4月25日(日) ・決勝
サーキット:イタリア・イモラサーキット 天候:晴れ 気温:19℃
サンマリノGPの決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは、自己最高の2位表彰台を獲得。B・A・R Hondaとしても、チーム創設以来最高の成績となった。佐藤琢磨は8位走行中の終盤57周目、エンジントラブルでリタイアを喫した。
バトンにとっては初めて、Hondaとしては12年ぶりとなるポールポジションに湧いた前日の予選。その夜、イモラ周辺は数時間にわたって暴風雨が吹き荒れ、2日間かけて路面に付いたゴムは、すっかり洗い流されてしまった。決勝日は朝から青空が広がり、路面はドライ。雨の降る確立は低そうだ。気温は19℃と前日より低く、1コーナーに向かって強い風が吹いている。
レッドシグナルが消え、ポールポジションのバトンが良いスタートを切る。それよりも素晴らしかったのが7番手スタートの佐藤。1コーナーのブレーキングで4番グリッドのR・バリチェロ(フェラーリ)を抜き去り、さらにトサコーナーの立ちあがりでR・シューマッハ(ウィリアムズ)がコースをはみ出したスキを突いてポジションアップ。1周を終えた時点で、バトン、M・シューマッハ(フェラーリ)、JP・モントーヤ(ウィリアムズ)に次ぐ4番手にジャンプアップした。
バトンはM・シューマッハを押さえトップを快走。2番手のフェラーリがジリジリと差を詰めて行くが、抜かれるスキを与えない。佐藤もR・シューマッハ、バリチェロが背後に迫るものの、懸命に押さえている。8周目にモントーヤが最初にピットインし、佐藤は3番手に浮上。その次の周には、トップを走行するバトン、4番手のR・シューマッハもピットイン。そして10周目には佐藤もピットへ向かう。上位陣がほぼ1回目のピット作業を終えた12周目の時点では、トップはM・シューマッハ、2番手にバトン。ピット作業で僅かに時間をロスした佐藤は、8番手に後退した。首位に立ったM・シューマッハは、周回を重ねる毎に少しずつバトンとの差を広げ、20周目の時点では、その差は12秒7まで開いた。一方の佐藤は、レース序盤からギアボックスに問題を抱えていたこともありペースを上げられず、5番手のR・シューマッハからの4台の集団の最後尾に着け、先行車を追う展開となった。
バトンと佐藤は、それぞれ26、28周目に2回目のピット作業を済ます。レースが折り返し点を過ぎた32周目。この時点でほぼ全員が2度のピット作業を終え、バトンは依然として2番手を走行。佐藤も引き続き8番手。この時点でリタイアしたマシンは僅かに2台と、非常に完走率の高いレースになりそうだ。ゴールまであと10周となった52周目。コース上には17台のマシンが走っている。2位単独走行中のバトンと、トップとの差は縮まらず、44周目に3度目のピットインを終えて、バトンは2位表彰台に向かって走行を続ける。佐藤もバトンの1ラップ前に最後のピット作業を済ませ、このまま行けば2戦連続のポイント獲得だ。
しかし57周目。佐藤のマシンは突然白煙を噴き上げ、コース脇にストップ。残り僅かのところで、エンジントラブルのためリタイアとなり、ダブル入賞はかなわなかった。とはいえバトンは62周を走り切り、2位でチェッカー。自己最高の2位表彰台を獲得。B・A・R Hondaとしても、チーム創設以来最高の成績を獲得した。優勝は、フェラーリのM・シューマッハだった。
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