最終戦はレース1で7位、レース2では4位となったデェニス・オンジュだが、わずか1ポイントの僅差でチャンピオンを獲得した。2018シーズンはMoto3ジュニア世界選手権に参戦中

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2017年のイデミツ・アジア・タレント・カップは
最終戦マレーシアまでもつれたタイトル争いをデェニス・オンジュが制し
トルコ人として初のチャンピオンを獲得した

アジア・タレント・カップも無事に4年目のシーズンを終えた。チャンピオンを獲得したのはシリーズ参戦2年目、トルコ出身の14歳のライダー、デェニス・オンジュ。

デェニスは双子のオンジュ兄弟の兄で、開幕2連勝を飾り、シーズン序盤からチャンピオンシップをリード。第3戦鈴鹿終了時点で、参戦1年目の埜口遥希がポイントリーダーに浮上したが、第5戦もてぎ終了時点でデェニスが再度ランキングトップに立ち、最終戦セパンを終えて、2位の埜口にわずか1ポイント差で4代目チャンピオンとなった。

惜しくもランキング2位となった埜口だが、アジア・タレント・カップ参戦1年目ながら、鈴鹿の第3戦決勝レース1で1勝をマーク。シーズン通算5回の表彰台を獲得する活躍を見せた。

ランキング3位にデェニスの双子の弟、カン・オンジュが続いた。カンは最終戦でダブルウインを飾り、シーズン最多の4勝を記録。一発の速さでは定評があるが、もてぎの2レースで転倒ノーポイントに終わり、チャンピオン争いから脱落してしまった。

もてぎで初優勝を達成、通算5回表彰台を獲得した山中琉聖がランキング4位。2年目の國井勇輝は、並行して参戦するMoto3ジュニア世界選手権のポルトガルラウンドでケガを負い、アジア・タレント・カップの7月のセパンラウンドを欠場。レースでのノーポイントが響いたが、シーズン3勝、通算6回の表彰台を獲得してランキング5位となった。

第5戦鈴鹿から途中参戦した中島元気が表彰台に2回立ち、ランキング8位を獲得。平間光司がランキング9位、鈴木大空翔がランキング12位、鈴木光来がランキング13位、斉藤魁がランキング15位、服部真騎士がランキング19位と、日本人ライダーはそれぞれが活躍を収めた。

また、最終戦セパンの前には、2018年シーズンに向けてのライダーセレクションも行なわれ、書類審査を通過した14カ国86名のライダーが参加した。その中から、14名(インドネシア4名、オーストラリア3名、日本3名、マレーシア1名、タイ1名、フィリピン1名、カタール1名)が選出され、リザーブライダーとして5名が候補に入った。

日本人ライダーでは、千田俊樹、山田尚樹、西村硝の3名が合格。木内尚汰、大堀和基の2名がリザーブとなった。

イデミツ・アジア・タレント・カップ イデミツ・アジア・タレント・カップ第5戦もてぎ ツインリンクもてぎ 2017年10月13日-15日

日本GPの併催レースとしてツインリンクもてぎで開催された第5戦は、レースウイークを通じて天候に恵まれなかった。
予選でポールポジションを獲得したのは國井勇輝。土曜日に行なわれた決勝レース1は、かろうじてドライでスタートしたものの、途中で雨が降り始め、7周を回った段階で赤旗中断。残り5周で再スタートが切られることになった。赤旗中断によりスケジュールが押したため暗くなり、視界の厳しいコンディションの超スプリントレースを山中琉聖が制し、IATC初優勝を達成。 日曜日の決勝レース2もウエットとなったが、國井勇輝が独走で今季3勝目を記録。中島元気が2位に入賞した。

レース1の表彰台。左から2位入賞のアズロイ・アヌア、優勝の山中琉星、3位入賞のデェニス・オンジュ。山中はIATC初優勝。2014年の初年度から続く、もてぎラウンドでの日本人ライダー優勝記録を更新した

レース1の表彰台。左から2位入賞のアズロイ・アヌア、優勝の山中琉聖、3位入賞のデェニス・オンジュ。山中はIATC初優勝。2014年の初年度から続く、もてぎラウンドでの日本人ライダー優勝記録を更新した

レース2の表彰台。左から2位入賞の中島元気、優勝の國井勇輝、3位入賞のデェニス・オンジュ。右端はIATCシリーズのタイトルスポンサーでもある出光興産株式会社広報CSR室長の児玉秀文氏。イデミツはアジアの若手ライダー育成を強力にサポートしている

レース2の表彰台。左から2位入賞の中島元気、優勝の國井勇輝、3位入賞のデェニス・オンジュ。右端はIATCシリーズのタイトルスポンサーでもある出光興産株式会社広報CSR室長の児玉秀文氏。イデミツはアジアの若手ライダー育成を強力にサポートしている

赤旗中断で時間が押し、周回を重ねるごとに暗くなっていく難しいレースでIATC初優勝を飾った山中琉聖(#12)

赤旗中断で時間が押し、周回を重ねるごとに暗くなっていく難しいレースでIATC初優勝を飾った山中琉聖(#12)

ADC、ATC、Moto3ジュニアを経て、2017年からMoto3に参戦しているタイ人のナカリン・アティラプワパ

ケガからの復帰戦となった國井は第10戦で独走優勝、シーズン3勝目をマーク

第5戦 日本 レースリザルト

イデミツ・アジア・タレント・カップイデミツ・アジア・タレント・カップ最終戦セパン セパン・インターナショナル・サーキット 2017年10月27日-29日

2017年シーズンの最終戦となった第6戦の舞台はマレーシアGP併催のセパン。セパンでは7月に続いて昨年2回目のIATC開催となった。

予選でポールを獲得したのは地元出身のアズロイ・アヌア。土曜日のレース1ではカン・オンジュが独走優勝を果たす。2位争いは6人のライダーによる接戦となり、ゲリー・サリムが2位、國井勇輝が3位に入賞。

日曜日のレース2でもカン・オンジュが独走し、ダブルウインを達成。埜口遥希が2位、國井勇輝が3位に入賞した。タイトル争いでは、デェニス・オンジュが7位/4位に入賞してアジア・タレント・カップ第4代チャンピオンを獲得した。

レース1の表彰台。左から2位入賞のゲリー・サリム、優勝のカン・オンジュ、3位入賞の國井勇輝。カン・オンジュは昨シーズンの通算3勝目、サリムは通算2度目、國井は通算4度目の表彰台を獲得した

レース1の表彰台。左から2位入賞のゲリー・サリム、優勝のカン・オンジュ、3位入賞の國井勇輝。カン・オンジュは昨シーズンの通算3勝目、サリムは通算2度目、國井は通算4度目の表彰台を獲得した

レース2の表彰台。左から2位入賞の埜口遥希、優勝のカン・オンジュ、3位入賞の國井勇輝。埜口は最後までタイトル争いに加わったが、1ポイント差でランキング2位に。國井はダブル表彰台を獲得。カン・オンジュがダブルウインで昨シーズン通算最多の4勝を記録

レース2の表彰台。左から2位入賞の埜口遥希、優勝のカン・オンジュ、3位入賞の國井勇輝。埜口は最後までタイトル争いに加わったが、1ポイント差でランキング2位に。國井はダブル表彰台を獲得。カン・オンジュがダブルウインで昨シーズン通算最多の4勝を記録

最終戦の2レースでダブルウインを達成したカン・オンジュ。2017年シーズン最多となる通算4勝を記録

最終戦の2レースでダブルウインを達成したカン・オンジュ。2017年シーズン最多となる通算4勝を記録

2番手争いは両レースともATCらしい接戦のバトルが展開された

2番手争いは両レースともATCらしい接戦のバトルが展開された

第6戦 マレーシア レースリザルト