2018年11月発表 2020年3月生産終了モデル
この情報は2020年3月現在のものです

走行性能

Photo:CBR1000RR SP

メインフレーム

応答性と軽量化を追求。
高剛性アルミダイキャストフレーム。

メインフレームは、中空アルミダイキャスト製の基本仕様を踏襲し、CAE解析と走り込みにより、エンジンハンガーの剛性を調整し、路面からの入力に対する俊敏な応答性を追求している。

Photo: CBR1000RR SP

シートレール

マスの集中に貢献する、
アルミダイキャスト製シートレール。

徹底した薄肉化により、軽量化を図ったアルミダイキャスト製シートレール。設計に際しては、シートレールもメインフレームの一部と捉え、メインフレームと組み合わせた状態での各部の剛性を最適化。また、軽量化によるマスの集中化により、軽快感のあるニュートラルなハンドリング特性に大きく寄与している。

Photo: CBR1000RR SP

スイングアーム

高剛性としなやかさを両立。
スイングアーム。

クロスメンバー部分をアルミ鋳造、右側アームをガルアームタイプのアルミプレス成形、左側アームをアルミ押し出し成形とアルミプレス成形によって構成したハイブリッド構造のスイングアーム。各部肉厚の最適化により軽量化を図り、左右の剛性バランスをシンメトリーとするよう設計。合わせて大径リアアクスル採用による剛性バランスの最適化を図り、高剛性としなやかさを両立している。

Photo: CBR1000RR SP

ブレーキシステム

操る楽しみを追求したブレーキシステム。

CBR1000RRは、フロントにラジアルマウント式の対向ピストン4ポッドキャリパーを装備。キャリパーボディーの形状最適化を行い、高い剛性を確保しながら軽量化を両立している。CBR1000RR SPには、ブレンボ製のモノブロックキャリパーを踏襲。高速、高負荷時のμ変化を抑える高μブレーキパッドを採用し、加減速を繰り返す場面での安定した制動フィールを獲得している。リアブレーキはブラケット形状を見直し軽量化を追求。また、フロントにはφ320mmのダブルディスク、リアにはφ220mmのシングルディスクを採用している。

Photo: CBR1000RR SP
Photo: CBR1000RR
Photo: CBR1000RR

ABS

高度なブレーキ制御にさらなる進化を。
スーパースポーツモデル専用ABS。

直進時に加え、コーナリング時のブレーキ操作の安心感を高めながら、電子制御式コンバインドABSに対し約3,000g軽量化を図ったスーパースポーツモデル専用ABSを新たなセッティングで搭載。このシステムは小型軽量ABSモジュレーターとIMU(車体姿勢推定システム)、前後車輪速センサーにより構成。IMUからの信号によりABSモジュレーター内のECUが車体姿勢を検知。直進時やコーナリング時など、シチュエーションに合わせてブレーキを制御することでスーパースポーツならではの高い操作感覚に大きく貢献している。

※ABS: アンチロック・ブレーキ・システム

ABSイメージ図

操る楽しさを追い求めライダーに呼応する、深化したスーパースポーツ専用ABS。

ブレーキング時に発生するIMUからの加速度信号を、ABSモジュレーター内のECUが演算することで車体挙動を検知し、ブレーキ圧を緻密にコントロール。これにより高い制動性能を発揮しながらリアリフトの抑制が可能となり、公道走行からスポーツ走行などにおけるハードなブレーキングの際にも、安心感を向上させている。さらにサーキットのような高速、高減速度を要求されるシチュエーションにおいてのABS介入を最適化し、セッティングを熟成。これにより、スポーツ走行時のブレーキコントロール性に優れ、ライダーのイメージに沿ったライディングに貢献している。また、IMUの情報からABSモジュレーター内のECUが算出した車体バンク角と、前後車輪速センサーからの車体減速度と前後輪スリップ率から、コーナリング中にブレーキをかけた時の車体バンク角に応じ、制動力をABSがコントロール。これにより直進時やコーナリング時などあらゆる時に、ライダーの意志とシンクロするような自然な操作フィーリングを獲得している。

※ABSはライダーのブレーキ操作を補助するシステムです。ABSを装備していない車両と同様に、コーナー等の手前では十分な減速が必要であり、無理な運転までは対応できません。ABS作動時は、キックバック(揺り戻し)によってシステム作動を知らせます。

リアリフト抑制制御イメージ図
車体バンク時のブレーキ制御イメージ図

IMU

緻密な車体コントロールを実現する
車体姿勢推定システム、IMU。

緻密な車体コントロールを実現するため、IMUを搭載。IMUは車体の角速度、加速度を検出し、これを車体姿勢の推定データとして活用。Honda独自のアルゴリズムによる車体姿勢角の演算を1秒間に100回というスピードで行い、車体姿勢の推定精度を上げている。この車体姿勢の情報をABSやHonda セレクタブル トルク コントロール、またCBR1000RR SPではÖHLINS Smart ECシステムと組み合わせることで、走行シチュエーションに応じた操る楽しさを追求している。

※IMU: Inertial Measurement Unit

電子制御サスペンション

最新世代の電子制御サスペンション。
ÖHLINS Smart ECシステム。
(CBR1000RR SPに採用)

CBR1000RR SPには、圧側、伸び側の減衰力を常時コントロールし、走行状況に合わせたセッティングに自動調整する最新世代の電子制御サスペンション、ÖHLINS Smart ECシステム(フロント:φ43mm倒立フォーク NIX30 EC、リア:TTX36 EC、コンピューター:サスペンションコントロールユニット〈SCU〉)を採用。前後サスペンションは、搭載された各制御ユニットからの車体情報をSCUが受け取ることで、ライディング状況を常に判断。走行状況に合わせた圧側、伸び側の減衰力を設定し、サーキットから市街地まで、ぞれぞれのシチュエーションにフレキシブルに対応するライディングの楽しさを追求している。

※ÖHLINS Smart ECはスウェーデンÖHLINS RACING ABの登録商標です。

Photo: CBR1000RR SP リアサスペンション
Photo: CBR1000RR SP フロントサスペンション
ÖHLINS Smart ECシステム制御概念図

自動モードと手動モードを用意。
ÖHLINS Smart ECシステムのモード設定。

ÖHLINS Smart ECシステムには、走行シチュエーションに応じた減衰力特性を自動で調整するAモードと減衰力特性を手動で調整するマニュアルモードを設定。好みに応じて選択可能となっている。

Aモードは、あらかじめ設定されている3つのモード(A1、A2、A3)から選択でき、走行シチュエーションに応じて、特性の異なる操縦フィール、乗り心地を楽しむことができる。

■Aモード選択一覧
各サポート項目の調整範囲(±5)

A1 (Track)
サーキットなどでのスポーツ走行を目的に最適化された減衰力特性。
A2 (Winding)
ワインディング走行などを想定した減衰力特性。ファンライドと快適性の洗練されたバランスを提供。
A3 (Street)
路面ギャップをしなやかに吸収し、より快適性に優れた乗り心地を提供。

Aモードのデフォルト値はメーター内のFUNCTION SETTING画面から調整可能。A1ではユーザー側による調整を可能とするÖHLINS Object Based Tuning interface(OBTi)により、BRAKE、ACC、CORNER、GENERALの各項目をデフォルトまたは10段階の減衰力から選択可能。OBTiはÖHLINSのレース経験により蓄積された情報を活用し、1つのパラメーターを調整するだけで、ブレーキング時の特性に応じてシステムが自動的に前後サスペンションの圧側、伸び側の各減衰力を調整。A2、A3では、ライダーがBRAKE、GENERALの各項目をデフォルトまたは10段階の減衰力から選択可能となっている。

※走行特性は、右記の4項目を示します。BRAKE=減速 ACC=加速 CORNER=旋回 GENERAL=全域


マニュアルモードはサスペンションセッティングを任意に固定できるモード。各マニュアルモードのセッティングは、メーター内のFUNCTION SETTING 画面から21段階の調整が可能となっている。

■マニュアルモード選択一覧
減衰力の調整範囲 (Min-Max)

サスペンション

路面追従性に貢献するサスペンション。
(CBR1000RRに採用)

CBR1000RRのサスペンションは、フロントに、インナーチューブ径43mmの倒立タイプのテレスコピック式ビッグ・ピストン・フロントフォークを採用。ストローク初期でのスムーズさと減衰力のすばやい立ち上がりを可能としている。リアはユニットプロリンクサスペンションを採用し、バランス・フリー・リアクッションを巧みに配置。ダンパーケース内にインナーシリンダーを備えるダブル構造で、ダンパー内の圧力変化をスムーズにコントロールし路面追従性を追求している。

Photo:CBR1000RR 車体色はグランプリレッド

HESD

電子制御方式の油圧ステアリングダンパー。

小型・軽量の電子制御方式の油圧ステアリングダンパー、HESD(Honda Electronic Steering Damper)。車速と加速度をセンサーが感知してECUでダンパーの減衰特性を制御することで、低速走行時には軽快な取りまわし、高速走行時では路面からの外乱を抑えることを可能としている。


  • 一部の写真は撮影のため一部の部品を取り外しています。
  • 一部の写真は海外仕様車です。
  • 一部の写真はクローズドコースで撮影したものです。
  • 走行写真は、プロライダーによる走行を撮影したものです。一般公道で走行する場合は制限速度を守り、無理な運転をしないようにしましょう。