5月23日(日) ・決勝
サーキット:モンテカルロ市街地 天候:晴れ 気温:22℃
モナコGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが、第4戦サンマリノGPに次ぐ、今季2回目となる2位でフィニッシュ。7番グリッドからスタートの佐藤琢磨は、完璧なタイミングでロケットスタートを決め、4番手にジャンプアップしたものの、3周目にエンジントラブルでリタイアを喫した。
朝のうちは雲に覆われていたモナコ市街地サーキットの上空だが、昼過ぎからは晴れ間が広がった。午後2時の時点で気温22℃、路面温度42℃。前日予選時とほぼ同じコンディションとなった。
全車がフォーメーションラップを終え、スタートのシグナルが消えるのを待つばかりとなった直後に、O・パニス(トヨタ)のマシンがエンジンストールし、赤旗中断。スタートは5分ばかり延期になり、やり直しとなった。そして2度目のスタートで、7番グリッドからスタートの佐藤が、ものすごいダッシュを決めた。1コーナーまでに前を行く2台のフェラーリをあっという間に抜き去り、バトンにも並びかける。そのバトンはスタートで3番手のF・アロンソ(ルノー)に先行されており、ポジションを一つ落とし3番手。佐藤は4番手で、スターティングラップを終えた。
ところが2周目以降、佐藤のマシン後部から、ときおり白煙が上がり始める。必死でマクラーレンのK・ライコネン、2台のフェラーリを抑える佐藤だが、ペースはみるみる落ちて行く。そして3周目のプール手前で、猛烈な白煙を噴き上げ、コース脇にマシンは止まってしまった。そして、その白煙のためD・クルサード(マクラーレン)にG・フィジケラ(ザウバー)が追突。衝突したマシンがコース脇のガードレールに仰向けになってしまうクラッシュが発生。4周にわたって、セーフティカーが導入された。
7周目にレース再開。その後12周目にM・ウェバー(ジャガー)がリタイアしたほか、次の周ジョーダンのG・パンターノも、ピットインした際にリタイア。この時点でコース上のマシンは14台となり、レース序盤にして早くもサバイバル戦の様相を見せ始めた。
レースの折り返し点を過ぎた39周目。それまでにK・ライコネン(マクラーレン)、G・ブルーニ(ミナルディ)がリタイアを喫しており、コース上に残っているのは12台。バトンは1回目のピットインでM・シューマッハ(フェラーリ)に先行され4番手に落ちたものの、ほぼ同ペースで周回。3秒前後の差で、フェラーリを追っている。42周目、トンネル内で周回遅れのR・シューマッハ(ウィリアムズ)を抜こうとした2番手走行中のアロンソが、ガードレールにマシンをヒットさせクラッシュ。これでバトンは3番手に復帰。コース上には再び、セーフティカーが導入された。その間にバトンは、2回目のピット作業を素早く終えた。そして45周目。セーフティカーのすぐ後ろを走っていたM・シューマッハが、トンネル内でブレーキロック。アロンソとほぼ同じ場所のガードレールに左リヤタイヤを当ててスピン。なんとかピットに戻ったものの、マシンのダメージは大きく、そのままリタイアとなった。これでコース上に残っているマシンは僅か10台。そしてバトンの前を走るのはルノーのJ・トゥルーリ、ただ1台だけとなった。
レース終盤、1分16秒台で走行しているのは、トップのトゥルーリとバトンのみ。3番手のR・バリチェロ(フェラーリ)とは50秒以上の差が開いており、焦点はこの2人の優勝争いに絞られた。バトンは5秒近くあった差を、69周目には2.2秒まで縮めた。そして70周目には1.7秒、次の周には1.6秒と、ラップ毎に追い上げを見せ、ルノーの背後に搭載されたカメラに、B・A・R Hondaのマシンが常時映し出されるまでに迫った。
ゴールまであと3周となった74周目。その差は、1秒を切った。最終周にはコンマ6秒まで迫ったが、2台の前には周回遅れのマシンが現れる。シケインで周回遅れのマシンをパスしたものの、結局トゥルーリが逃げ切り、そのままチェッカー。バトンは僅かにコンマ4秒及ばずサンマリノGPに次ぐ2位フィニッシュとなった。ルノーのトゥルーリは、デビュー以来119戦目での初優勝となった。
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