ROUND 04

マレーシアマレーシア セパン・インターナショナルサーキット 2017.07.30(日)・IATC 決勝

第4戦 マレーシア

予選から速さをみせていたカン・オンジュが両レースを制す

2017年7月29日(土)~30日(日)  会場:セパン・インターナショナル・サーキット  

天候:29日/35.4ºC、30日/32.7ºC  路面温度:29日/50.7ºC、30日/48.7ºC  

湿度:29日/48%、30日/64%  コンディション:29日/ドライ 30日/ウエット

トルコ人ライダーのカン・オンジュがレース1を制す

セパン・インターナショナル・サーキットで行われたマレーシア大会のレース1で、カン・オンジュが圧倒的な速さで勝利を収めました。ポールポジションからスタートすると、序盤は少しまごついたものの、すぐに後方と大きなギャップを築きます。その後は終始トップを走り続け、そのままチェッカーを受けました。地元ライダーのアズロイ・アヌアが2位、ゲリー・サリムは3位表彰台を獲得しました。

フロントローからレースに挑んだデェニス・オンジュは、好スタートを切りホールショットを獲得しましたが、そのあとミスによりポジションを落としました。それによりトップに立ったカン・オンジュが、後方に大きな差をつけて独走態勢に入ります。

レース序盤では5人のライダ―がセカンドグループを形成し、サリム、ポイントリーダーの埜口遥希、デェニス・オンジュ、アヌア、そして山中琉聖がポジション争いを繰り広げました。5人によるポジション争いはテール・トゥー・ノーズの熱い接戦となり、ラップごとにポジションが変わります。

4ラップ目に入るころには、カン・オンジュが後方に3秒ほどのギャップを築き、残りのレースでもその差が縮まることはありませんでした。最終的にチェッカーを受ける際には、後方に4秒以上の差を築いていました。

地元ライダーのアヌアは、2番手争いの集団をうまく抜け出し、そのままゴールを果たしました。そしてインドネシア人ライダーのサリムは最終コーナーでのポジション争いを制し、3位表彰台を獲得しました。埜口は4位となり、ランキングトップの座を守りました。山中は5位、デェニス・オンジュが6位でした。

平間光司は単独走行で7位。中島元気は鈴木大空翔に大きな差をつけて8位、鈴木は9位、インドネシア人ライダーのラッキー・ヘンドリアンシャーは10位につけました。

11位から15位にはそれぞれムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー、鈴木光来、斉藤魁、ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダン、ビマ・フェブリダ・アルフィンが入りました。


カン・オンジュがダブルウインを達成

カン・オンジュが鮮やかな勝利を収めたレース1に続き、レース2でも勝利し、ダブルウインを達成しました。双子の兄弟であるデェニス・オンジュが2位、山中琉聖は3位表彰台を獲得しました。

レース開始直前に雨が降ったことで、ラップ数は11周に短縮。ライダーたちはウエットタイヤに履き替えてレースに挑みましたが、路面がすぐに乾き始めるという難しいコンディションとなりました。

レースでは、開始直後に山中が飛び出しますが、ホールショットを獲得したのはカン・オンジュ。その後ろに山中とデェニス・オンジュが続きます。3周目になると、山中がペースを上げ、トップのカン・オンジュに迫ります。この時点で、カン・オンジュが独走して優勝したレース1とは全く異なる展開になることが予想されました。

地元ライダーのアヌアは、トップを走る3人との差を縮めようと奮闘しますが、ラップを刻むにつれ、カン・オンジュが後続を徐々に引き離しはじめます。先頭を走るプレッシャーをものともしないかのような冷静な走りで、若きトルコ人ライダーがアジア・タレント・カップの初開催となるセパン大会でダブルウインを達成すべく、後続と大量のギャップを築き始めました。

双子の兄弟であるデェニス・オンジュはカン・オンジュと最も近いポジションにつけていましたが、徐々にセカンドグループに巻き込まれていきます。しかし、なんとか山中の前を走り続けて2位に。山中は3位に入りました。アヌアは表彰台こそ獲得できなかったものの、終始アグレッシブな走りをみせて4位となりました。

5番手を争ったのはポイントリーダーの埜口遥希、平間光司、そしてレース1で表彰台を獲得したゲリー・サリムでした。レース中盤までは平間が5番手争いの集団の中でトップを守っていましたが、ミスによりポジションを落とします。その結果、埜口とサリムが5番手の座を争いましたが、最終的に若き日本人ライダーが5位入賞を果たし、ランキングトップの座を守りました。サリムは6位となりました。

インドネシア人ライダーのラッキー・ヘンドリアンシャーは、独走を続け7位に。ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーは8位となりました。9位にはクリッチャポーン・ケウォサンティが入り、レース1の雪辱を果たしました。鈴木光来は10位につけました。

鈴木大空翔は11位、ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンが12位に入りました。オーストラリア人ライダーのリード・テレンス・バッティは13位、シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミが14位、そしてココ・タダチは15位となりました。

アジア・タレント・カップの次戦は、MotoGPのサポートレースとしてもてぎで行われ、今シーズン2回目となる日本での戦いを迎えます。

コメント

青山博一 アジア・タレント・スカウト
レース1後のコメント
「セパンでのレース1は非常にクリーンなものでした。カン・オンジュにおめでとうを言いたいです。彼は予選から速さをみせていたので、決勝でもいい走りをしてくれることを期待していました。好スタートを決め、そのあともいいリズムをキープしていましたね。山中、アヌア、デェニス、そしてサリムがトップのカン・オンジュを追いかけようとしていましたが、追いつけず、セカンドグループを形成していました。カン・オンジュは本当にいいレースをしていましたね。アヌアも2番手争いをよく制してくれたと思います。サリムは最終コーナーでクラッシュしそうになりましたが、最終的に3位になることができました。彼らはいい走りをみせてくれました。明日のレース2にも期待しましょう。今年はみんながここ数年に比べて速い走りをみせていたと思います」

レース2後のコメント
「ライダーたちにとっては難しいレースだったと思います。レース開始直前に雨が降ったため、一度ピットストップしてタイヤを変える必要があったからです。再びグリッドに戻ったあとは、ドライでもなければウエットでもないという中途半端な路面コンディションをウエットタイヤで戦わなければなりませんでした。タイヤにとっても難しい状況でしたが、いいパフォーマンスを発揮してくれました。カンは路面のコンディションに関係なくすばらしいレースをみせてくれました。またデェニスは、昨夜から体調が優れなかったにもかかわらず、最後まで戦い抜きました。レース1では望むような結果を得られなかった山中も、デェニスはパスできなかったですが、今日は昨日よりいい走りができていましたね。今日はライダーたちがみんないい走りをしました! Hondaとイデミツのスタッフ、彼らのサポートに感謝をしたいです。次はもてぎに焦点を合わせなければなりません。今大会の2レースを終え、ポイントランキングはより接戦になっています。まだ大会は残っているので、残りのシーズン、ライダーたちの走りをどのように高めていけるのか、試行錯誤し続けたいです」

リザルト

レース1

順位 No. ライダー タイム/差
13カン・オンジュトルコ30'01.809
220アズロイ・アヌアマレーシア+4.412
34ゲリー・サリムインドネシア+5.270
49埜口遥希日本+5.316
512山中琉聖日本+5.381
67デェニス・オンジュトルコ+5.957
78平間光司日本+20.623
84中島元気日本+27.503
92鈴木大空翔日本+30.862
1013ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア+39.263
1124ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーインドネシア+40.838
1218鈴木光来日本+41.165
1310斉藤魁日本+41.260
1411ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンマレーシア+42.200
1514ビマ・フェブリダ・アルフィンインドネシア+1'32.859
1623ココ・タダチフィリピン+1'33.054

レース2

順位 No. ライダー タイム/差
13カン・オンジュトルコ26'37.821
27デェニス・オンジュトルコ+2.423
312山中琉聖日本+2.700
420アズロイ・アヌアマレーシア+3.276
59埜口遥希日本+16.480
64ゲリー・サリムインドネシア+16.841
713ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア+31.873
824ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーインドネシア+35.530
915クリッチャポーン・ケウォサンティタイ+35.715
1018鈴木光来日本+35.795
112鈴木大空翔日本+37.287
1211ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンマレーシア+53.482
1316リード・テレンス・バッティオーストラリア+1'02.311
1419シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミマレーシア+1'08.260
1523ココ・タダチフィリピン+1'19.294
NC14ビマ・フェブリダ・アルフィンインドネシア
NC10斉藤魁日本
NC8平間光司日本
NC4中島元気日本

ポイントランキング

順位 No. ライダー 総合ポイント
19埜口遥希日本111
27デェニス・オンジュトルコ102
312山中琉聖日本98
43カン・オンジュトルコ97
520アズロイ・アヌアマレーシア93
65國井勇輝日本85
74ゲリー・サリムインドネシア55
88平間光司日本47
913ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア44
1024ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーインドネシア37
1115クリッチャポーン・ケウォサンティタイ34
124中島元気日本33
1318鈴木光来日本33
142鈴木大空翔日本29
156イルファン・アルディアンシャーインドネシア22
1610斉藤魁日本19
1717服部真騎士日本12
1811ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンマレーシア11
1916リード・テレンス・バッティオーストラリア8
2025パサーウィト・ティチバークタイ4
2122リフサ・フィルダウス・ハキムインドネシア2
2219シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミマレーシア2
2314ビマ・フェブリダ・アルフィンインドネシア1
2423ココ・タダチフィリピン1

ランキング詳細


フォトギャラリー

カン・オンジュ

カン・オンジュ

カン・オンジュ(正面)

デェニス・オンジュ(左)、カン・オンジュ(右)

山中琉聖

山中琉聖(右)

山中琉聖(#12)

アズロイ・アヌア

ゲリー・サリム

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