ROUND 01

マレーシアマレーシア ジョホール・サーキット 2017.04.02(日)・SS600 決勝

開幕戦 マレーシア

レース1でザイディが、レース2では羽田が勝利。Honda勢が両レースを制す

2017年4月1日(土)~2日(日)  会場:ジョホール・サーキット

2017年のアジアロードレース選手権(ARRC)のスーパースポーツ600ccクラス(SS600)には、6年連続となるチームと個人タイトルを狙うMuSASHi Boon Siew Honda Racingから、昨年のチャンピオンであるザクワン・ザイディが引き続き参戦。チームメートには、全日本ロードレース選手権ST600クラスとのダブル参戦となる、名越哲平が抜てきされました。また、RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.に、昨年ランキング10位となった羽田太河が移籍。シャンカール・サラト・クマール、昨年はCEVレプソルインターナショナル選手権に参戦していた山田誓己とチームメートとなり、シーズンを戦います。A.P.Honda Racing Thailandには、全日本ロードレース界におけるトップライダーの一人である山口辰也が加わり、同チームにラタポン・ウィライローが。Astra Honda Racing Teamからは、イルファン・アルディアンシャーが参戦しました。

ARRCの開幕戦は、マレーシアのジョホール・サーキットで行われました。当初、開幕戦の舞台はセパン・サーキットとなっていましたが、急きょ変更され、決勝日の2週間前に当地でテストを実施。そこで各チームが最後の調整を行い、本番を迎えました。

ザクワン・ザイディ
ザクワン・ザイディ

ポールポジションを獲得したのはディフェンディングチャンピオンのザイディ。2番手にデチャ・クライサルト(ヤマハ)、3番手に羽田がフロントローに並びました。

レース1は今にも雨が降り出しそうな天候となり、路面温度が低めでのスタート。母国での勝利に燃えるザイディがホールショットを奪い、羽田を含む数台が追いかけます。序盤に雨が落ち、路面状況が変化したすきを突いて、一時はクライサルトがトップを奪いますが、ザイディは冷静に状況を見てその座を奪い返します。その後、ザイディを追うクライサルト、羽田、伊藤勇樹(ヤマハ)でトップ集団を形成し、後続を引き離していきました。やがて、羽田が2番手に浮上。そのままトップの座も狙いますが、追いすがる羽田を振りきってザイディが勝利。羽田は2位となりました。そのほかのHonda勢は、アルディアンシャーが8位、名越が9位、山田が10位、山口が11位でチェッカーを受けました。

羽田太河
羽田太河

レース2は晴天となり、レース1に比べて路面温度が上昇。レース1とは異なるコンディションとなりました。ここでホールショットを奪ったのは羽田。クライサルトとアズラン・シャー・カマルザマン(カワサキ)が、その羽田をマークしました。ダブルウインを狙うザイディは、2ラップ目に転倒してしまいリタイア。さらに、クライサルトもコースアウトとなりました。トップ争いは羽田をカマルザマン、アハマド・ユディスティラ(カワサキ)、伊藤、アルディアンシャーが僅差で追う展開に。そこから、羽田、カマルザマンが抜け出し、2台でのトップ争いに。終盤には羽田がカマルザマンを突き放し、独走態勢を築いて初優勝のチェッカーを受けました。2位にカマルザマン、3位には12番グリッドから追い上げをみせたアルディアンシャーが入りました。山口は7位、名越は8位、山田は9位でレースを終えました。

羽田は速さがあるものの、転倒も多く昨年のランキングは10位。そこからオフシーズンのトレーニング経て筋力アップを図り、開幕戦で2位と優勝という結果を残しました。

コメント

羽田太河(スーパースポーツ600cc 2位/優勝) 羽田太河 「手島(雄介)監督をはじめ、メカニックの皆さん、スポンサーの皆さまのおかげで勝つことができました。本当にありがとうございます。今回は、落ち着いて周囲が見えていましたし、冷静に戦えました。勝てるマシンを用意してくれたチームに感謝したいです。この結果に浮き足立つことなく、いい走りができるように次戦も気を引き締めて臨みます」

ザクワン・ザイディ(スーパースポーツ600cc 優勝/リタイア) ザクワン・ザイディ 「今回、(デチャ)クライサルトが強敵だと感じていました。彼がトップに立ったとき、彼を抜くのは非常に難しいと思いました。なので、タイヤのライフをマネジメントし、完ぺきな機会を得るまで待ちました。10ラップ目でクライサルトの前に出られたあとは、逃げようとしましたが、すぐ後ろに羽田(太河)が迫っていることに驚きました。ですが、残り周回数は少なく、逃げきれました」

名越哲平(スーパースポーツ600cc 9位/8位) 「コースの印象は、日本にはないアップダウンの激しいレイアウトに荒れた路面。どう車体をセットアップしていけばいいのか、どう攻めればいいのか分からず最後まで苦戦しました。レース1ではスタートをミスしてしまい、少しずつポジションを回復しましたが、納得のいくところまでは届きませんでした。ですがラップタイムを見ると、トップグループについていければチャンスはあると思えました。次戦のタイラウンドは、今回の反省点を活かして自分らしい走りができるよう、マシンのセットアップとライディングをもっと考えながらトライしていき、まずは1勝を目標にがんばります」

山口辰也(スーパースポーツ600cc 11位/7位) 「僕の一番の仕事は、若いライダーにセットアップへの取り組み方を伝えていくことです。そしてこの依頼を受けたのは、全日本のJSB1000は、プライベーターがテストをする機会がほとんどないため、そこで勝利するために技術を上げたいと考えたからです。ジョホールはコースが補修されていません。走り出すと、前のライダーが飛ばす路面の石が身体に当たり、スクリーンもカウルも割れるなど苦労しました。ですが、トライ&エラーを繰り返しながら、進歩を感じられました。結果はがんばってくれたチームに申し訳ない気持ちでいっぱいです。次はチームの地元なので、がんばってポジションを上げたいです」

山田誓己(スーパースポーツ600cc 10位/9位) 「事前のテストで進めていたセットアップがしっくりこなかったため、金曜日に違う方向に変えました。いいフィーリングが出てきたんですが、一日出遅れてしまったことが反省としてあります。ですが、予選、レース1、レース2と、状況がよくなっていきました。レース2では、自分のミスでポジションを落としてしまいましたが、手応えを感じています。今回の反省を活かして、次は上位を目指します」

リザルト

レース1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
121ザクワン・ザイディHonda1624'48.515
223羽田太河Honda16+0.739
376伊藤勇樹ヤマハ16+3.552
425A.シャー・カマルザマンカワサキ16+8.031
524D.クライサルトヤマハ16+8.478
665 C.ポラマイヤマハ16+9.335
816イルファン・アルディアンシャーHonda15+1Lap
9634名越哲平Honda15+1Lap
1017山田誓己Honda15+1Lap
11104山口辰也Honda15+1Lap
1469シャンカール・サラト・クマールHonda15+1Lap
DNF59ラタポン・ウィライローHonda15+1Lap

レース2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
123羽田太河Honda1624'51.787
225A.シャー・カマルザマンカワサキ16+5.089
316イルファン・アルディアンシャーHonda16+13.141
433A.ユディスティラカワサキ16+16.693
559ラタポン・ウィライローHonda16+17.742
641芳賀紀行ヤマハ16+18.102
7104山口辰也Honda16+18.418
8634名越哲平Honda16+19.722
917山田誓己Honda16+26.673
1469シャンカール・サラト・クマールHonda16+1'15.807
DNF21ザクワン・ザイディHonda1+15Laps

ポイントランキング

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
123羽田太河Honda45
225A.シャー・カマルザマンカワサキ33
321ザクワン・ザイディHonda25
416イルファン・アルディアンシャーHonda24
533A.ユディスティラカワサキ22
676伊藤勇樹ヤマハ21
8634名越哲平Honda15
11104山口辰也Honda14
1217山田誓己Honda13
1359ラタポン・ウィライローHonda11
1569シャンカール・サラト・クマールHonda4

ランキング詳細


フォトギャラリー

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ

羽田太河

イルファン・アルディアンシャー

SS600クラス レース2

羽田太河

羽田太河

羽田太河(中央)、イルファン・アルディアンシャー(右)

イルファン・アルディアンシャー(#16)

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