F.C.C. TSR Honda Franceが日本チームとして初のEWC王者に輝く
2017年-2018年シーズンの開幕戦前夜、Honda Franceは、耐久ロードレースの名門チームであるF.C.C. TSRとタッグを組み、世界耐久選手権(EWC)へ復活することを発表。昨シーズンの総合4位を上回る成績を目指して、まずはフランスでの2連戦に挑んだ。
開幕戦は、ポールリカール・サーキットが舞台のボルドール24時間。3番グリッドから臨んだF.C.C. TSR Honda Franceは、577周目での転倒により最終的に6位でレースを終えた。しかし、レース序盤から約21時間にわたってトップ争いを展開したチームに勝利を狙える速さがあることはあきらかで、それは次戦の伝統あるル・マン24時間で早くも証明されることとなる。
レースでは、スタートライダーのフレディ・フォレイが好スタートを決め、単独2番手をキープ。数周遅れながらも、粘り強い走りでトップを追いかけた。そして18時間が経過した時点で、トップのGMT94 YAMAHAのマシンが大破。これによりF.C.C. TSR Honda Franceがトップに浮上、そのままポジションを守りきり、日本チームとして初のル・マン制覇を成し遂げた。この結果ポイントランキングではトップに浮上し、チームは大きな手ごたえをつかんで1カ月後のスロバキアリンク8時間耐久レースへと臨んだ。
スタートライダーを務めたのはフォレイ。ポールポジションからスタートしたレースでは、途中何度かポジションを落としながらも、ジョシュ・フックがファステストラップを記録するなど好走を見せて巻き返し、最終的に3位表彰台を獲得。ランキング首位を守った。

第4戦は、ドイツ・オッシャースレーベンでの8時間耐久レース。アラン・テシェがヒザのケガにより今大会は走らないこととなり、チームはフォレイとフックの2人にマシンを託した。レースは3度のセーフティカーが入る波乱の展開となったが、クレバーな走りに徹したF.C.C. TSR Honda Franceが今季2勝目を挙げ、ランキング首位を守ったまま最終戦の鈴鹿8耐へ臨むという最高のかたちに。チームは母国ファンの前でのチャンピオン獲得を固く誓い、7月29日、Hondaのホームである鈴鹿サーキットでの決勝レースに挑んだ。
テシェのヒザが完治していなかったため、ライダーは前戦に引き続き、フォレイとフックの2人体制。この時点でチームはランキング2位のGMT94 YAMAHAに10ポイントのアドバンテージを築いており、レースではあくまでも冷静な走りに徹することが求められた。当日は雨が降ったり止んだりするなどコンディションが安定せず、序盤から転倒車も続出。逆転でのタイトル獲得を狙うGMT94 YAMAHAによる背後からのプレッシャーもあったが、F.C.C. TSR Honda Franceは着実なレース運びでそれを抑えきり、5位でフィニッシュ。見事、日本チームとして初のチャンピオンに輝いた。
Honda Endurance Racingは総合3位でシーズンを終え、鈴鹿の総合表彰台にF.C.C. TSR Honda Franceとともに登壇を果たした。開幕戦ボルドールで3位表彰台、第2戦ル・マンでは2位に入り、優勝のF.C.C. TSR Honda Franceとともに1-2フィニッシュを達成。その後も着実にポイントを獲得し続け、シーズンを通して抜群の安定感を発揮した。