モータースポーツ > アジアロードレース選手権 > 第4戦 日本 > 決勝
September 7 2014All Asia Road Racing Championship Japan
日本
2014年9月7日(日)・決勝 会場:鈴鹿サーキット 天候:晴れ コースコンディション:ドライ
アジアロードレース選手権の第4戦が9月7日(日)、三重県・鈴鹿サーキットで開催されました。鈴鹿サーキットでアジアロードレース選手権が開催されるのは2度目となります。玉田誠(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は負傷のため、昨年の鈴鹿戦は欠場しており、スーパースポーツ600ccでの参戦は初。チームメートのザムリ・ババ、ザクゥアン・ザイディは、昨年の経験を生かして挑みます。小山知良(T.Pro Yuzy Honda)、岩田悟(T.Pro Yuzy Honda)は全日本ロードレース選手権とのダブル参戦をしており、走り慣れた鈴鹿で勝利を目指します。また、インドネシアの事故で亡くなったデニー・トリユゴ・ラクソノの代役としてファディル・イマムディン(Astra Honda Racing)が、ディマス・プラタマのチームメートとして今後のアジアロードレース選手権に参戦することになりました。
予選は、午前に行われた走行でランキングトップのババがヘアピンで転倒し、オフに痛めた大たい骨を再び痛め、ドクターストップで欠場となりました。午後に行われた予選では、ザイディが早々にトップタイムを叩き出します。その後、そのタイムを伊藤勇樹(ヤマハ)が上回ったのですが、次周に転倒車が出て、残り17分で赤旗中断となってしまいます。タイムアタックは再開されましたが、黒い雲が出現し、雷の音も大きくなります。雨が降り出す前にタイムアップしようと一斉にコースイン。緊迫したアタックとなりました。ここで玉田が3番手に浮上。雨が降り出したことで、残り5分でレッドクロスが提示され、残り2分30秒で豪雨のため赤旗終了。ポールポジション(PP)は伊藤、2番手にザイディ、3番手が玉田となり、フロントローに並びました。
決勝は晴天となり、ドライコンディションでレースが行われました。ホールショットは伊藤、2番手にザイディ、3番手に玉田がつけます。序盤から激しいトップ争いで、13台が数珠つなぎとなり周回を重ねます。
2ラップ目に首位を奪ったザイディがレースをリード。4ラップ目にはザイディに藤原克昭(カワサキ)が急接近し、首位を奪います。6ラップ目には玉田がトップに浮上し、藤原との激しい攻防を見せます。8ラップ目のオーダーは、ザイディ、玉田、藤原の順。10ラップ目には、ザイディ、玉田、藤原、伊藤、プラタマ、小山の6台にトップ争いが絞られます。
11ラップ目の130Rで、玉田が首位に立ちますが、藤原が抜き返し、玉田、伊藤、ザイディ、小山の激しいトップ争いとなります。最終ラップのシケインでの攻防で藤原に襲いかかった玉田が激しいスライドを見せ、ギリギリのブレーキングで迫りますが届かず。藤原が先行し、小山は伊藤、ザイディの2台を抜き去る離れ技を見せ、3番手に浮上し、藤原、玉田、小山の順で次々にチェッカーを受けました。
レース2のホールショットは玉田が奪います。すぐさまザイディが首位を奪い、伊藤、玉田が追う展開になりました。2ラップ目は伊藤、ザイディ、玉田、ジャクリット・サワンサワット(AP Honda Thailand)、小山が抜け5台のトップ争いとなります。その集団に藤原、プラタマ、稲垣誠(ヤマハ)が追いつき、トップ集団は8台に。
10ラップ目、ザイディがスプーンで伊藤を捕らえますが、130Rで抜き返されました。シケインで小山が仕掛け、伊藤、小山、サワンサワット、ザイディ、藤原、プラタマ、玉田、稲垣とポジションが大きく動きます。小山は12ラップ目スプーンで首位に立ちますが、伊藤が抜き返し、シケインで伊藤、藤原、小山とオーダーが変わります。プラタマが4番手に浮上し、トップ争いに迫りますが、伊藤、藤原、小山の順でチェッカーとなりました。
併催されたアジア・ドリーム・カップのPPはカイルール・イダム・パウィ。1レース目、好スタートを切ったのはパウィでトップ集団は11台。2ラップ目、その集団の森俊也、黒木玲徳が130Rで接触し転倒リタイアしてしまいます。レースをリードしたのはハリス・ファーハン・バハリンですが、5ラップ目のデグナーで接触転倒。そのあおりで名越哲平が2番手から6番手にダウン。首位はパウィ、名越は追い上げて2位、3位にアンディ・ファリド・イズディハールが入りました。
レース2は、レース1に比べて気温が5℃上がり、32℃。路面温度は17℃上がり、47℃になりました。コンディションの違うレースに挑みます。ホールショットはパウィで、トップのまま周回を重ねますが、5ラップ目に黒木が首位を奪います。6台が抜けだし、トップ集団を形成。激しい攻防となりましたが、パウィが制してダブルウインを飾りました。2位には初表彰台となるチュアン・アンユー、3位にアディティア・パンゲストゥが入りました。
玉田誠(スーパースポーツ 600cc 2位/5位)
「欠場したザムリ(ババ)のために、チームにとっても大事な戦いとなりました。ザクゥアン(ザイディ)と藤原選手の前でチェッカーを受け、ザムリのポイントを守りたいと考えていました。ザクゥアンと1-2で逃げたかったのですが、最後は藤原選手との戦いになり、2位となってしまいました。レース2は勝利を目指したのですが、思うようなセットアップではなく、勝負することができずに残念な結果になりました。次のタイまでチームと協力して対策して挑みたいと思っています」
小山知良(スーパースポーツ 600cc 3位/3位)
「難しいレースでしたが、ここ3戦、マシンのセットアップは変更していません。ベースができているので、タイヤのライフがきつくなった後半戦で差を詰めることができました。オートポリスの2レース目は、3位になりながら、失格になってしまったので、ここで、その3位を取り戻すことができて、よかったです。レース2も3位で悔しいですが、僕たちのチームは昨年設立したばかり。やっと、表彰台に立てる位置までこれたという思いの方が強いです。ここから、もっとがんばっていきたいと思っています」
名越哲平(アジア・ドリーム・カップ 2位/6位)
「レース1はセカンドローからのスタートだったので、序盤からペースを上げていきましたが、接触があり、遅れてしまいました。焦る気持ちを、落ち着けと言い聞かせながら、冷静に追い上げました。2レース目は、後半勝負とMCシケインをトップで立ち上がり、抜かせて、そのライダーのスリップを使い、勝つつもりだったのですが、うまくいきませんでした。鈴鹿は日本人ライダー3人で表彰台を独占して日の丸を上げたかったのですが、残念です。この悔しさを、残り2戦で晴らします」
黒木玲徳(アジア・ドリーム・カップ リタイア/5位)
「今回の鈴鹿で新しいマシンを用意してもらったのですが、そのマシンに慣れることができずにレース1で転倒してしまいました。マシンが大破したことで、また、マシンを用意してもらいましたが、煮詰めることができずに悔しい結果に終わってしまいました。日本ラウンドは、どうしても勝ちたかった。いい走りを見せたかったので、残念で仕方がありません。残り2戦、しっかりと、これまで学んだことを発揮できるようにしたいと思っています」
森俊也(アジア・ドリーム・カップ リタイア/7位)
「日本ラウンドは、なにがなんでも勝ちたいと思っていたのに、うまくいきませんでした。1レース目に転倒に巻き込まれて転び、左肩を痛めてしまいました。2レース目はブレーキングもうまくいかず、何度も飛び出しそうになりながら、チェッカーを目指しました。レース後にきちんと治療し、万全の体調で、残り2戦に挑みたいと思います」
中野真矢 | アジア・ドリーム・カップアドバイザー
「昨年はショートコースでの戦いでしたが、今回は憧れの鈴鹿のフルコースでの戦いで、ライダーたちは気合が入っていました。とくに日本人ライダーの3人は心に秘めるものがあったと思います。カイルール(パウィ)と名越が抜けているかなという印象ですが、今回は初表彰台を獲得したライダーもいて、参戦ライダーの成長を感じることができました。次戦も新たなライダーが躍進してくれることを期待しています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | 13 | 29'23.968 |
2 | 100 | 玉田誠 | Honda | 13 | +0.129 |
3 | 71 | 小山知良 | Honda | 13 | +1.228 |
4 | 21 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | 13 | +1.348 |
5 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 13 | +2.022 |
6 | 20 | ディマス・プラタマ | Honda | 13 | +2.328 |
7 | 91 | ジャクリット・サワンサワット | Honda | 13 | +2.584 |
8 | 34 | 岩田悟 | Honda | 13 | +3.397 |
9 | 162 | ファディル・イマムディン | Honda | 13 | +6.591 |
14 | 59 | ラタポン・ウイライロー | Honda | 13 | +20.864 |
18 | 24 | ピラワット・ウォンタナノン | Honda | 13 | +34.331 |
23 | 54 | 田尻克行 | Honda | 13 | +53.913 |
24 | 690 | 山内芳則 | Honda | 13 | +1'02.279 |
RT | 82 | スハタイ・チャンサップ | Honda | 7 | +6Laps |
RT | 52 | ザムリ・ババ | Honda | - | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 13 | 29'19.812 |
2 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | 13 | +0.463 |
3 | 71 | 小山知良 | Honda | 13 | +0.876 |
4 | 20 | ディマス・プラタマ | Honda | 13 | +0.935 |
5 | 100 | 玉田誠 | Honda | 13 | +1.003 |
6 | 21 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | 13 | +1.150 |
7 | 91 | ジャクリット・サワンサワット | Honda | 13 | +1.485 |
11 | 34 | 岩田悟 | Honda | 13 | +13.532 |
12 | 82 | スハタイ・チャンサップ | Honda | 13 | +15.152 |
13 | 59 | ラタポン・ウイライロー | Honda | 13 | +15.504 |
16 | 24 | ピラワット・ウォンタナノン | Honda | 13 | +32.422 |
21 | 54 | 田尻克行 | Honda | 13 | +45.505 |
25 | 690 | 山内芳則 | Honda | 13 | +1'00.947 |
RT | 162 | ファディル・イマムディン | Honda | 6 | +7Laps |
RT | 52 | ザムリ・ババ | Honda | - | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | カイルール・イダム・パウィ | Honda | 7 | 19'16.348 |
2 | 5 | 名越哲平 | Honda | 7 | +1.120 |
3 | 4 | アンディ・ファリド・イズディハール | Honda | 7 | +1.541 |
4 | 8 | チュアン・アンユー | Honda | 7 | +1.716 |
5 | 11 | アディティア・パンゲストゥ | Honda | 7 | +1.935 |
6 | 14 | アルシャド・ルシュディ・シャハルム | Honda | 7 | +2.329 |
7 | 18 | パサウィト・ティティバララク | Honda | 7 | +19.733 |
8 | 13 | ココ・タダチ | Honda | 7 | +19.798 |
9 | 3 | スミト・ルークス・トッポ | Honda | 7 | +44.746 |
10 | 15 | シュール・アーヴィン・ダニエル | Honda | 7 | +58.714 |
11 | 16 | リー・イェン・チン | Honda | 7 | +1'07.415 |
12 | 12 | サラス・シャンカル・クマ | Honda | 7 | +1'20.163 |
RT | 17 | キアディサック・チャウイセット | Honda | 6 | +1Lap |
RT | 7 | ハリス・ファーハン・バハリン | Honda | 4 | +3Laps |
RT | 2 | 黒木玲徳 | Honda | 1 | +6Laps |
RT | 6 | 森俊也 | Honda | 1 | +6Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | カイルール・イダム・パウィ | Honda | 7 | 19'12.705 |
2 | 8 | チュアン・アンユー | Honda | 7 | +0.301 |
3 | 11 | アディティア・パンゲストゥ | Honda | 7 | +0.530 |
4 | 4 | アンディ・ファリド・イズディハール | Honda | 7 | +0.966 |
5 | 2 | 黒木玲徳 | Honda | 7 | +1.227 |
6 | 5 | 名越哲平 | Honda | 7 | +1.322 |
7 | 6 | 森俊也 | Honda | 7 | +14.003 |
8 | 3 | スミト・ルークス・トッポ | Honda | 7 | +14.379 |
9 | 18 | パサウィト・ティティバララク | Honda | 7 | +14.725 |
10 | 12 | サラス・シャンカル・クマ | Honda | 7 | +14.931 |
11 | 13 | ココ・タダチ | Honda | 7 | +29.550 |
12 | 15 | シュール・アーヴィン・ダニエル | Honda | 7 | +52.293 |
13 | 17 | キアディサック・チャウイセット | Honda | 7 | +52.796 |
14 | 16 | リー・イェン・チン | Honda | 7 | +58.378 |
RT | 14 | アルシャド・ルシュディ・シャハルム | Honda | 6 | +1Lap |
RT | 7 | ハリス・ファーハン・バハリン | Honda | - | - |
RT | 9 | アルナギリ・プラブ | Honda | - | - |
RT | 10 | ラクラン・カヴニー | Honda | - | - |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 藤原克昭 | カワサキ | 132 |
2 | ザムリ・ババ | Honda | 99 |
3 | 玉田誠 | Honda | 97 |
4 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 90 |
5 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | 89 |
6 | ディマス・プラタマ | Honda | 83 |
7 | 小山知良 | Honda | 82 |
8 | ジャクリット・サワンサワット | Honda | 69 |
10 | ラタポン・ウイライロー | Honda | 43 |
11 | 岩田悟 | Honda | 42 |
12 | ファディル・イマムディン | Honda | 39 |
18 | ピラワット・ウォンタナノン | Honda | 11 |
20 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | 11 |
23 | スハタイ・チャンサップ | Honda | 7 |
26 | ドゥイ・サトリア | Honda | 5 |
31 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | 2 |
32 | 田尻克行 | Honda | 2 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイルール・イダム・パウィ | Honda | 195 |
2 | 名越哲平 | Honda | 135 |
3 | アディティア・パンゲストゥ | Honda | 105 |
4 | チュアン・アンユー | Honda | 96 |
5 | アンディ・ファリド・イズディハール | Honda | 83 |
6 | 森俊也 | Honda | 77 |
7 | スミト・ルークス・トッポ | Honda | 65 |
8 | 黒木玲徳 | Honda | 56 |
9 | サラス・シャンカル・クマ | Honda | 50 |
10 | ココ・タダチ | Honda | 41 |
11 | ハリス・ファーハン・バハリン | Honda | 39 |
12 | キアディサック・チャウイセット | Honda | 38 |
13 | パサウィト・ティティバララク | Honda | 32 |
14 | シュール・アーヴィン・ダニエル | Honda | 30 |
15 | アルシャド・ルシュディ・シャハルム | Honda | 25 |
16 | リー・イェン・チン | Honda | 21 |
17 | アルナギリ・プラブ | Honda | 8 |
18 | ラクラン・カヴニー | Honda | 5 |