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ラリー

Stage11

SCHEDULE

January 15 2015 Dakar Rally 2015 Stage 11

アルゼンチンアルゼンチン

バレダ選手が2日連続のステージ優勝

ステージ:サルタ~テルマス・デ・リオ・オンド(アルゼンチン)
リエゾン(移動区間):166km  スペシャルステージ(競技区間):357km

ダカールラリー2015の第11ステージが1月15日(木)に開催され、Team HRCのホアン・バレダ選手が前日に続いてステージ優勝。今大会で自身4勝目、Honda CRF450 RALLYにとっての7勝目を挙げました。

  • エルダー・ロドリゲス選手エルダー・ロドリゲス選手
  • ハビエル・ピゾリト選手ハビエル・ピゾリト選手
  • ライア・サンツ選手ライア・サンツ選手
  • ジェアン・アゼベド選手ジェアン・アゼベド選手
  • パウロ・ゴンサルヴェス選手パウロ・ゴンサルヴェス選手
  • ホアン・バレダ選手ホアン・バレダ選手

ビバーク地でのメカニックによる整備やサポートが許されないマラソンステージの後半となったこの日は、アルゼンチンのサルタを出発して、MotoGPの開催地としても知られるテルマス・デ・リオ・オンドへと向かう800㎞以上のルート。371㎞のスペシャルステージを先頭でスタートしたバレダ選手は、持ち前のスピードを発揮して軽快な走りを披露。見事に今大会4勝目をつかみ取りました。

パウロ・ゴンサルヴェス選手は、前夜にエンジントラブルが判明し、エンジン交換を実施。これにより15分のペナルティータイムが科されますが、総合優勝に向けて全力で戦っています。この日のステージでは、バレダ選手に続くステージ2位でフィニッシュ。総合1位のマルク・コマ選手(KTM)に対して5分12秒差に詰め寄ります。ペナルティー加算によって、コマ選手との差は約20分となりますが、残り2日間での逆転を目指します。

マラソンステージ中は資材も人員も制限されているため、ライダーたちは自らの手でエンジン交換を行いました。ゴンサルヴェス選手のエンジンは、2日前にエンジン交換を行ったばかりのバレダ選手のものと交換。そして、バレダ選手はジェレミアス・イスラエル選手のエンジンを使用することとなりました。イスラエル選手は、チームメートのために自らのエンジンを提供し、残念ながらここでリタイアとなりました。

エルダー・ロドリゲス選手は、この日ステージ8位でゴール。深夜までエンジン交換作業を行ったにもかかわらず、トラブルなしで走りきりました。また、ライア・サンツ選手は前日に続き安定した走りを続け、ステージ17位、総合8位でこの日を終えています。

Hondaサウスアメリカラリーチームのハビエル・ピゾリト選手はステージ16位でフィニッシュし、総合順位を20位までアップ。ジェアン・アゼベド選手もステージ25位で走りきり、総合22位につけています。

※ステージ終了後、ペナルティータイムが発表され、ゴンサルヴェス選手は16分、バレダ選手には45分が加算されました。この結果、現時点での成績は、下表の通りとなっています。

コメント

ホアン・バレダ選手(第11ステージ / 優勝、総合19位)
「昨日、パウロのエンジンを私のエンジンと交換し、私はジェレミアスのエンジンを提供してもらいました。作業は深夜2時ごろまで続いたため、あまり休むことはできませんでした。昨夜降った雨の影響で川が増水するなど、前半は難しいコースでしたが、給油地点まで順調に走れました。その後の山道でかなり激しくプッシュしてフィニッシュしました。すべてがうまくいった結果のステージ優勝だと思います。チームは、ステージ優勝だけでなく、総合優勝も狙える位置にいると思います。残りの期間でも、チームの勝利を最優先に戦っていきます」

パウロ・ゴンサルヴェス選手(第11ステージ / 2位、総合2位)
「ハードなマラソンステージを1-2フィニッシュで終えることができました。ただし、エンジン交換によるペナルティーのために15分が加算されるので、マルクとの差は広がってしまいます。20分差を逆転するのは難しいかもしれませんが、ダカールではなにが起きるか分かりません。一日ずつ、しっかりと戦っていきます」

エルダー・ロドリゲス選手(第11ステージ / 8位、総合19位)
「チームにとって、すばらしい日になりました。私たちは、一丸となってTeam HRCの勝利のために戦っています。その目標を目指すための力になれて、とても満足しています」

ライア・サンツ選手(第11ステージ / 17位、総合8位)
「今年のダカールは1週間で2度のマラソンステージを迎えるという、非常にタフな大会です。昨日のアンデス山脈越えは本当に大変でしたし、夜は床で寝なければなりませんでしたので、今日はいつも以上に疲れていました。ですから、一番の目標である完走に向けて、リスクを取らずに慎重に走りました」

ウルフギャング・フィッシャー|Team HRC チーム監督
「今大会2度目のマラソンステージを終え、ビバークにたどり着きました。今年のマラソンステージは、Team HRCに大きな影響をもたらすようです。昨日は、山越えの長距離ステージでバレダ選手が優勝し、マシンにも問題は見られませんでした。しかし、ビバークに到着したあとに、ライダーたちがゴンサルヴェス選手のエンジンに問題があることに気付きました。ツールが全くない中で、選手たちは全員でマシンの確認を行い、解決方法を探りました。そして、ゴンサルヴェス選手がレースを続行できるよう、エンジン交換を決断。メカニックは作業ができないルールですから、ライダーたちが協力して自ら交換を行いました。バレダ選手は2日前にエンジンを交換したばかりで、チームの中で一番新しいエンジンをゴンサルヴェス選手のマシンに載せることを決め、さらにイスラエル選手のエンジンをバレダ選手のマシンに移すことも決めました。イスラエル選手はチームのために犠牲を払い、このステージでリタイアとなりました。すべての作業を終えたのは深夜で、ライダーたちは3時間しか睡眠を取っていません。それにもかかわらず、今日のステージでは1-2フィニッシュを勝ち取ってくれました。すばらしいチームスピリットですし、こうしたことを成し遂げられる選手たちを誇りに思っています。そして、リタイアとなってしまったイスラエル選手には、本当に感謝しています。塩湖でバレダ選手にトラブルが起きたときにも、けん引してビバークに戻ってくれたりと、いつも献身的な姿勢をみせ、だれよりも努力してくれました。ゴンサルヴェス選手は15分のペナルティーを受けることになりますが、まだ2日間残っています。勝負はまだついていませんから、できることすべてをやりきります」

※レポート、コメントは暫定結果に基づくものです。

TOMORROW'S STAGE

第12ステージ テルマス・デ・リオ・オンド~ロサリオ(アルゼンチン)
リエゾン(移動区間):726km  スペシャルステージ(競技区間):298km

アタックのとき
MotoGPや世界ツーリングカー選手権の舞台として知られるテルマス・デ・リオ・オンドを出発し、長いリエゾンを経てスペシャルステージに臨みます。コースの周りにある草木に気を付けながら進まなければなりません。大会は残り2日間。順位争いもし烈になるステージです。

リザルト

第11ステージ順位
順位 ライダー マシン タイム/差
1 I.ジェイクス KTM 3:28'08
2 R.ファリア KTM +0'08
3 T.プライス KTM +0'42
4 M.コマ KTM +1'05
5 P.クインタニラ KTM +2'38
6 エルダー・ロドリゲス Honda +3'50
 
13 ハビエル・ピゾリト Honda +6'45
14 ライア・サンツ Honda +9'25
20 ジェアン・アゼベド Honda +13'38
22 パウロ・ゴンサルヴェス Honda +14'42
40 ホアン・バレダ Honda +43'25
総合順位
順位 ライダー マシン タイム/差
1 M.コマ KTM 41:43'03
2 パウロ・ゴンサルヴェス Honda +21'12
3 T.プライス KTM +31'43
4 P.クインタニラ KTM +33'15
5 S.スヴィトコ KTM +48'07
6 R.ファリア KTM +1:40'43
 
8 ライア・サンツ Honda +2:13'20
12 エルダー・ロドリゲス Honda +3:25'39
18 ホアン・バレダ Honda +5:19'32
19 ハビエル・ピゾリト Honda +6:08'08
22 ジェアン・アゼベド Honda +6:22'48