くが、なかなか抜くことができない。表彰台まであと僅かというところまで迫りながら、結局そのまま4位でチェッカーフラッグ。コンストラクター選手権2位のルノーとの差を、12点差まで縮めた。佐藤は11位で完走したものの、ポイント獲得には至らなかった。優勝はM・シューマッハ。今季11戦中10勝目、通算でも80勝目となった。 |